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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

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76ーオスカーさんとメアリーさん

「あぁ、ピカは神獣だからだろう。神獣は別格だからね、みんな恐れ多いんだよ」

「でぃしゃん、しょうなの?」

「うん、多分ね。獣や魔物ってそういうのが分かるんだよ。僕も分かるけどね」


 と、人差し指を綺麗なお顔の横で立てながら、またまた長い睫毛の目でバチコーンとウインクをした。うッ……目がやられちまうぜ。

 ディさんは『神獣』と言う。泣き虫女神は『神使』と言う。呼び方は違うけど、神の使いや眷属だという事に変わりはないらしい。俺は、よく知らないけど。


 『うまいルルンデ』に到着すると奥さんがいた。目元の小さなホクロが、ちょっぴり色っぺーのだ。やっぱり今日も、胸のところに『うまいルルンデ』と店名の入ったエプロンをしている。

 それ、かっちょよくないぞぅ。どうしてそのデザインにしたのだ?


「あら、いらっしゃい。無事で良かったわ、心配したのよ〜」

「こんちは~」


 と、小さな手をフリフリする。


「メアリーさん、フォリコッコを連れて来たの。外から裏に回る方がいいわよね?」

「本当に捕まえてくれたの!?」

「ええ、4羽置いていくわ」

「まあ、4羽も!? 嬉しいわ! 沢山卵料理を出せるわね」

「奥さん、大きな卵を毎日産むから楽しみですね」

 

 エルザだ。もうお仕事をしているのだ。

 エルザはまだ18歳だから、朝から夕方までなのだ。暗くなるまでに帰ってくる。暗くなると、道中危ないからな。

 夕方からは、また違う人がお仕事に来るらしい。ご主人のいる厨房にも、もう1人料理人がいる。


「ププーの実もあるのら。ぴか、だして」

「わふん」


 ピカが、ププーの実をゴロンゴロンと幾つか出した。


「まあ! これがププーの実なのね! 甘い匂いがするわ」

「うまうまなのら」

「ロロ、有難う。元気そうで安心したわ」


 奥さんに優しく抱きしめられ、背中をポンポンとされたのだ。なんだか、ふんわりと良い匂いがするのだ。

 いつもお世話になっているし、心配も掛けてしまったのだ。それより、メインはコッコちゃんなのだ。


「本当、楽しみだわ。ねえ、あんた! 裏に回ってもらう!?」

「おう! レオか!? ロロはいんのか!?」


 奥の厨房から、大きな声が聞こえてくる。


「一緒に来ているわよ!」

「おう!」


 返事をしたかと思ったら、直ぐに厨房からご主人が出てきたのだ。


「ロロ! 心配したぞ!」

「あい、ありがと」


 俺が攫われた時に、ご主人にはお世話になったらしい。ペコリと頭を下げておこう。有難うなのだ。


「アハハハ、元気そうで良かった!」

「あい、げんきなのら」


 ワシワシと頭を撫でられる。ギルマスとは違うけど、大きな手だ。


「本当に、ロロが無事で良かった」


 なんだか、ウルウル目で見られちゃったぞ。マッチョなのに。


「オスカーさん、フォリコッコはどうしましょうか?」

「裏に回ってくれるか?」

「分かったわ。ディさん、裏ですって!」

「ディさんも来ているのか?」


 そうなのだよ。何故、ディさんが来ているのか説明したのだ。

 建物の外に出て、直ぐ横に入り裏へ回る。『うまいルルンデ』の裏は、少し広くなっていて物置きや厩舎があった。馬さんが2頭いた。それでも、コッコちゃんを飼えそうな広さは充分にある。

 その裏庭で、コッコちゃんのテイムを試すのだ。


「なるほど、テイムか。俺は出来ねーと思うぞ」

「魔力量が少ないからかな?」

「なんだ? ディさん、分かるのか?」

「うん、分かるよ。オスカーさんより、メアリーさんの方が魔力量は多いね。でも……オスカーさんは魔力操作で魔力量をカバーしているんだ」


 そんな事も分かるのか。さすが、なんとか眼なのだ。


「ロロ、精霊眼だよ」

「しょうらった」

「ぷふふ」


 レオ兄に笑われてしまったぞ。だって覚えてなかったのだ。


「オスカーさんで試してみよう」


 なるほど、なるほど。あの魔法の言葉を試すのだね。


「何すればいいんだ?」

「掌をフォリコッコに向けて……」

「おう、向けて……」

「目を見て言うんだ」

「おう、目を見てか……」

「『お座り』てね」

「なんだ?」

「だから『お座り』だよ」

「マジかよ……」


 大マジなのだ。ふむふむと、頷く。

 さあ、張り切って言ってみよう。


「よし、目を見て……お座り」

「コケッ?」

「ありゃりゃ」


 コッコちゃんが、何かしら? と、首をヒョコッと傾げている。お座りしないパターンもあるのだね。リア姉と一緒なのだ。

 キョトンとしているコッコちゃん4羽。小首を傾げている。

 何か言いましたか? て、顔をしているのだ。


「おや、駄目だったね。あれ? オスカーさん?」


 オスカーさんが、何故かしゃがみ込み両手で顔を覆っている。プルプルと震えているぞ。どうした? そんなにショックだったのか?


「いや、マジで……超恥ずかしいぞ。真剣に言ったのによぉ」


 あぁ、そっちなのか。

 マッチョなオスカーさんが、超真剣に『お座り』と言うのはとても良かったよ。何が良かったのか分からないけど。


「ふふふふ」


 あ、奥さんが笑いを堪えきれてないぞ。肩が揺れているのだ。


「じゃあ、メアリーさん。やってみようか」

「え? ディさん、あ、あたし?」

「そうだよ。オスカーさんが駄目だったんだから」

「えぇ〜……」


 とっても微妙な顔をしている。

 メアリーさんが、戸惑っているから俺が良い事を教えてあげよう。


「でぃしゃんも、やったのら」

「マジか?」

「もちろんだよ。捕まえる時に僕もやったんだ」


 どうして、そこで目を伏せる? 分からないなぁ。俺の世紀の大発見なのだぞぅ。コッコちゃんが、お座りするなんて誰も知らないのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想やご指摘も有難うございます。

しばらくコッコちゃんが続きます^^;

続けて読むよ!と、思って下さる方は、是非とも評価やブクマをお願いします。

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― 新着の感想 ―
コッコちゃんの何かしら?も可愛いですね! 恥ずかしがるオスカーさんも!
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