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『超速爆速レベルアップ』 ~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~  作者: シオヤマ琴
第二章

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第31話 瞬殺

第一回戦目の勝者は伊勢さんだった。

しかし、伊勢さんは喜ぶそぶりも見せずにスーツ姿の男性のもとへと歩み寄る。

そして、一言二言会話を交わすと、伊勢さんは何も言わず立ち去っていった。


どうしたのだろうと伊勢さんの後ろ姿を眺めていたところ、

『え、えー、伊勢さんは第一回戦目を勝利しましたが、二回戦目は棄権するそうです』

とスーツ姿の男性が話す。

さらに続けて、

『伊勢さんは力をすべて使い果たしてしまったようでして、もう戦えないのだそうです。しかし、伊勢さんの対戦相手であった久留米さんも負けておりますので、次の第二回戦で勝った方は、そのまま決勝戦へ進むことになります。以上です』

との説明があった。


「へー、だそうだよ。よかったじゃないか」

俺は隣に立っていた岸田さんにそう声をかける。

というのも、岸田さんは次の第二回戦で戦うことが決まっているからだ。


だが岸田さんは、

「そうですね」

といたって冷静。

やはり感情を表に出すことはなかなかしない。


『それでは第二回戦目の準備をお願いします。熊谷さんと岸田さんは前に出てきてください』


そのアナウンスを受けて両者が対峙する。

熊谷さんとやらは紳士風のおじいさんで、杖をついていた。

一方の岸田さんもまた、魔法使い風の風貌なので、杖を握り締めている。


両者が見合っていると、

『では勝負始め!』

スーツ姿の男性による勝負開始の宣言がなされた。



◆ ◆ ◆



「ふぉっふぉっふぉ。お嬢さん、わしはこんな年寄りじゃが手加減はせんでええからのう」

「そうですか。わかりました」

「とはいえ、お嬢さんにはやはりわしぐあぁぁっ……!」


その場にいた全員が呆気にとられていた。

当然だ。

なにせ、まだ話している途中の熊谷さんのボディに岸田さんが渾身の右ストレートを叩き込んだのだからな。


熊谷さんはそのまま地面に沈み、

『……し、勝負あり。勝者は岸田さんです!』

岸田さんに勝ち名乗りが上げられた。



平然とした顔で戻ってくる岸田さんに、

「す、すごいね。いろんな意味で」

俺がそう話しかけると、

「ありがとうございます」

と一礼した。

うーん、やはりつかみどころのない人だ。



◆ ◆ ◆



第三回戦目は武藤さんという男性が勝ち残り、そして第四回戦目にしてようやく俺の出番となった。

俺の対戦相手は津村さんというかなり体格のいい男性だった。


そんな津村さんは俺に対して、

「なんだぁ。こりゃまた弱々しそうなのが相手だなぁ、おい」

と挑発する言葉を吐いてくる。


「おいガキ、俺に殺されたくなきゃとっとと棄権しろ。さもないとマジで死んじまうかもしれねぇぞ」

「でも、相手を殺したら失格ですよね?」

「だから、そうならねぇようにお互いのためを思って言ってんだよ、馬鹿がっ」

そう息巻いた津村さんの唾が俺の顔にぴちょっとつく。


俺はそれを手で拭いつつ、にらみを利かせてやった。

すると、

「あん? なんだその目つきは? 本気でおれとやろうってのかっ? いいかよく聞け、おれのレベルは540だ。お前のようなガキには到底超えられる数字じゃない。もう一回言うぞ。死にたくなきゃ棄権しろっ」

最後通告をするかのごとく、津村さんは俺を見下ろしながら吐き捨てた。


「あの~、一応言っておくと俺のレベルはその6倍くらいありますけど……」

「がぁっはっは! 何を言うかと思ったら、おれのレベルの6倍だって。笑わせるなよな、がぁっはっはっは! おれが540レベルに上げるまでどれだけの努力をしたかまるでわかってねぇんだな、お前は」

『え、えーそろそろ始めたいのですが、両者ともよろしいでしょうか?』

俺たちの会話にしびれを切らしたようで、スーツ姿の男性が割って入ってくる。


「おう、いいぜ。このガキにおれの怖さをわからせてやる。そうすりゃさっさとギブアップするだろ」

「俺もいいですよ」

『えー、それでは第四試合、始めっ!』



――このわずか4秒後、俺の足元で口から泡を吹いて失神している津村さんを見て、スーツ姿の男性が俺の勝ち名乗りを上げた。

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