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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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93ーていまーらから

 リア姉も動き足りないみたいだ。じっと見ていられなくなって、素振りをしたりしている。

 俺は朝の続きで土人形を作ろうかな。先にお水を汲んで来よう。

 水瓶が置いてある畑の方へと歩いていく。トコトコと。すると、やっぱりコッコちゃん達もテケテケと付いて来る。ピカは片目をチラッと開けて見ている。

 コッコちゃん、直ぐに戻るからピカみたいに待っていてくれていいのだよ。


「コッコッコ」

「クックック」

「え、おみじゅのむ?」

「コッコ」

「ククッ」

「まってね」


 俺は家の方へと歩いて行くと、ちゃんと付いて来る。


「まりー、こっこちゃんがおみじゅがほしいって」

「あらあら、柵の中になかったですか?」

「コッコ」

「もう、のんじゃったって」

「あらあら、入れますね」


 俺って、観光客の通訳さんか? いいけど。


「こっこちゃん、まりーがおみじゅもってきてくれるから中にはいってまってて」

「クック」


 おう、ちゃんと理解しているのだ。ゾロゾロと柵の中に入って行くぞ。そうそう、そこがコッコちゃんの場所なのだ。とっても自由にしているけど。

 他のコッコちゃんはどうなのだろう? 『うまいルルンデ』とか教会に、連れて行ったコッコちゃん達はどうしているのかな?

 俺は、お水を小さな器に入れて、俺の定位置軒下に戻る。此処が1番暑くもなくて丁度いいのだ。俺用の、木で出来た小さな椅子も置いてある。完璧なのだ。

 お洗濯を干す時は、洗濯物を入れた籠置きに早替わりしちゃうけど。

 そして、そこに座り込む。また、土を集めてお水を掛けて、コネコネコネ。


「キュルン」

「うん、ぴかをちゅくるのら」

「キュル」

「ちろは、ちゅくったら1本の棒みたいになっちゃうのら」

「キュルゥ」

「アハハハ、しょうらね。もっと大きくなったらね」

「キュル」


 チロも作って欲しいと言ってきたのだ。でも、チロは蛇さんだからなぁ。土で作るとただの棒みたいになっちゃう。

 だから、もっと大きくなってからだ。大きくなっても、蛇さんには変わりないんだけど。

 お水を足しながら、コネコネコネ。ペタペタペタ。うん、もう慣れたものだ。

 どんどんピカらしくなってきたぞ。尻尾とお耳が、取れやすいのだ。慎重に作って、お耳がピン、尻尾も上向きにして。仕上げに砂を掛けてスリスリして艶を出す。


「うん、れきた」

「わふ」

「うん、ぴから」

「わふぅ」

「しょう?」


 似てないね。なんて言われちゃった。でも、ちょっぴり強そうじゃない? 俺の中ではピカさんなのだよ。まだまだ作ろう。楽しくなってきた。

 この日俺は、全部で5個のピカさんの土人形を作ったのだ。軒下に並べておこう。

 壊さないように、そーっと両手で持って一つずつ移動させる。


「ロロ! ただいま!」

「にこにい! おかえりぃ!」


 俺は泥だらけの手をフリフリする。

 もう、そんな時間なのか。ニコ兄とユーリアが帰って来たのだ。もう直ぐ夕焼けの空になっちゃいそうだ。


「ロロ坊ちゃま、手が泥だらけですよ」

「うん、ゆーりあ。土人形ちゅくってたのら」


 デデンと5個並べてあるのを指差す。


「あれ、もしかしてピカか?」

「しょうなのら」


 へへん。なかなかお上手だろう? ちゃんと、仕上げに細かい砂を掛けて艶を出してあるのだ。俺の小さいお手々でやったから大して艶は出てないけど。


「ピカだって分かるぞ。上手に出来たな」

「ふふん」


 ニコ兄に褒められちゃったのだ。ちょびっと嬉しい。


「ロロ坊ちゃま、手を洗いましょう」

「うん」

「顔にも付いてるぞ」


 ありゃりゃ。気を付けていたのになぁ。どうして、付いちゃうのだろう。

 ユーリアが、水瓶に溜めてある水を手にかけてくれる。バシャバシャと、洗って仕上げに一言だ。


「くりーん」


 シュルンと、お顔や服に付いた泥も綺麗になる。もう慣れたものだ。


「え? ロロ、クリーンが出来る様になったのか?」

「しょうなのら」


 むふふ。胸を張ってみようではないか。褒めても良いのだよ。


「まあ、ふふふ」


 ユーリアが笑っている。何故に?


「ロロ、凄いな!」

「えへへ」


 ニコ兄とお手々を繋いで家に入る。家の直ぐ前の畑なのに、ニコ兄は手を繋ぐ。まだまだ心配性が健在なのだ。


「あらあら、ニコ坊ちゃま、ユーリア、おかえりなさい」

「おばあちゃん、ただいま。お弁当箱」

「はいはい。ユーリア、洗ってね」

「分かってるわよ」


 2人が帰って来て、一気に賑やかになったのだ。


「コッコッコッコ」

「クック」

「コケッ?」


 またコッコちゃんが話しているぞ。

 毎日、ニコ兄は出掛けて行くね。どこに行くのだろうね? て、話しているのだ。


「にこにいとゆーりあは、畑にいくのら」

「クック?」

「しょうらよ」

「コケッ」

「うん、今度行ってみる?」

「コッコッコ」


 コッコちゃん達が、見に行きたいと言っているので今度行ってみようと話していたのだ。


「コッコちゃんは、ロロの言う事をちゃんと聞くんだな」

「しょうなのら」


 そうか。そうなのだよ、お利口さんなのだ。


「ボクは、ていまーらから」

「アハハハ! それだけじゃないけどね」

「ディさん」


 ディさんと、レオ兄が戻って来た。レオ兄の方が汗だくなのだ。ディさんは、涼しい顔をしている。実力の差なのだろう。


お読みいただき有難うございます!

ロロのおともらちがどんどん増えていきます。

コッコちゃんファミリーも増えそうな予感です。^^;

明日も読むよー!と、応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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