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『超速爆速レベルアップ』 ~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~  作者: シオヤマ琴
第二章

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第29話 本選進出者

一時間ほどしたあたりで、

『それでは皆様、本選出場者8名が決定いたしましたので、今から発表したいと思います』

マイクを通して男性の声が響いた。

俺は岸田さんとともにその声に耳を傾ける。


『ではまず1人目は、伊勢恭介さん』


発表と同時に「おっしゃ!」という男の声が上がった。

振り返り見ると、その声の主は先ほど男たちを一喝して黙らせた大男だった。

全身に重そうな鎧を身につけていて、背中には大きな剣を携えている。

見るからに強そうな出で立ちをしていた。


『続いて2人目は雪村真司さん』


「いえ-い! やったぜ!」

とまたしても男の声が届いてくる。

その後も発表は続き、

『5人目は岸田桃さんです』

5人目にはなんと、岸田さんの名前が呼ばれた。


横目で盗み見ると、

「……」

岸田さんは本選出場が決まったにもかかわらず、相変わらずの無表情でリアクションは一切取っていなかった。

というか、岸田さんって桃っていうのか。

そんな可愛い名前だったとは……知らなかった。


さらに発表は続いていき、

あれ? もしかして俺、落ちてる?

などと不安になりかけた頃、

『7人目は木崎賢吾さんです』

俺の名前が呼ばれた。


ふぅ。

ホッとして安堵の表情を俺は浮かべる。


『……というわけで、以上の8名が本選進出となります。本選出場が決まった8名の方は、向こうにロッジがありますのでそこで明日の本選に備えていただきます。それでは皆様、お付き合いありがとうございました!』


マイクを持った男性が去っていく。

とそこへ、

「よお、お前ら。二人揃って本選出場とはなかなかやるじゃねぇか!」

後ろから声が飛んできた。

振り返るとそこにいたのは大男。

名前はたしか、伊勢だったか。


「ありがとうございます」

「どうも」

俺と岸田さんはそれぞれそう口にする。


「オレは伊勢ってんだ、よろしくなっ。お前らは桃と賢吾だったな。本選でぶつかったらお互い本気でやり合おうぜ! じゃあな!」

「あ、はい。それじゃあ」

「……」


台風のようにやってきてすぐにいなくなった伊勢さん。

なんとはなしに岸田さんを見ると、岸田さんの様子がどこかおかしく見えた。


「どうかした?」

訊ねると、

「あの男の人。わたし嫌いです」

そんなことを言う。


岸田さんは自分のことや感情をあまり表に出さない人なので珍しいなと思いながら、

「なんで?」

と問いかけると、岸田さんは苦々しい顔で、

「わたし、桃って名前、あまり好きじゃないんです。それをよりによって呼び捨てにして」

とつぶやいた。

その顔は初めて見る表情で、本気でそう思っているんだろうなと思えた。


……可愛い名前だねって言わないでおいてよかった。

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