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『超速爆速レベルアップ』 ~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~  作者: シオヤマ琴
第三章

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第41話 デートのフリ

「じゃ、じゃあ行こうか」

「はい。お願いします」


岸田さんの家を出た俺と岸田さんは二人で手をつなぎながら歩く。

もちろんこれも恋人同士に見せるための演技である。


俺は小声で、

「ねえ、岸田さん。やっぱり手までつなぐ必要はないんじゃないかな?」

そうささやくが、

「いえ。これもストーカーを諦めさせるためには必要なことです」

かたくなに譲ろうとはしない。


「わたしと手をつなぐの嫌ですか?」

「別に嫌ではないけどさ」

嫌ではないが、恥ずかしい。

自然と手汗がにじみ出てくる。

ちなみに岸田さんは普段の服装とはかけ離れた、かなりガーリーな服装をしていた。

そのことで俺は余計に緊張感が増していた。


すると突然岸田さんは手鏡を取り出し、それを見出した。

やはりなんだかんだ、岸田さんも身なりを気にする女性なんだな、と感心していたところ、

「木崎さんも見てください」

と手鏡を俺の方によこしてきた。


「いや、俺はいいよ」

そう返すが、

「? ストーカーが鏡に映っているので見てくださいませんか?」

と岸田さん。

俺はとんだ勘違いをしていたとわかり、顔を赤らめながらも平静を装いつつ、

「あ、ああ、ごめんっ」

手鏡を受け取りそれを覗き見た。

とそこにはたしかに男が映っていた。


俺たちの後ろの電信柱の陰に男が隠れている。

その男は俺と同年代くらいで、身長はやや低め。

小太りで、お世辞にもあまりモテそうにない見た目をしていた。

不謹慎なもの言いかもしれないが、ストーカーをそのまま絵に描いたような人物だった。

下手な断り方をしたら、それだけで逆恨みしてきそうな面構えだ。

あんな男に四六時中付け回されるんだから美人も結構大変なんだな。


「見えましたか?」

「ああ。たしかにストーカーみたいだね」

「はい。わたしが直接言っても効き目がないのはもう実証済みなので、今日のデートで仲のいいところを見せつけて、諦めさせましょう」

「ああ、わかったよ」


こうして俺は後ろをついてくるストーカー男に今後一切のストーキングをやめさせるため、岸田さんとの一日デートに全力で挑むこととなった。



◆ ◆ ◆



「で、なんで映画館なんだ? もっと明るくて人目につく場所の方がいいんじゃないの?」

「わたし、観たい映画があったんです。一人じゃ入りにくかったのでちょうどいいかなぁと」

映画館の前で岸田さんはそんなことを言う。


「駄目ですか?」

と岸田さんは上目遣い。


「別に駄目じゃないけどさ。映画館に入ったら2時間近くはただ映画を観るだけになっちゃうよ」

「そうですよね。だったらやっぱり諦めます」


そう返す岸田さんは思いのほか、しゅんとなっていた。

俺はその姿を見て、

「岸田さんが映画が観たいなら俺は付き合うよ。今日はデートなんだから」

俺は元来の見栄っ張りが顔を出し、そんな言葉を発していた。


「いいんですか?」

「うん、いいよ」

「ありがとうございます」

とまたも岸田さんは上目遣いで俺を見る。

はぁ~……やっぱり美人は得だな。

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