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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

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74ー魔魚の唐揚げ

「コッコちゃんが、こんなにお利口だとは思わなかったよ。だから、大丈夫だと思うけどね、ギルドで登録もしないといけないし。魔鳥だから、テイムしておくに越した事ないからね」


 そう、ディさんが話していたのだ。

 家に帰ると、またマリーが驚いていた。


「まあまあまあまあ! 今度は10羽もですか!?」


 ふふふ。『まあまあ』がいつもより多いのだ。

 コッコちゃんは、まさかお先に仲間がいるとは思わなかったのだろう。


「コケッ!?」


 と、羽をバタバタさせていたのだ。

 柵の中に入れお水を入れる。そして、ニコ兄が育てた野菜の切れ端をあげる。ちょっと柵が狭いけど我慢してね。まさか10羽も捕まえられるなんて思わなかったのだ。


「こっこちゃん、たべる?」

「コッコッコッ」


 おお、寄ってきたのだ。お腹が空いていたのかな? 森で、ププーの実を沢山食べていたのに。

 俺が手に持っている、人参の葉っぱ。それをあげてみる。


「コケッ……コッコッコッ」

「クックックッ」


 あ、また何か喋っているのだ。

 やっぱ、餌がもらえたね〜。ラッキーだね~。なんて、言ってそうだ。


「わふッ」

「ぴかも、お水のむ?」

「わふん」

「よしよし」

「ロロ、野菜をあげてたのか?」


 ニコ兄が、両手に葉っぱを沢山抱えてやって来た。お野菜を作っていると、1番外側の葉っぱとかどうしても食べない葉っぱが出る。それを、コッコちゃんの餌にしているのだ。


「うん、にんじんの葉っぱ」

「食べるか?」

「うん」


 ニコ兄が持ってきた山盛りの葉っぱに群がるコッコちゃん。うん、食い気だね。

 さて、ピカにもお水をあげよう。


「ぴか、お水もらいにいこう」

「わふ」

「キュル」

「ちろも?」

「キュ」


 よしよし、ピカもチロも可愛いぞぅ。チロは以前よりずっと早く移動できるようになったのだ。

 家の周りくらいなら自分でチョロチョロと移動する様になったのだ。と、言ってもスピードは俺が歩くのと大して変わらないんだけど。それでも、成長しているのだね。


「まりー、ぴかとちろにお水ちょうらい」

「はいはい。待ってくださいね」

「うん」


 ピカとチロ専用の器にお水を入れてくれる。


「はい、どうぞ」

「わふん」

「キュルン」


 お喉が渇いていたのだね。ペロペロと飲んでいる。

 俺はキッチンでマリーを見ている。これから今日のメインディッシュ、魔魚の唐揚げを作るのだ。

 マリーが、魔魚の鱗をこそげ取る。鰓の辺りに包丁をぶっ刺し頭を落とす。ゴリッ、バキッて大きな音がする。

 マリーが、包丁の背にもう片方の手を乗せて力を加えている。包丁の刃が欠けてしまいそうなのだ。


「ひょぇ~」

「ふふふ。ロロ坊ちゃま、びっくりしましたか?」

「うん、かたしょうなのら」

「そうですね、骨がありますからね」

「へぇ~」


 びっくりしたと言いながら、俺は台に乗ってマリーが魔魚を捌くのをじっと見ている。

 鱗を取り、頭を落として三枚におろす。それから一口大に切り分けて、どんどんボウルへと入れていく。そのボウルには予め、調味料を合わせてある。とっても大きなボウルなのだ。

 ピカが沢山食べるからね。


「ピカだけじゃありませんよ。レオ坊ちゃまやニコ坊ちゃまも食べ盛りですからね」

「ほぉ~」


 俺なら、2~3切れあれば充分なのだ。なんせ一口大と言っても、マリーの一口大は大きいのだ。


「ロロ坊ちゃまはこれからですよ」

「ふぅ~ん」


 それより、俺はマリーの手元に注目なのだ。俺も出来ないかなぁ~?


「魔魚じゃない時に練習しましょうね」

「しょうなの?」

「はい、魔魚は骨が頑丈で大きいですから。坊ちゃまの力では無理ですよ」


 そうなのか。狂暴なだけじゃないのだね。

 それからマリーはワッシワッシと、お魚の切り身を調味料と馴染ませる様に混ぜる。そして、粉をドバーッ。


「え……」


 1切れずつ塗すのではないのだ。ボウルに入れちゃうのだね。ダマにならないか? マリーはこんなところでも大雑把だったのだ。


 それをたっぷりの油で揚げていく。こんがりと揚がってくると、良い匂いがしてくるのだ。

 俺はお隣でサラダでも作ろう。と、思ったらディさんがいたのだ。

 手にはニコ兄の育てたお野菜が、超たっくさん入ったボウルを持っている。しかも、ニッコニコなのだ。嬉しそうなお顔をしている。


「今日のサラダはディさん特製だよ。ププーの実のトッピング付きだ」


 小躍りしているぞ。絶対に自分が食べたいのだ。その量は何なのだ? 多すぎないか?

 ああ、そうだった。ディさんのサラダは特盛なのだ。

 みんなと皿の大きさが違う。超大きい。


「ロロ坊ちゃま、もう出来ますからお席に座っていて下さい」

「わかったのら」

「ロロ、座らせてやるよ」

「にこにい、ありがと」


 な、俺のそばに絶えずニコ兄がいるだろう。なんか申し訳ないのだよ。


「さあさあ、出来ましたよ!」


 マリーが魔魚を唐揚げにしてくれたのだ。今日は晩ご飯もディさんが一緒だ。

 自分で作った、ププーの実のトッピング付きの超特盛サラダを目の前にデデンと持ってきている。


「ニコは天才だ!」


 なんて言う位に、ニコ兄の育てたお野菜がお気に入りなのだ。

 テーブルには、山盛りの魔魚の唐揚げだ。それに、ニコ兄の育てたお野菜が沢山入ったスープと温かいパン。忘れてはいけない、ディさん特製サラダ。

 いい匂いがする。ご馳走なのだ。



お読みいただき有難うございます!

マリーさん、ダイナミックです。

明日も読むよ!と、応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] マリーさんはスーパーなどで大量生産する式の調理な人なのね。 独身時代は貴族の学園とかで寮母さんみたいな事をしてた人なんだろうか?
[良い点] 優しいロロちゃんは、言わない('×')みたいだが、、 マリーさん…魚の唐揚げで粉多めはダメですよΣ(°꒫°๑)!? [一言] もふもふと四兄弟に、ほっこりしながら読んでいます。 ゆっくり…
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