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454.~登場人物紹介~(エデ・マリー・ノワ)


◆エデ、年齢不詳、サンヴァル種族。


 ベルメルシア家の専属御者。


 見た目は黒に見える濃紫色の短髪は白髪交じりで貫禄ある天然パーマ。瞳は黒色だが、ごく稀に濃い赤色へと変化する。サンヴァル種族の中でも高貴な存在と崇められる“漆黒”の美しい翼を持つ。いつも優しく笑顔、それでいて冷静沈着であり、その表情からは全く心が読めない。


 長年ベルメルシア家で御者としての仕事をこなす一方、当主オニキスが全幅の信頼を寄せる相手であり他、様々な種族たちが交流をする場として夜は地下の酒場を切り盛りする店主でもある。




◇マリー、年齢不詳、人族。


 エデの妻、元教師。


 薄く茶色がかった瞳に少し巻かれた艶のある短い銀髪は上品にまとめられている。見た目は七十代後半の小柄で可愛らしい印象だが、その立ち姿は歳を感じさせない程に背筋が真っ直ぐと伸び美しい。エデと昔からの知人は彼女の実年齢を知っているが、訳あって秘密にしている。

 マリーの優しい声は相手の心身を穏やかにする効果がある(彼女の魔法術は独学で、自由に創作することも可能)。


 アメジストの母ベリルとスピナが通っていた学園で当時、授業をしていた先生の一人。

 十数年前に退職してからは、街の様々な活動に率先して参加。現在は街の中心から少し離れた場所で、宝飾店を営む。




◇ノワ、年齢不詳。


 エデ(サンヴァル族)とマリー(人族(ひとぞく))の愛娘だが、それは極秘である。


 見た目は二十代前半。

 艶のある黒色の長い髪と漆黒の瞳(感情が出ると燃えるような赤の瞳に変化し、それは怖いくらいにギラリと光る)。必要最低限しか話をしない彼女は、伏月型の唇をしている。背丈は低め、まるで本物の人形のように美しく、色白で華奢(きゃしゃ)な身体は一輪の花を思わせる。力を使う時、周囲に緊張感と哀情をもたらす一本の絹糸のような時空魔法で、時を止めているような錯覚を起こさせたり相手の心へと音無く呼びかける事ができる。


 訳あって幼い頃から両親と離れ、サンヴァル族が多くの人口を占める場所で育った彼女はその心奥深くに抱く悲しみを見せぬよう、冷酷無慈悲な姿が常である。


 屋敷の皆も気付かぬ間にベルメルシア家で働き始めていた彼女は、疑い深いあのスピナから気に入られ専属のお手伝いとして従事している。

 その表情から考えを読むことは困難で謎の行動も多く、敵なのか味方なのか? よく判らない。しかしアメジストはそんな彼女と扉越しに会話し、ノワの中にある本質を感じ取っている。



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