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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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92ーレオ兄の訓練

(レオ視点です)


 

 ロロは酷い目に遭った。怖かっただろうに。なのに、ロロは相変わらずだ。

 毎日、ピカとチロと一緒に飄々としている。マイペースなのか? まだ、小さいから理解できていないのか?

 ピカに乗っていて攫われたと聞いた。だから、もうピカには乗らないかと思っていたんだ。

 なのに、ベッドから起きられる様になったら、何の躊躇も無くピカに乗って表をうろついていた。それどころか……


「コッコちゃん、ちゅかまえにいくのら」


 なんて言っていた。

 まだ3歳になったばかりなのに、ロロは賢い。お利口なんて言葉じゃ足りない。賢いんだ。

 そして、強い。心が強くて、優しい。

 ロロは、主神である女神の加護を受けているとディさんが話していた。それを聞いた時に僕は、驚くよりも納得したんだ。ああ、ロロだからと。

 これからニコやロロが大きくなっていく。僕は2人を支えられるのか?

 ニコは弟思いの優しい子に育っている。ニコの手が必要だと、近所のおじさん達に認められている。

 ロロは魔法の才がありそうだ。テイムなんて、まだ3歳だというのに。その上、回復魔法だ。刺繍の付与だけでも、僕は驚いていたのに。

 これが、女神に加護を受けている所以なのか? それとも、そんな才能をもったロロだから加護を受けたのか?

 こんな時に両親がいてくれたらと思う事がよくある。

 でも、いない。それでも僕は、両親ならこんな時にどうしただろう? と、思いながらニコやロロに接しているつもりだ。

 両親がいなくて寂しい思いをしているだろう。まだ時々ロロが、夜泣きするのはその所為だろう。

 両親はいないけど、でも守っていくんだ。ニコやロロだけでなく、姉上やマリー達を。

 今回のロロの事件で、僕はより一層そう思った。




 ◇◇◇

(ロロ視点です)



 俺がお昼寝から目が覚めて、下に降りて行くとマリーがいた。


「あらあら、起きましたか?」

「うん、まりー」

「果実水を飲みますか?」

「うん、ちょうらい」

「わふ」

「キュル」

「はいはい、ピカとチロもね」


 マリーはよく分かっている。ディさんはもう帰ったのかなぁ? と、ソファーに座って果実水を飲みながら思っていると、表からレオ兄の声が聞こえて来たのだ。


「ああ! ぜんっぜん敵わない!」


 ん? 何かやっているのか? また訓練とかやっていそうなのだ。


「午後からは、レオ坊ちゃまとディさんですよ」

「しょうなんら」

「コッコッコ」

「うん、おひるねら」


 コッコちゃんが、何してたの? と、聞いてきた。もう、当たり前の様に家の中にいるよね。いいのか?

 マリー、コッコちゃんがそこでお昼寝しているよ? コッコちゃんがテーブルの下で寄り添ってお昼寝をしている。真っ白でモフモフなのだ。


「ロロ坊ちゃまが、上でお昼寝している時はみんな入ってくるんですよ。階段は登れないみたいですね」

「え、しょうなの?」

「はい」

「こっこちゃん、鳥さんなのにとべないんらっけ?」

「クック」

「しょっか」


 全く飛べないらしい。確か、ピカがそう言ってたな。2階にまで上がって来られるよりいいや。

 こうして話していると、コッコちゃんに表情がある様に見えてくるから不思議だ。本当は全然変わっていないのに、嬉しそうだとかしょんぼりしているとか思ってしまう。

 あれだね、ペットを飼っている人ってこんな感じなのだろうね。どんどん可愛くなってしまうのだ。


「こっこちゃん、おしょといこう」

「クック」

「コッコッコ」

「まりー、おしょとにいくのら」

「はいはい。お一人で家から離れたら駄目ですよ」

「らいじょぶら」


 俺が外に出ると、コッコちゃんもゾロゾロと付いて来た。本当、俺ってカルガモの親鳥だよ。任せなさい、みんなちゃんと面倒をみるよ。

 おや? チロさん、どこに乗っているのかな?


「キュルン」

「あ、しょう」


 いいけど。チロはコッコちゃんに乗っていたのだ。もう、どんどん馴染んでいく。いいけど。


「あ、ロロ! 起きたの?」


 ああ、しまった。レオ兄とディさんが対戦していると言う事は、リア姉が見学だ。

 案の定、抱き着いてきたのだ。俺のぽよんぽよんしたお腹をムニムニしながら、ほっぺにスリスリしてくる。


「りあねえ、らからくっちゅくのはらめ」

「だって、ロロ!」

「らめ」

「分かったわよぅ」


 俺が軒下に座り込むと、リア姉も隣に座った。そうそう、大人しく普通にしていようね。

 黙ってじっとしていたら、クールビューティーなんだから。俺が一人で勝手に思っているだけだけど。


「りあねえ、れおにいちゅよい?」

「ダメよ、ディさんから1本も取れないわ」

「りあねえもらった」

「だって、ディさんって本当に強いのよ」

「えしゅえしゅらんくら」

「ふふふ、そうね。SSだもの、敵う訳ないわね」


 そうだよ。ディさんはSSランクなのだ。それに大人だから、リア姉やレオ兄とリーチも何もかもが違う。

 ちょっと、ディさんとレオ兄の対戦を見てみよう。

 刃の付いていない、木製の練習用の木槍で対戦していた。本当、ディさんって何でも出来るのだね。


 ――カーン!

 ――カーン!


 木がぶつかり合う音がする。レオ兄もディさんの隙を突こうと果敢に攻める。

 でも、ディさんはお見通しだ。レオ兄の出した木槍を軽く往なしている。


「レオ、まだ力が足りないね。筋トレしなきゃ駄目だ」


 なんて、冷静に見ていたりする。まだまだ訓練は続きそうなのだ。


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