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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

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50ーププーの実が好き

※このお話に出てくる鳥さんは、ニワトリではありません。よく似た魔鳥です。

「おぉー」

「レオ兄、スゲー!」

「あら、座ったわね」


 な、言った通りだろう? レオ兄なら出来ると思ったのだ。


「意味が分からないわ」

「これは新しい捕獲の仕方なのか?」


 フィーネとマティが、若干呆れている様な気もするけど。


「ぴか、ちゅかまえて」

「わふ」


 ピカがバインドして終了なのだ。

 滅多に人前に出て来ないと言っていた鳥さんを、4羽も捕まえちゃった。へへん。


「よし、縄で縛ってみよう」


 レオ兄が、自分のお鞄から縄を出す。持って来ていたのだね。

 それを手に、鳥さんに近付いて行く。


「れおにい、あぶない」

「大丈夫だよ、とっても弱いんだ。突かれても痛くないんだよ」


 そんなに弱いのか? この弱肉強食の森の中でよく生き残っているのだ。


「逃げ足は早いんだよ。だから、今迄捕まえられなかったんだ」


 なるほど〜。でも『おすわり』すると分かったから楽勝なのだ。

 レオ兄が手際良く鳥さんの首に縄を縛り付けていく。バインドされているからだろうか、動かないで大人しくしている。


「コッコッコッコ……」

「クックゥ……」

「コッコ」


 あれ? 鳥さん達は、何かお話しをしているのかな?


「ぴか、わかる?」

「わふわふ」

「え、しょう?」

「わふん」


 なんて鳥さんなんだ。お利口さんなのか? 打算的なのか?


「ロロ、ピカは何て言ってるんだ?」

「にこにい、鳥しゃんがおはなししてるって」

「え? フォリコッコが話す? なんて言ってるんだ?」

「ちゅいていったら、森にいるより安全かもしれないっていってるって」

「ロロ、マジかよ?」

「うん、にこにい。ぴかがしょういってる」

「え? じゃあこのフォリコッコは賢いの?」

「りあねえ、しょうね〜」

「ロロ、本当かい?」

「うん。らって、ぴかがしょういってる」


 リア姉達が、えぇ〜? と、半信半疑な顔をしている。

 それよりも、どうやって連れて帰るのかだ。お利口さんだから、こっちの言う事は理解できるみたいだけど。

 なら試しに、鳥さんの縄を持って一緒に歩いてみよう。なんなら背中に乗ってみたいのだ。


「わふぅ」

「え、しょお? 首にちゅかまったらだめ?」


 ピカがそれは止めておく方がいいよ。と言った。何故に? 乗ってみたいじゃないか。


『危なっかしいからダメ。僕に乗るのとは訳が違う』


 と、言われてしまった。仕方ない、また今度チャレンジするのだ。今日はお散歩だけにしておいてあげよう。


「ぴか、ばいんろといて」

「わふ?」

「もう、れおにいが縄をかけたから、らいじょぶら」

「わふん」


 ピカにバインドを解いてもらう。そして、俺はトコトコとレオ兄のそばに行った。

 鳥さんと一緒にお散歩なのだ。もうやる気満々だぞぅ。ふっふっふ。


「れおにい、もちゅのら」

「ロロ、それは危ないよ」

「らいじょぶら」

「持って歩くつもりなんだろう?」

「うん」

「わふん」

「ピカは何て言ったんだい?」

「らいじょぶらって」

「ピカ、本当にロロに渡して大丈夫か?」

「わふん」


 ほら、大丈夫だって言っている。ちゃんと頭を動かして、分かるように返事をしている。尻尾もブンブン振っているけど。

 だって連れて帰る事ができたら、毎日美味しい卵が食べられるのだ。


「ロロ、僕も一緒に持つよ」

「うん」


 レオ兄が俺の後ろから、一緒に縄を持ってくれるらしい。でも、ピカが大丈夫だって言ってるからきっと大丈夫なのだ。

 だから俺は、縄を持って……持ってだな……


「れおにい……らめら」

「ん? どうした?」


 俺の小さな手には、縄を一度に4本も持てなかったのだ。両手で2本ずつ持つか? いや、それにしてもなぁ。手が小っさ過ぎるぞぅ。

 張り切ってお散歩だと思っていたのに、ちょっぴり肩を落としてしまう。


「あぁ〜、ロロ。まだ手が小さいから仕方ないよ。取り敢えず、1羽だけで試してみる?」

「うん、しょうしゅる」


 本当、ちびっ子は何をするにも不便なのだ。縄くらい、ガシィッと持とうよ。持てないけど。だから、1本だけ持った。


「こっこー、あるくのら」

「コッコッコッコ」


 うん、ちゃんと理解していそうだ。俺の身長と、同じくらいある鳥さんを連れて辺りをトコトコと歩く。絵面的にどうなのだろう? ちょっぴりシュールじゃないか?

 でも鳥さんは、引っ張って先を歩くわけでもない、変な方向にも行かない。立ち止まって歩かなくなるわけでもない。ちゃんと俺の横を並んで付いて来る。

 うんうん、いい感じだ。やっぱ、お利口さんなのだ。


「クックック」

「ん? あっち?」

「コッコ……」


 鳥さんが、あっちに行きたいとクィクィッと合図をしてくる。

 なんとも呑気な鳥さんが、行きたかった場所。それは……


「ああ、なるほどね」

「なんだよ、そうなのか」

「ふふふ、フォリコッコも好きなのね」


 そうなのだ。ププーの実が目当てだったのだ。だから実が生っているこの場所に、次から次へとやって来たのだ。


「なんら〜、たべたいの?」

「クック」

「ふふふ、捥いであげるわ」


 リア姉が、1つ熟れた実を捥いでくれた。それを地面に置くと、足でバキィッと踏みつけて割れたププーの実を嬉しそうに突き出した。足グセ悪いぞ。


「コッコー!」

「クックック」


 他の鳥さんまで、騒ぎ出したのだ。

 首に縄を掛けられているのに、グイグイ引っ張っている。


「分かった分かった。食べたいんだね」


 レオ兄がププーの実まで、移動すると4羽で突いて食べ出した。あらら、本当にププーの実は大人気なのだ。

 でも、この鳥さんは飛べない。

 いくら低木とはいえ、木に生っているププーの実をどうやって採るつもりだったのだろう?


お読みいただき有難うございます。

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいです。

宜しくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 『毎日卵を産むらしい。しかも複数個産むという。  肉も美味しいが、何と言っても卵がとっても濃厚な上にまろやかで絶品だと。しかも大きいらしい。』 家で飼えたら、卵も販売して副収入になるね。^…
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