見捨てる選択
魔王デスマスターの魔力暴走により巻き込まれたと思われる、ニラダとガンディーの生存を信じてミヨモ達は玉座の間の跡を捜索するがニラダ達の姿どころか持ち物すら見当たらないのであった。そんな中、ミヨモ達の前に現れたカイルにティアが事情を説明する。
「……というわけなんです、だからニラダとガンディーさんを早く見つけないとこのままじゃあがれきの中で……」
「そうか……ガンディーさんとニラダ君が……、気持ちは分かるが、我々は魔王を倒した以上すぐにここを離れなければいけないな」
「え⁉どうしてですか?まだニラダ君達は見つかっていないのに」
「魔王を倒した以上、我々はその事をギルドに報告し、全世界に発信しなくてはいけない。人々の安心と魔王軍と戦っている者の士気を上げ、逆に魔王軍の士気を下げるためにね」
カイルはあくまでも魔王討伐の報告は大事だと主張し、ミヨモ達にこの場所からの離脱を促すが、それに対しミヨモが返答をする。
「それじゃあカイルさん達だけで先にギルドに戻ってください、私達はまだここで探していますから」
「何を言うんだ!魔王を倒すのに君達はかなり消耗しているし、ここに魔王軍の幹部が戻ってきたら、今の君達はひとたまりもないぞ!」
「そ、それは……」
「それにここには休憩施設もなければ、食べるものもろくにない、まともな回復ができないまま倒されるのがオチだ!」
ミヨモは残ってニラダ達を探すことを主張するがカイルは魔の国という人間にとっては環境の悪いところに消耗した状態で居続ける事は危険である事を主張し、その言葉を聞いたティアとジャンはカイルに同町の意思を示す。
「ミヨモ、カイルさんの言うとおりだわ、私達もギルドに戻りましょう」
「そんなティアさんまで!」
「体力なら私の魔法で回復できるけど、魔力が尽きればどうしようもないわ、それはあなただって同じよ」
「そうだ、とてもじゃないが今お前たちを守り切る自信はねえ、あいつらには悪いけどよ……」
ティア、ジャンもカイルの話を聞き、これ以上の捜索は危険が大きいと判断して帰還することをミヨモにすすめ、ミヨモはその場で泣き崩れてしまう。
「二、ニラダ君を見捨てて帰らなくちゃいけないの……そんなの……あんまりだよ……う。ううう……うわあああん!」
「ミヨモ……カイルさん、先に行っててください、多少強引にでもミヨモは連れていきますから」
「分かった、それじゃあ先に船に向かっておく」
そしてティアとジャンは泣きじゃくるミヨモを2人で抱えて少しづつ歩いて、ギルドに戻るべく船まで歩き出す。だがこれはニラダとガンディーを見捨てる選択でもあったのだ。




