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刹那の風景 : 書籍関連  作者: 緑青・薄浅黄
刹那の風景3:竜の縁と危亡の国

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13/28

『 カバーイラスト & 短編「夜陰」 』

書籍のみ読まれている読者様へ。

三巻のネタバレがありますのでご注意下さい。

もしよろしければ、三巻を読まれてから、

お時間のあるときに、覗いていただけると嬉しいです。


Web(アネモネ : 貴方を信じて待つ:僕とアルトの休息)までを、

読んでいただいている読者様は大丈夫です。

【 書籍:カバーイラスト & 短編「夜陰」 】


sime様に描いていただいた、書籍のカバーイラストです。




挿絵(By みてみん)




転記・転載は禁止です。

よろしくお願いします。


目にするたびに惹かれます。

厳かな雰囲気に、その静謐な空気に息を飲んでしまいます。

短編どうしようかとかなり悩みました。

sime様のイラストから、インスピレーションをいただき、

スランプを抜け出せました。


なので、今回……本編に描きたいことを、

すべて描いてしまったので。

これ以上は蛇足かなと、薄浅黄と話していたんです。


それでも何か……本編の邪魔にならないような、

短編を綴りたいと考えた結果、本当に短い文章ですが、

これなら大丈夫じゃないかと思うものが紡げたので、

読んでいただけると幸いです。



【リヴァイル】


夜何かが動く気配を感じて目を開ける。


周りを見渡し確認すると、

アルトとサイラスは眠っていたのだが、セツナがいない。


どこにいったのかとその気配を探ると、

どうやら洞窟の外にいるようだ。


こんな夜更けに何をしているのか気になり、

気配を消して移動する。


わざわざ気配を消したというのに、

この男はたやすく私を見つけ声をかけてきた。


「あれ? 起こしてしまいましたか?」


「……こんなところで何をしている?」


「寝付けなかったので、お酒を飲んでいました。

 リヴァイルさんも飲みますか?」


飲むと口に出しかけるがやめた。


「いらん」


「弟と親睦を深めようと思わないんですか?」


私の思考を読んだかのようないらえに、内心で舌打ちをした。


「お前と親睦を深める理由がない」


「そうですか」


セツナはそれ以上何もいうことなく私から視線を外し、

どこかを見つめながら酒を口に含んでいた。


その方向に何かあるのかと目をこらして見るが何も見当たらない。

そしてふと……ひらめくように私の脳裏に妹の姿が浮かんだ。


「……お前が見ている方向に妹がいるのだな」


それは確信だった。


「……」


なのにこの男は何も答えない。

私がここから離れられなくなるかもしれないと、

警戒しているのかもしれない。


「今更……妹に会いにいく愚かなことはしない。

 それが、妹の望みなのだろう?」


「竜族はみな、貴方達みたいに意思が強いのでしょうか」


「どういう意味だ」


「僕は、逢いにいきたくて仕方がない」


「……」


ああそうか。

明日別の大陸へと移動するから、

こいつは一人で別れを惜しんでいたのか。


妹の姿が見えずとも……その気配を感じなくとも、

存在する方向をただ見つめ酒を飲みながら。


「お前は二度と会わなくてもいい」


私の言葉にセツナがチラリとこちらを見たが、

すぐに視線を元へ戻す。


「お兄さんはそろそろ寝たらどうですか? 

 そのヘロヘロの魔力では竜国まで飛べませんよ」


「ヘロヘロではない。

 そして……お前に心配されるいわれはない。

 私はここに立っているだけだ」


別に戻ってもよかったのだが、なんとなく立ち去りがたかった。

もしかしたら、セツナにあいつの姿を重ねてしまった一瞬が、

あったからかもしれない。


セツナの背に背を向けるようにその場に座る。

私のここから離れる気がないという意思表示に、

セツナは軽くため息をついてからこちらを見ることなく、

グラスを私の横に置いた。


「竜水です」


竜水ならばと思い飲んでいるとセツナが

「いつか酒を酌み交わせるといいですね」と宣った。


私の答えなど知っているだろうにと、

鼻で笑いながらそれでもあえて答えてやる。


「お前が妹と別れたときに酌み交わしてやろう」


「……」


それからは時々会話を交わし、時折憎まれ口を利きながら、

私達は朝焼けが訪れるまでの短くない時間を過ごしたのだった……。


-End-


ありがとうございました!



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僕達の小説を読んでいただき、また応援いただきありがとうございます。
2025年3月5日にドラゴンノベルス様より
『刹那の風景6 : 暁 』が刊行されました。
活動報告
詳しくは上記の活動報告を見ていただけると嬉しいです。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 憎まれ口を叩き合う二人が好きです。 その奥のある種の信頼と、妹を挟んだお互いの受け入れられなさ?と、カイルを挟んだ切なさと、ごっちゃにしてあらわれた二人の関係性が、すごく好きです。 ハルに…
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