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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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90ークリーンができた

「わふわふ」

「え? しょうなの?」

「わふ」


 きっとディさんにはもうバレてるよ。と、言われた。そうなのか? ああ、そっか。なんとか眼なのだ。


「わふ」

「わかってるのら」


 精霊眼だね。と、突っ込まれた。分かっているのだ。

 どうして俺は、コッコちゃんやピカとばかり話しているのだ? 人間はどうした?

 あれ、いつの間にかチロがピカの背中で眠っている。ピカは、モフモフだから気持ちいいのだ。

 レオ兄が集中して、ディさんの動きを見ている。やはり、お手本になるのだろう。


「よし、れきた!」

「わふッ」

「らね~」


 とっても上出来だと、ピカが褒めてくれた。ちゃんと、尻尾も上を向いている。土で作ったピカの土人形。俺の小さな両手に乗せられるくらいの大きさなのだ。

 ふふふん。なかなか良い出来ではないか? よし、もっと作ろう。

 また、コネコネ。ここで少しお水を足しておくといいのだ。つい鼻歌がでちゃうよね。


「ふっふふ~ん、ふっふふ~ふふん♪」


 何の歌なのか自分でも分からない。あ、そうだ。思い出したぞ。


「こっいぬがね、のっはら~でよっちよっちかっくれんぼ~♪」


 そんな事をしていると、コッコちゃん達は俺の周りで座って眺めているのだ。

 相変わらず「コッコッコ」「クック」と話しながらね。

 コッコちゃん達の土人形も作って欲しいのだって。ちょっと待ってね。コッコちゃん達は羽が難しそうなのだ。足だって細いし、鶏冠や嘴なんて激ムズなのだ。

 リア姉が特訓をしている間、ずっと作っていたらピカの小さな土人形が2つ出来た。

 乾いた砂を上から掛けて、スリスリすると少し艶が出てきた。知ってた? 泥団子の要領だよ。

 ちゃんと、木のカケラで、毛並みを描いたりもしたのだ。力作ではないか。


「ロロ、何作ったんだ?」

「れおにい、ぴかなのら」

「上手だね。でも、ほっぺに土が付いてるよ」


 あらら、いつの間に? 道理でほっぺが、カピカピする筈なのだ。


「アハハハ、お鼻にも付いてる」


 レオ兄が拭いてくれる。有難う。


「あらあらまあまあ、そろそろお昼にしませんか?」


 マリーが呼びに来たのだ。そうか、もうそんな時間なのか。


 ――キュルルル


「アハハハ、ロロお腹すいたね」

「うん、しゅいたのら」


 お腹が鳴ってしまったぜ。さあ、お昼ご飯を食べよう。


「ロロ坊ちゃま、お手々洗いましょう」

「うん」


 マリーが、外に置いてある桶から水を掬って手に掛けてくれる。

 よし、チャレンジなのだ。


「くりーん」


 俺が試しにそう言うと、手がシュルンと綺麗になった。ついでに、泥がついた服も綺麗になったのだ。おお、超便利。


「まあまあ、ロロ坊ちゃま」

「れきたね~」

「はい、出来ましたね」


 ふふふん、これで俺も魔法が使えたのだ。


「ロロ、練習してたの?」

「ううん、ポカポカぐるぐるしてたのら」

「そうか、偉いなぁ」

「なになに?」


 ディさんとリア姉もやって来たのだ。

 レオ兄が説明してくれる。


「ロロが初めてクリーンできたんですよ」

「ロロ、凄いわ」

「へぇ~、ロロ。練習したの?」

「ポカポカぐるぐるしてたのら」

「うん、お利口さんだね」


 ディさんに、優しく頭を撫でられたのだ。

 むふふ。ちょっぴり嬉しい。父さまはこんな感じだったのかなぁ? なんて思ったりする。


「姉上が、初めてクリーンできたのって何歳だっけ?」

「レオ、それを言うんじゃないわよ」

「え? 何歳なの?」

「10歳ですよ。僕の方が早くできたんだ」

「リア、君は本当に魔力操作を練習しなよ。その魔力量が勿体ないよ」

「ディさん、分かってますぅ」


 ふふふん。リア姉は10歳なのか。俺は3歳なのだ。へへん。


「あ、ロロ。何よ」

「ボクは3しゃいなのら」

「あー、ひどーい!」


 今日は朝から突然領主様がやって来て、家の中がブリザードになっちゃった。

 それでも、ディさんが来てくれて場を収めてくれた。どんな話になったのか、俺は知らないけど。

 でも、温和なムードでみんなが出てきたのだから、悪い話にはなっていないのだろう。

 それから、ディさんがリア姉の特訓に付き合ってくれた。

 今はみんな笑顔なのだ。お昼もみんなで食べた。いつもお昼は、マリーと2人だけだから今日は賑やかで楽しいのだ。

 ああ、とっても楽しいし嬉しい。お昼はマリー特製の兎肉のバターソテーだった。今日は、はちみつバター味なのだ。

 皮がパリパリで中はジューシー。ナイフで切ると、そこから透明な肉汁が出てくる。

 沢山食べた。きっと、マリーも張り切って作ったのだ。2人だと、ついついパンに挟んで手間を掛けないようにしてしまう。

 ディさんはやっぱり、自分でお野菜を採ってきて特盛サラダを作って食べていた。

 満足そうだ。マリーさんの特製玉ねぎドレッシングもお気に入りなのだ。

 ディさんに、とってもお世話になってしまっているのだ。有難いなぁ。ディさんと出会えて良かったのだ。

 レオ兄とリア姉の、肩の力も抜けたんじゃないかな? 今迄は2人で頑張ってくれていたから。

 俺がもっと大きかったら、何か手伝えるのに。俺はまだ3歳なのだ。でも、俺にでも出来る事をするのだ。

 そして、俺はお昼寝だ。いつの間にかウトウトとして、レオ兄にベッドへ運ばれたのだ。


お読みいただき有難うございます!

ふと思いついたのですが、リリのお話を投稿している途中から『いいね』機能が追加されたのですよね。

どんなもんなのだろう?と、リリを見てみると、いつの間にか沢山の『いいね』をして頂けていて驚きました。

有難うございます!

リリの3巻、来月発売です!

さて、ロロくんも応援するそ!と、思って下さる方は、是非とも評価やブクマをお願いします!

宜しくお願いします(๑˃̵ᴗ˂̵)/

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― 新着の感想 ―
[一言] コッコちゃん達に見つめられながらの土人形こねこね可愛い。ロロくん楽しいお昼よかったね(*´▽`*)
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