453.~登場人物紹介~(オニキス・ベリル・スピナ)
◆ベルメルシア=オニキス、四十代後半、人族。
アメジストの父、ベルメルシア家当主。
前髪は綺麗に上げられ清潔感があり、髪色は赤茶色系で少し白髪が交じる。瞳も髪と同じ赤茶色系。
いつ如何なる時も悠然と、何があっても動じず小事にこだわらない強靭な精神力を持つ。自分に厳しく他人に優しく凛々しい彼は、屋敷内だけでなく街の皆からの信用信頼も厚い。
鷹揚な性格の彼に苦手意識を持つ者はほとんどおらず、何でも相談でき頼りになる存在だと街でも評判のまとめ役である。
魔力を持たない彼は最愛の妻ベリルを失った際に一瞬見せた心の隙をつかれ、当時のスピナによって魔毒を盛られる。それが原因でスピナの言動へ強く意見できないよう制御されてしまう。
だが心の全てを操られることはなく、ベリルへの愛は薄れず。
スピナは憤怒し憎悪感にとらわれる。
◇ベルメルシア=ベリル
アメジストの実母、ベルメルシア家前当主。
真珠のように輝く美しいロングストレートの髪は神秘と言われる翠玉色。キラキラと光に反射する毛先はゆるくカールされ、ふわりと優しい印象。二重瞼の大きな瞳は髪色と同色。
『治癒回復』を完璧にこなす魔法の使い手として、この街では貴重な存在であった。
ベルメルシア家の一人娘として大切に育てられたベリルは早くに両親を亡くし、十代で当主に。自身の十八歳の誕生パーティーの席で後に夫となるオニキスと出会い恋をする。
その後、二十歳で結婚。二十二歳で身籠るがその約十ヶ月後、アメジストを無事出産したその夜に突然の病でこの世を去る。
原因不明とされていたが徐々に明らかになる真実に、ベリルはいわゆる仮死状態であると判明(近しい者だけの極秘事項)。あの夜"永眠"した本当の理由は現在、お手伝いのラルミとジャニスティだけが知る。
◇スピナ(ルシェソール=スピナ)、四十代前半。
アメジストの継母として居座り、ベルメルシア家で権力を振るう。
腰まであるソバージュの黒髪と切れ長の睫毛に隠れる瞳は藍色。元は旧家の育ちで背はスラリと高め、綺麗な顔立ちと容姿をしている。
草木花を使う魔法能力が得意とされたルシェソール家の長女。
学生時代(十八歳の頃)家族を火事で失うという不幸な出来事に見舞われ家は消滅。それがきっかけなのか? 数年後まるで別人のように口調や性格が変わる。そのスピナが唯一、心を許す者がルシェソール家に代々仕えずっと傍で見守り続けてきたスピナ専属の御者、アンロである。




