年金の役割
私は、
透析患者だ。
以前、
透析の針を刺しに来た
看護師で最年少の女の人に、
「勤続何年なの?」
と、
聞いてみたら、
「十五年です。
最初の頃は、
最年少に相応しい年齢だったんですけど、
今は、
恥ずかしくて」
勤続十五年で、
最年少って?
この病院は、
業界でも、
看護師の定着率が高いので、
有名なのだが。
確かに、
理事長が、
創業者で、
世慣れた感じの医者で、
良い雰囲気の人なんだけど。
でも、
県内最大手の透析病院の
最年少看護師が、
勤続十五年って?
次に、
透析技師の技師長と雑談していたら。
ちなみに、
この人は、
県の技師会のトップで、
まだ、
四十代だ。
彼は、
資格を取って、
2~3年で、
主任になれたそうだ。
でも、
三十代後半の女の透析技師は、
もう十年以上、
病院に居るのに、
まだ、
ヒラのまま。
ついでに、
看護師長の話を聞くと。
彼女は、
病院開設以来、
二十年以上も、
ずーっと、
看護師長を、
続けている。
年齢は、
七十代以上。
何の話なのか?
と言うと。
ここに出て来た人達は、
全員、
国家資格を持っているので、
実質、
定年が無い。
上が詰まっているから、
出世出来ず、
上がいないと、
簡単に、
昇格可能に。
それが、
現実の世の中だ。
能力や実績で、
上の人を、
引きずり下ろす
さすがに、
それは、
ちょっと。
さて、
日本が発展していた頃は、
五十五歳定年制だった。
単純に考えると、
今よりは、
少なくとも、
十年は、
出世が早かった。
そりゃ、
日本が発展するわ!
その景気との相乗効果で。
「半年勤めれば、
主任で、
二年で、
店長、
五年で、
営業本部長」
みたいな話を、
昔は、
聞いたものだった。
今、
年金の様な
共産主義的制度は、
否定されている。
どんどん支給額が削られ、
支給開始年齢も、
後退している。
もちろん、
これらは、
『日本人を貧乏にする』のに、
最大の効果を発揮する。
では、
誰が?
貧乏くじを引くのか?
と、
言うと。
表面的な対象者である
老人達は、
今まで、やって来た仕事を続ける
という選択肢が、
残されてさえいれば、
影響は、
少ないと、
思うけど。
日本人の敵に、
本当に狙われているのは、
若年層だ。
若い人達は。
老人が、
職場に居残れば。
求人そのものの絶対数が、
減るし、
昇進も、
遅れる。
当然、
給料も、
少なくなる。
それに、
老人を補充として使えるシステムが、
構築されると。
正社員比率が、
さらに、
下がる。
五十五歳定年制の時は、
ほとんど全員が正社員だし、
出世は、
十年早い。
そりゃ、
結婚も出来るし、
子育ても。
昔、
自民党が評価されている唯一の点は、
トップが、
コロコロ代わる
事だった。
これの意味、
解るよね?
でも、
今は、
これも、
日本人の敵に攻撃されて、
変わってしまったが。




