455.~登場人物紹介~(フォル・ラルミ・フレミージュ・カオメド)
◆フォル、六十代後半。
ベルメルシア家に長年仕える執事。
綺麗に整えられた白髭に白髪の優しい雰囲気でスラリと背が高く、アメジストの祖父代わりでもある。
オニキスを支えエデも一目置く存在。
バランスの良い安定した魔力と万能な能力を併せ持ち、スピナが唯一『この屋敷で逆らえない』と感じている相手だ。
◇ラルミ、四十代、人族。
生前のベリルを知るベルメルシア家のお手伝い。
珍しい柑子色の天然パーマの髪はいつも後ろで結われ、垂れ目に茶系の瞳が彼女の優しい雰囲気をさらに底上げしている。
あの夜に起こった秘密を知る唯一の存在。
永眠する直前にベリルから頼まれ交わした約束を一人で胸に抱え守り続けてきた彼女は、隠し扉の中で光の姿であるベリルと出会ったというジャニスティへ『ベリル様のお心を継ぐ者』と話し喜ぶ。その後、彼の質問に答えマリーゴールドの意味を伝える。
ベリルから託された命――ベルメルシア家の血を継ぐアメジストを我が娘のようにずっと見守り愛してきた彼女は、厳守し続けた『ベルメルシアの血に眠る隠された力』についてはベリルとの約束通りアメジストにだけ伝えている。
◇フレミージュ、十六歳(フルフェデル種族という隣町に多い種族)
アメジストの同級生。
綺麗な黒髪は二つに結って腰まであるほど長く、切れ長な目に瞳は淡緑色。八重歯が魅力で性格は明るく笑顔を絶やさない。友人も多く、アメジストが困っているところを助けた正義感の強い素敵な女の子である。
様々な種族がいる学校へ通いたいと隣町(故郷)を出て、両親とは離れて暮らす。
アメジストを迎えに来たジャニスティが初めて校門前まで来た際、一度だけ二人は顔を合わせている。
◆カオメド=オグディア、二十代後半。
隣街からの訪問者(オニキスの商談相手)であり、スピナとは怪しげに、密会する仲。
赤系混じりの一風変わった髪色と、薄い茶系の瞳をしている。いつも爽やかな彼の第一印象は、誰もが口を揃えて「好青年だ」と言うが、その本性は信用させた後、平然と騙しさらには精神を操る邪な魔法を使う。
普段は自信満々、意気揚々な性格で明るく振る舞うが、一度怒り狂うと人が変わったように瞳の色が濃くなり、暗がりでもなぜか? 瞳孔が縮む(通常の瞳は、暗闇では瞳孔が大きくなる)。
服飾の祭典での乗っ取りが失敗し激高していたがスピナのベルメルシア家に対する裏切りにより茶会の招待状を手にしたカオメドが、スピナと企てる悪策とは。




