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負け組エリートのギルドマスター~VRMMORPGで復讐主人公は最強を目指し全一ギルドをざまぁする~  作者: 齊乃藤原
第伍章【青は藍より出でて藍より青し。氷は水これをなして、水より寒し】
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第203話「関係性」

 ~バンブーパンダ自砦・陣営~


「あのー!これどうなってんすか?MIKADOさん!」


 弱々しい声でMIKADOの幹部に近づきにくく問いただすのはバンブーパンダのギルドマスターだ。


「お前ら弱くね?うちもそれなりに戦力投下してるんだぞ?何もたついてんだよ!」


 その言葉にカチンときたバンブーパンダの幹部がいた。


「我々もここらで勢いが欲しいと思っていたので、ギルド内で会議の末に援助を受け入れた形です。そのような言い方をしなくてもよくないですか?」


「はぁん?レア装備も極限突破もされていない。ましてや、武器も整えていないのに偉そうに口を開くな」


 バンブーパンダのサブマスターはイライラのゲージをさらに貯めて、負けじと反論する。


「こちらも!……この日のためにスケジュールや装備強化を急ぎました。しかし、この戦いはそちらの内容で……」


「合意した。しかし、ここまで弱いとは想像もつかなかったぞ?吾輩の三日月宗近・改も出番は無いものと思っていたが……」


 男は腰に備えた太刀を見つめ、鯉口から出してはしまっての繰り返しをし、カチンカチンと音を立てて遊んでいた。


「今回の内容の援助はありがたい話ではあります。ですが、こちらもMIKADOという後ろ盾があるという勝算の元、戦いに挑んでいます。言葉を選んで頂きたいです!」


 語尾を強めて伝えるが、男は煙たがって言い返す。


「あのね、君たち。援助を受けるということは既に対等な立場ではないわけ。わかる?うちの下請けするということはそれなりに働いてもらわなきゃ困るのよねぇ♪」


 相変わらずふてぶてしく嫌味しか言えない男は、MIKADOの側近中の側近、ミヤゾンであった。そして、後ろに控えている青い甲冑に身を包んでいる男がグラマスである。この地、サンライズを手中に収めている人物だ。その人物に近づき耳打ちする。


「ミツルギさん、俺としてはパンダのこいつらは…()()()()だ。この戦、勝てるかわからなくなってきたぞ?見切り品だ」


「ああ、そうだな。だが、まだ合戦中だ。それよりセイメイはどうしている?仕留めたのか?」


 ミヤゾンは頭を掻きながら舌打ちをする。


「チッ!これが雲行きが怪しいんだわ。マダラとナタネからは討ち取った報告はまだ来ていない」


「そうか……マダラをサブマスタークラスに引き上げたのに、対して活躍が見られないな?」


「面目ない。ナタネを降格させた意味もない」


「まぁ、それはそれで昇格と降格はあっていいと思うが、それよりも……」


 ミツルギが一歩前に出て戦火とギルドメンバーたちの戦況を確認する。


「ミツルギさん、まさか自らいかないよね?」


「んー、彼と戦ったところで私には無意味だと思うよ?」


「しかし、ここで彼を図に乗せると……」


「それも困るが、まぁ、それも仕方ないことではないのか?」


「今さらそんなことを……!」


「冗談だよ。引き続き捜索に当たってもらおうか。ミヤゾン、君にも動いてもらおう」


「マジ?」


「ここで高みの見物するのは私だけでいいだろ?最後に見切る理由でも見つけてきたらどうだ?」


 ミヤゾンはニヤリと笑う。


「まぁそれもそうだな?この手でセイメイを討ち取るのもありだしな!ハハハハハ!!」


 ミヤゾンは大きく笑い、バンブーパンダの幹部らを驚かせた。


「おい、ミヤゾン」


「どうした?」


「裏から降りろ。我々は今回野良だ。藪からに突っ込むなよ?力の過信は……」


「“身を滅ぼす”だろ?わかってるよ」


 ミツルギは小さく頷き、ミヤゾンを見送った。


 ミヤゾンは崖を下り、セイメイ捜索に加わることになった。


 ───────────


 一方、雫率いる雲海ギルドは、セイメイのお膳立てもあり、村を制圧しバンブーパンダの自砦前に戦列を揃えていた。


「雫、俺らはいけるぞ!」


 雲海ギルドのギルメンの士気は高まる。それはルカ、ファウストという強力な仲間がいるからだ。そして、今までのバンブーパンダとの戦いに決着がつくと思うと士気が自然と高まってくるのだった。


 セイメイ達が行った消炎のあとは、既に消えており、ただの野原になっていた。しかし、ルカだけはそれに気づいていた。


「やはり、マスターはここにいた。」


 それ以上は言葉を飲み込み、戦局の動向を見守っていた。


 雫はフゥーと呼吸を整え、そして突撃作戦を伝える。


「砦の破壊を最優先!死に戻りは村で行う。万が一、村が捕られていた場合は、自陣での復活と即時防衛に!再突撃を図る!」


 オーッ!とギルメンは叫び、最高潮となった。


「突撃!一気に急坂を登れ!無駄死にだと思うな!すすめぇ!」




 雲海ギルドは坂を一気に登り詰める。




 ~バンブーパンダ自砦・陣営~



 一方、少し時間を遡ること、ミヤゾンにもセイメイ捜索の任を与えたミツルギは不穏な空気を読み潮の目が変わると踏んだミツルギは、タスクを開き戦況を確認していた。



 ミツルギはマダラとナタネを呼び出す


「君達のキルログを見るとアイオリアと言う奴にやられたようだね?」


「くっ!」


「まぁ~ねぇ~」


「まぁ格上だから仕方ない……とはいえ、なぜタイマンに持ち込んだ?」


「面目ねぇ~!勝てると思ったんだがなぁ!」


 マダラはベロを出して半笑いをしながら、カチャカチャと揺れながらふざけた態度で答えた。


「私は……奇襲を受けた」


「奇襲?」


「予想外の来るはずのないセイメイの一行が現れた」


「なぜそれを早く言わない!」


「今さっきのことだ。私はリスポーン地点に戻って報告するつもりでここに来た。まさかマダラまでやられているとは思わなかったぞ?」


 そう言うとマダラの方を見た。


「お前!なんでセイメイがいるのを知ってて教えなかったんだよ!」


「教える間もなくやられたんだ。文句をいうな!」


「へん!そんなんだから降格させられんだよ雑魚が!」


「この野郎!もういっぺん言ってみろ!」


「何度もでもいってやるよ!雑魚!クソ雑魚ナメクジ!」


「こぉやろぉ!」


 そういうと互いに刀を出し、PvPモードに切り替えて刀を抜き互いを斬り合おうとした。その瞬間!!



 ババキーーーンッッッ!



 両者の間に入ったのはミツルギだった。その様子は綺麗に裁けられていたのだった。マダラの刃を刀の柄で受け、もう一本はもう一方の刀で受けていた。


 ミツルギは二刀流。クラスチェンジをしており、二天一流の肩書きを持っている。


「おまえら、俺に仲裁役をやらせるのか?」


「うぅ……」


 二人の力を軽々と抑え込むミツルギは、チカラでこそ抑え込むだけの力量を持っている。


 ―――やはり、マダラですら黙らせられるほどの実力はあるのか……!これでもまだ追いつけないとは!!


 ミツルギは童子切安綱・極と三日月宗近・改を抜いていた。


「お前らの流派なんぞ所詮、力押しに過ぎん。真理のクエストを解かなければ、一生、俺やミヤゾンを越えられない……ッ!!」



 二人の刃を弾き、二人を諌めた。


「まぁいいさ。我々がメインなわけではない。ゴミを片付けられないのはクソガキと変わらない事だとわかればいいよ」


「ちっ!相変わらずつえーな!おめーは!」


 マダラは舌打ちをしながら、刀を鞘に納める。


「私情を挟んでしまい申し訳ありません」


 ナタネも鞘に納めた。


 ミツルギはふぅと一息つくと二人に問いかける。


「今回は遊びのつもりだったけど、予想以上に見えないチカラが動いている。それはオケアノスであり、セイメイだ。まさかアイツがあそこまでの力をつけているとはホンモノだということがわかった」


「しかし、所詮はセイメイ。たかがしれていると思います」


 ナタネはミツルギに進言する。


「キミ、あんだけやられてまだわからないの?」


「うっ……言い訳出来ません……」


「彼を野放しにし過ぎた。マグレかと思ったよ。セントラルが取られた時はね?彼の実力にしちゃあおかしい展開だからさ」


「とりまきは大したことねーんだけどなぁー!」


「それだよ。とりまきが強い。特に君達を討ち取ったアイオリア。彼はホンモノのだね。トップランカーという言葉を体現しているよ」


「そうですが……」


「彼がセイメイの下にいるのが不思議なんだよなぁ。彼ほどの実力があれば、この世界の覇者になれるのは間違いない。この私ですら、衝突を避け、同盟の道を模索するだろうよ」


「そこまでですか?」


「ナタネ、軽視しすぎだぞ?アイオリアという人物を」


「何故ですか?」


「君らも知っているだろうが、ガルヴァレオンの()だぞ?」


「伝説のプレイヤーの??」


 ミツルギが二人の間を歩き、語り掛けた。


「ああ。初期のプレイヤーなら知っている話だが、まだ、ここのサンライズすら解放されてない時の話だ。セントラル争奪戦の折紙付きのギルドを立ち上げたヤツだ。つまり!一強時代を長きに渡り、制圧し続けたギルドを率いたギルドマスターだぞ?その下のプレイヤーなら凄腕以上の実力と言っていい」


「そのような人物がなぜ一介の……弱小ギルドマスターの下なんかに」


「それがわかるならこの戦いはとうに終わっているよ」


 ミツルギはそういうと夜空を見上げていった。


「“ガルヴァレオンの遺産”を受け継いだのかもな?」


『遺産??』


 二人は声を揃えていった。


「そう、遺産だ。でなければ、ここまで大きく成長するにしてもおかしくないか?」


 ナタネは焦りを色濃くしミツルギを見返した。


「そうなのかもしれない。ヤツに扱えてこの私が使えないわけがない」


「ならば、その遺産とやらを奪えばいいのではないか?」


 マダラはフゥーと一息つくと二人の目を見つめ返した。


「……そうだ。遺産がどういうものなのか調べてくるのもありなのかもしれんぞ?いずれここも時間の問題だしな」


『!!』


「我々の当初の目的とは別だが、新たな発見があった。それでよいのではないか?」


 ミツルギが二人にそう言うと2人に使命を与えた。



「二人共、ここは我がギルドのため、汚名挽回として任を与える!セイメイの背後関係を調べてこい!」



『ハハッ!!』



 ミツルギの勅命を受けた二人は、ミヤゾンと同じルートを取るべく、裏からのルートをとった。


 無論、このあと代理戦争の拠点戦は、セイメイとの遭遇するというなるべくして直接対決の場面へと移行する!!









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