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『超速爆速レベルアップ』 ~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~  作者: シオヤマ琴
第二章

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第33話 閉幕

「……さん、起きてください。木崎さん」


優しい声が頭上から降ってくる。

俺はその声にいざなわれるようにして、目を開けた。


「……ぅん? あ、あれ? 岸田さん?」

「どうも」

目の前には岸田さんの顔があった。

気付けば俺は、岸田さんの膝の上に頭を乗せて寝ていたようだった。


「おわっ、ご、ごめんっ」

「いえ、わたしが勝手にしたことなので」

いつも通り平然とした様子の岸田さんはそう言うと、ベンチから立ち上がり「うーんっ」と背伸びをする。


「お、俺、なんで岸田さんに膝枕なんか……」

「憶えていませんか?」


岸田さんにそう問われた俺は頭をフル回転させ、記憶の糸を手繰り寄せる。

すると次第に、おぼろげながら記憶がよみがえってきた。


そ、そうだ。

たしかダンジョン所有者限定バトルトーナメントの決勝戦で、岸田さんとまさにこれから戦おうとしていたんだった。

それで試合開始直後に、岸田さんが何かつぶやいたと思ったら、俺は突然気を失って……。


「っていうか試合はっ?」

「試合はもうとっくに終わりましたよ」

そう答える岸田さんの肩越しには夕日が赤々ときらめいて見えた。


「わたしが優勝しました。これ、優勝賞品の使い魔の卵です」


言って岸田さんはカラフルな模様の卵を見せてくれた。


「そ、そっか。俺、岸田さんに負けたんだね」

「はい」


余裕で優勝できると思っていたのに、まさか岸田さんに負けるとは。

俺はため息を吐きつつ周りを見渡す。

するとそこはバトルトーナメントの開催場所の最寄り駅だった。


「もしかして、岸田さんが俺をここまで運んでくれたの?」

「はい。わたし結構力あるので」

「そう。ありがとう。なんか迷惑かけてごめんね」


俺がお礼と謝罪を同時にすると、岸田さんは少しだけ申し訳なさそうな顔になる。


「すみませんでした。卑怯な方法で勝ってしまって」

「え?」

「わたし、どうしても使い魔の卵が欲しくなってしまって……まともにやったら木崎さんには勝てないと思ったので、わたしのスキルで木崎さんを眠らせてしまいました」

「あー、そうだったんだ」


俺の記憶がおぼろげなのは岸田さんのスキルのせいか。

相手を眠らせるスキル……それは想定していなかった。


「もしよかったらこれ、いりますか?」

言いながら岸田さんは使い魔の卵を俺に差し出してくる。


「いいよいいよ。優勝したのは岸田さんなんだからっ。それにスキルありの勝負だったんだから全然卑怯とかじゃないし」

「そうですか。じゃあ、遠慮なく」

岸田さんは俺の言葉を聞いてすぐさま卵をバッグの中にしまう。

なんだかんだ言って、結局、使い魔の卵は手放したくないようだった。


とそこへ電車がホームへとやってくる。

岸田さんは、

「木崎さん。帰りましょうか」

俺を振り返って言った。


「うん、帰ろう」

「あ、木崎さん」

「ん、なに?」

「今日は楽しかったですね」


これは俺の気のせいかもしれないが、俺にそう言った岸田さんはとても幸せそうな顔に見えた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 一気読みしましたが今作品はあまり面白くなかったです
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