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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

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68ーディさんも一緒

 そして、俺はまだベッドの中なのだ。もう大丈夫なのに。

 翌日、ディさんが来てくれた。

 ディさんも、夫人や令嬢がどうなったのかには触れなかった。

 だから、未だに俺は知らない。でも、いいか。と、思うのだ。ちゃんと、みんなのいる家に帰って来る事ができたのだから。


 それから暫くして、リア姉やレオ兄、ニコ兄と一緒にまた森へ向かっていた。今度は宣言通り、ディさんも一緒なのだ。

 もちろん、コッコちゃんを捕まえる為だ。


「れもなぁ〜」


 俺はニコ兄と、お手々を繋いでトコトコと歩いている。

 今日もいいお天気なのだ。そよ風がとっても心地いい。


「ロロ、どうした? どっか痛いのか? 疲れたか?」

「にこにい、ちがうのら。まらププーの実が生っているか心配なのら」

「そうだな、コッコちゃんはププーの実を食べに出て来るんだもんな」

「しょうなのら」

「ロロ、大丈夫だよ。少し上流に行った場所ならまだ生ってるよ」

「でぃしゃん、しょうなの?」

「そうなんだよ。話を聞いたオスカーさんが、欲しいって言ってるんだ。ププーの実を食べた事がないんだって。コッコちゃんの卵も欲しいそうなんだ」


 誰? オスカーさんって誰なのだ?


「ロロ、知らないのか?」

「うん、にこにいはしってるの?」

「『うまいルルンデ』のご主人だよ」

「あぁ〜」


 あのマッチョの人なのだ。そんなお名前だったのだな。


「え? 『うまいルルンデ』でも、コッコちゃんかうのかな?」

「らしいよ。美味しい卵料理を出すんだって」

「へぇ〜」


 俺が目覚めた時、ニコ兄がコッコちゃんの卵をお礼に持って行った。きっとその時に気に入ったのだ。だって、とっても美味しいのだから。

 なんて、呑気な話をしているけど。もう、俺は元気なのだ。元通りだ。

 女神のお陰で、目覚めたらどこも痛くなかったし、もちろん後遺症なんてなかった。

 もしかしたら、怖い気持ちが残ってトラウマになってるかなぁ? なんて、思ったりしたんだけど、それもなかった。

 起きられる様になってから、ピカに乗って表をウロウロしていたのだ。

 心も癒すって、女神が言っていたのだ。そのお陰かもしれない。


「わふ」

「ぴか、らいじょぶら」

「キュルン」

「ちろも、らいじょぶらよ」


 あれから、ピカとチロが少し心配性になった。無理もない。

 ピカとチロは、俺がどんな状態なのか、最初から最後まで見ていたのだから。

 レオ兄達が見る前に、ディさんが回復魔法を使ってくれて良かったよ。


 森に入る前に、ピカに乗せてもらう。相変わらず、森に入ったら何処からか魔獣が出てくる。

 でも、ピカの魔法で瞬殺だ。強いのだ。


「ピカは強いねー。僕の出番がないじゃない」

「でぃしゃんもちゅよい?」

「ロロ、当たり前じゃないか。だって、ディさんはこの街で1人だけのSSランクなんだぞ」


 ディさんがSSランクだと言うのに、何故か説明してくれたニコ兄が自慢気なのだ。


「え……1人らけ?」

「そうだ。知らなかったのか?」

「しらなかったのら」


 まさか、この街で1人だけだとは思わなかった。いつも、特盛サラダを食べているのに。


「ふふふ。ディさんはね、これでも強いんだよ~」

「でぃしゃん、しゅごいね~」

「アハハハ。ロロ、有難う」


 もう直ぐ川だ。水の音が聞こえてきた。でも、その前には大きな岩がある。それを越えなきゃいけない。


「ロロ、ピカ、大丈夫?」

「れおにい、平気なのら」

「わふん」


 『こんな岩なんか、へっちゃらだよ』と、ピカが言っている。

 その通り、身軽にヒョイヒョイと登っていく。それより、驚いたのがディさんだ。


「ニコ、おんぶしてあげよう」

「えぇー」

「ほら、いいからいいから」


 ニコ兄をおんぶしたディさんは、トンとジャンプした。すると、フワリと浮いて岩の上に着地したのだ。

 まるで、ディさんの背中に翼があるみたいなのだ。天使の様な翼がさ。


「うぅぅわッ! スッゲーッ!」

「アハハハ。どうだい? ディさんは凄いだろう?」

「スゲー!」


 ニコ兄の語彙力が、ちょっぴり悲しい。

 いいなぁ、俺もおんぶして欲しい。


「わふ」

「え、ぴか」

「わふぅ」


 アハハハ、ピカが『僕が乗せているのに、僕じゃ駄目なの?』と、言ってきた。

 そんな事はないのだ。ちょっとだけ、いいなぁ~って思っただけなのだ。


「わふ」


 ピカったら『安全第一』なんて言ってるよ。ちょっと過保護になっちゃってるよね。


「キュル」


 あらら、チロもだ。『危ない事は駄目だよ』て、言われたのだ。


「あぶなくないのら」

「わふぅ」

「キュルン」


 はいはい、分かったよ。大人しくしておくのだ。

 岩を越えると、川は直ぐそこだ。前に来た時は沢山生っていたのに、ププーの実が全部落ちてしまっていた。


「ありゃりゃ」

「もう、時期が遅いんだよ」

「ね~」

「まだ、上流に行くよ」

「れおにい、らいじょぶ?」

「ん? ププーの実かな?」

「しょう。ププーの実がないとコッコちゃんこないのら」

「大丈夫だよ。ちゃんと確認してあるからね」


 そうなのか。いつの間に?

 川に沿って上流へと移動する。暫く歩いたのだ。

 ププーの木もチラホラとあるけど、実が生っているのは少ないのだ。

 どんどん、上流へ歩いて行く。上流へ行くと出て来る魔獣も大きくなってきた。それでも、ピカは瞬殺なのだ。


「ピカ、倒した魔獣も収納しておいてよ」

「わふん」


 きっとギルドで売るのだ。お肉は美味しくないのかなぁ?


「美味しいお肉は、持って帰るから心配しなくていいよ」


 やっぱレオ兄はよく分かっているのだ。お肉は大事。超大事なのだ。


お読みいただき有難うございます!

感想や誤字報告も有難うございます。

もうすっかりロロは元気で、ほのぼのムードに戻りました。

続けて応援して下さる方は、是非とも評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 有名なモンサンミッシェルのスフレオムレツも、日本のオムライス専門店も、モーニングビュッフェで注文を受けて焼くオムレツを売りにしてるホテルもあるぐらい 卵は皆に愛されてる食べ物だから、きっと…
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