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キチガイプレイヤーと戦闘

 確か、待ち合わせたのは階層Sの一番右奥に有る闘技場だ。階層Sには16の闘技場が有る。まあ、1つの闘技場でも同時に何試合も行われているので、闘技場数などあまり関係ないのだが、その闘技場内で行われてる戦いは見ることが出来るようになっているのだ。


「あ、リン」

「あ…本当にそっくりね…」

「まさか髪の色まで一緒だったとは…これプレイヤー名を表示させなかったらどっちがどっちか分からないんじゃない?」

「…削いだのね」

「あぁー。そこで分かるか。そういや、俺の性別変わったバージョン、お前よりも大き」

「あ゛?」

「何でも無い」

「よし。戦おう」

「ああ」


 まあ、世の中言わぬが仏っていう言葉もあるし…うん。俺は何も言ってないし、凛は何も聞いていない。そう願おう。女の子が発しちゃ駄目なような音域も聞こえたような気がするが気のせいだろう。

 因みに、声はアバターで決まるので、俺と凛声は全く同じだったりする。


 ステ振り、装備は一切変えずに今までどおりにした。


「殺すから」

「……」


 あ、これは聞こえてたやつですね。

試合開始の合図と共に俺と凛、両方が動き出した。

 俺は首を取りに、凛はカウンターの構えを。

まあ、俺がカウンターをくらうわけがないし、凛が首チョンパされるわけもなかった。


「ステ振りを聞いても?」

「STR1、AGI2、瞬剣士の装備一式、太刀1、特殊能力でカウンター補正、反射、初撃強化。PSで勝てるわけがないから、カウンターで沈めるしか無い」

「いや、俺そこまでPS無いからね?剣一本とか、上手く使いづらいから出来ないし」


 まあ、あの太刀で一撃をくらえば、一瞬で死ねるだろう。

取り敢えず…


「ねぇ、刀も着物もやり辛いんだけど…」

「知らない」


 そう。刀にしろ、着物にしろ、とてもやり辛いのだ。俺はいつも短剣二本と足技を使って戦っているので、その両方が出来ないこれは辛い。短刀だったら良かったかもしれない。


「いや、変えていい?ドローって事で」

「無理。変えたいなら殺されろ」

「サイコパスゥゥゥウウウ!!!」

「黙れ」


 まあ、動きづらいとはいえ、向こうが武器1本なのに対して、此方は2本だ。負けるわけがない。片方の刀で上手く受け流して、もう一本の刀で首チョンパした。


「負けたっ…」

「いやー危なかった。てか、お前プレイスタイル俺と一緒なんだから、俺のこと気にせずに短剣二本でくれば良かったのに」

「そしたら勝ち目がない」

「いや…」

「『いや』?ソウより上手く短剣を使えてる人を見たこと無いけど?」


 …本当に自慢じゃないけど否定が出来ない。剣一本とか、変な武器を使って俺よりも強い人は偶に見てきたけど、俺と同じプレイスタイルの人で俺より強い人は見たこと無いな…。


「まあ良いや。俺も本来のプレイスタイル戻るからガチでやり合おうぜ」

「…分かった」


 浪漫を求めるのは一回止めて、本来のプレイスタイルに戻ることにした。STR×1とAGI×1とDEX×1、凛が言っていた瞬剣士の装備一式、短剣を2本、特殊能力は縮地、蜃気楼、不意打ち。それとちょっとした小細工。


 もう一度、凛に申請された対戦を承諾し、闘技場へと転送された。

多分、傍目から見たらある一部の大きさ以外全部同じに見えるだろう。プレイスタイルが一緒だから。


「倒すから」

「おう。本気で来い」


 試合開始と共に動き出したのは凛だ。速攻で俺に接近し、右手の剣を弾きあげようとしたが、そんな簡単にはやらせない。


「いや、ほんとそのスタイルは誰に似たのやら…」

「喧しい!」


 凛が色々な方向から短剣を差し込んでこようとするが、全てを剣で弾き返す。その間に、数度程足をかけようとしたが、全てが失敗に終わった。まあ、そんな簡単に行くとは思っていない。次はこちらから攻める番だ。取り敢えず、空いていた首へと剣をねじ込もうとしたが、当然剣に弾かれる。弾かれた俺の隙を狙ってなのか、剣を指してこようとしたため、腹を蹴り飛ばす。


「面白いもん見せたげる」

「は?」


 これから行うのはちょっとした芸当だ。大道芸人って言っても納得してくれる人がいるかもしれない。STRとDEXに振った理由の大半がこれだったりするが、俺は短剣を上手く手のひらに抑えながら、逆立ちをを開始した。と言っても0.5秒程の間だけだ。呆気に取られた凛を見て、靴に仕込んである剣を使って蹴り飛ばす。が、しっかりと剣で弾かれた。まあ、その弾いたタイミングを利用して手の剣を使って切りかかり、腕にかすり傷を負わせることが出来た。


「何やってんの?舐めてんの?」

「いや?ただ、これから変なことするから惑わされんなよ?」


 とにかく、上下回転を加えて、足や手両方を使って攻撃を続ける。


「【武具延長】」


 その声と共に、凛が持ってた2つの短剣が”伸びた”。長さ的には2倍ほどだろうか?


「まじすか?」


 そのままの状態で俺に切りかかってきたので、攻撃などせずに全力で上下回転をしながら躱し続ける。10秒経過したタイミングで、伸びていた短剣が元に戻ったので、行動を開始した。

 まず、俺の縦回転を加速化する。それこそ何の意味も無いぐらい。そして、時々意味の無い振りや、頭の動かし方もする。


「何やってんの?」

「殺された理由を分からなくしてやる」

「は?」


 で、バク転をする瞬間に、蜃気楼、縮地を使い、凛の真後ろへ移動する。

勿論、凛は俺が移動したことに気づかず、意味のわからない、バク転などと言った行動を取り始めた俺の隙だらけの体に攻撃を入れるが、霧散する。

 で、その攻撃をしている間に、俺はバク転の遠心力などをフルに使い、4連撃を浴びせる。


 うん。気持ちぃ。


『WINNER ソウ』


 良いね。色々と前準備は必要だし、一発芸になっちゃうけど、決まるととても気持ちが良い。


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