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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第2章 おともらちが増えたのら

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87ー償うチャンス

「レオ、君はよくやっているよ。ちゃんとニコやロロを守っているんだ」

「ディさん、でも……実際にロロは攫われたんだ」

「レオ、それは妹が……」

「違います。予想できた事なんだ。レベッカ様の評判を知らなかった訳じゃない。ピカを狙っている事だって知っていた。なのに……」

「だから、レオ。普通ならそんな事はないんだ。君達は平和に暮らせていたんだ」

「そうだ、レオ。母上やレベッカが異常だったんだ」

「君達をそんなに追い詰めて、本当にすまない。どうか、私達にも償うチャンスをくれないか?」

「償うチャンスですか?」

「そうだ。私達は後悔している。そして、君達に辛い思いをさせたと悔やんでいる。償いたいんだ。本当に、申し訳ないと思っているんだ」


 そうか……ロロが言っていたように、この人達も傷付いているんだ。

 僕達に償う事で、無かった事になる訳じゃない。でも、何かしたいのだろう。

 ディさんが調べて来てくれた事。貴族の連名が必要なら、力を借りよう。

 そう思って、姉上を見る。


「レオ、私は良いわよ。それしか方法がないのでしょう。願ってもない事だわ」

「姉上……」

「でも、だからと言ってロロにした事が帳消しになる訳じゃないわ」

「もちろんだ」

「私の妻と娘が仕出かした事だ。この先、ずっと私が背負っていく事だと思っているよ。勿論、領地の事も今以上に努力するつもりだ」

「そう、ならいいわ」


 少し姉上が、ツンデレみたいになっていた。何故だ?

 他に迷惑を掛けた人達にも謝罪に行くそうだ。先ずはうちに来てくれたらしい。

 そうして僕達は、フィーネに連絡を取る事になった。




 ◇◇◇

(ロロ視点です)



 俺はピカやコッコちゃんと一緒に、お庭でボォ~ッと日向ぼっこをしていた。

 だってもう、コッコちゃんに餌やお水もあげたし。大人しく柵に入っていてくれないし。する事がないのだ。

 今日も良いお天気で、ピカに凭れて座っているとポカポカしてくる。と、気が付くと俺はコッコちゃんに埋もれていたのだ。

 俺の周りにくっついてコッコちゃん達が座っている。モフモフだらけなのだ。コッコちゃんの、胸の部分がフワフワで高級羽毛の様なのだ。


「こっこちゃん、おりこうらね」

「あらあら、ロロ坊ちゃま。コッコちゃんに埋もれてますよ」


 庭先で、お洗濯を干していたマリーが俺を見て言った。


「うん、モフモフなのら。気持ちいいのら」

「ふふふふ」


 俺は、デデンと体ごとピカに凭れている。ちょっとウトウトとしかけたところに、ディさんやクラウスさん達が家から出て来たのだ。お話は終わったらしい。


「ロロ、凄い事になってるよ?」

「でぃしゃん、ポカポカなのら」

「アハハハ、ロロは好かれているね~」

「しょお?」

「そうだよ」


 コッコちゃんの中から、ディさんがヒョイと俺を抱き上げてくれた。そのまま抱っこだ。


「良い子だね。君達は本当に良い子達だ。マリーさん、これからも頼むよ」

「はい、もちろんです」


 何なのだろう? なんだか、しんみりしていないか? 来た時とは雰囲気が違っている。


「この鳥がフォリコッコなのか?」


 領主様が聞いている。コッコちゃんを知らないのかな? そうだ、確かコッコちゃんは用心深い鳥さんで、滅多に人前には出ないとレオ兄が話していた気がするのだ。


「そうですよ。森で捕まえて来たんです。全部で7羽います」

「毎朝卵を産んでくれるから、助かってますよ」


 と、マリーが言った。そうだね、毎朝美味しい卵料理が食べられる様になったのだ。

 

「毎朝産むのか?」

「はい、そうです。複数個産みます」

「それは、凄いな」


 領主様も驚いている。7羽いて毎朝卵を複数個産む。お陰で卵には全然困らなくなった。これでも、ご近所の数軒と分けているのだ。もちろん、コッコちゃんのお世話も当番制だ。

 でも結局、一番時間のある俺がよく側にいる。面倒をみているかというと、ただ一緒にボ~ッとしているだけなのだけど。

 お庭でコッコちゃんに囲まれて日向ぼっこ。最近の俺のお気に入りなのだ。


「レオ、卵を孵してみたりはしないのか?」


 ん? クラウス様が言い出したのだ。何か思いついたのか?


「え? 孵化させるのですか?」

「そうだよ。そうしたら態々森まで捕獲に行かなくても増える」

「これ以上、増やすつもりはないですね」

「7羽もいるのだからそうだよな」


 そうなのだよ、もう充分なのだ。これ以上、コッコちゃんを増やしても卵を消費できなくなってしまう。売るのだったら別だけど。


「そうか、コッコちゃんを育てて卵を売ろう」


 またまた、突然ディさんが言い出したのだ。


「え? ディさん?」


 レオ兄が驚いているのだ。だって、俺達はそんな商売をするつもりなんてないのだ。


「ああ、ごめん。突然だったね。ほら、教会にもコッコちゃんを連れて行っただろう。それで、教会で試してみてもらおうかと思ってさ」


 なるほど。それなら、子供達だってお世話ができるから良い考えだ。

 孤児院の収益になったら良いのではないか? ナイスアイデアなのだ。


「ディさん、教会って事は孤児院にですか?」

「そうなんだよ。物は試しだ。やってみよう」


 でも、そう簡単に孵化させられるのか? 難しいと俺は思うぞ。

 でも、チャレンジしてみる事は良い事だよね。それが出来たら、孤児院のみんなもオヤツが増えると喜ぶのだ。


お読みいただき有難うございます!

総合評価ptが2万突破しました!有難うございます!

皆様が評価やブクマをして下さったお陰です。

心からの感謝を!!

さて、今日も応援するぞー!と、思って下さる方は是非とも評価やブクマをお願いします。

目指せファンタジー日間ランキングトップ10入り!なのです。^^;

宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
コッコちゃんの雛、絶対に可愛いですね! 孵化ガンバレ!
[一言] コッコちゃんに埋もれるのいいなあ~
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