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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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484/485

484ー興味津々

 レオ兄の鑑定眼はとても役に立つ。だけど俺はレオ兄が心配だ。

 お祖父様とレオ兄が出発しようとしていた時だった。また兵士さんが走ってきた。


「大変です!」

「どうしたぁッ!?」


 今度はとっても慌てている。また何かあったのかな?


「魔鳥の巣に、たくさんの卵が産みつけられています!」

「卵だと!?」


 魔鳥さんの巣を調べていた兵士さんたちが見つけたそうだ。魔鳥さんの巣の奥に卵がたくさんあったと。しかもその巣がダンジョンの真上だ。


「ひょぉーッ! たいへんなのら!」

「たまごか!?」


 俺とエルが思わず立った。魔鳥さんの卵だって! エルと一緒に両手をグーに握りしめ、目を輝かせながら言った。


「みたいのら!」

「な! みたいよな!」


 俺たちちびっ子は、とっても好奇心旺盛なのだよ。


「おいしいかもしれないのら!」

「おー! おいしいのか!?」

「馬鹿なことをいうもんじゃない! エル! ロロ!」


 あれれ、お祖父様に叱られちゃった。だって気になるじゃないか。

 コッコちゃんたちだって魔鳥さんで、卵がとっても美味しいからそう思った。一つだけでも取ってこれないかな~なんて。


「ロロ、エル、とても危険なんだよ。だから見るなんて駄目だ」

「れおにい、けろたまごなのら」

「しょうらじょ。たまごは、うごかねーじょ」

「エル、その前に魔鳥の巣なんだよ。魔鳥がたくさんいるんだ。コッコちゃんと違って危険な魔鳥だ」

「あー、しょっか」

「しょうらったー!」


 それを忘れていた。これは駄目だ。どれだけ言っても、絶対に連れて行ってはもらえない案件だ。


「ろろ、しゃーねーな」

「うん、しかたないのら」


 大人しく黙っていよう。俺たちはとっても聞き分けの良いちびっ子だから。

 兵士さんが言うには、見つけた巣の奥に枯れ葉や枯れ枝が、こんもりと積まれた場所があった。なんだろう? と除けて見てみると、大きな卵が無数に産みつけられていた。枯れ葉や枯れ枝を被せて、温めているみたいだったらしい。

 見つけた兵士さんは、火を放って焼こうとした。ちょうど燃えやすい枯れ葉が掛けられている。目の前にあるまだ孵化していない卵のうちに、焼いてしまおうと。


「ですが、焼けなかったそうなんです」

「なんだと? どうしてだ!? 殻か!?」

「いえ、そうではなく卵に届かなかったのです!」

「何ぃッ!? 卵まで遠いのか!?」


 お祖父様、落ち着いて先に報告を聞こう。

 魔法が使える人の中で、火属性魔法を使える人が一番多い。もちろん兵士さんの中にも複数人いる。卵を見つけた兵士さんの中にも二人いたそうだ。

 だから今のうちにと思ったのだろう。孵化した後だと面倒だ。

 兵士さん二人で、同時に火を放った。一気に焼いてしまおうとしたんだ。

 

「火を跳ね返す……いえ、一定の空間から先に火が通らないそうです」

「火が通らないだと? 燃やせないということか!?」

「はい!」


 まるで卵を守っているかのように、届く前に火がグインと曲がるそうだ。


「そんなこと聞いたことがないぞ! 見間違いではないのかッ!?」

「いえ、それが何度やってもそうなるらしいです!」

「お祖父様、シールド的なものでしょうか?」


 レオ兄が考える。だけど、魔鳥さんにシールドが使えるのか? というと、そんなスキルは持っていないらしい。だが現実に炎が届かずに、直前で火が曲がってしまうらしい。いかん、これはますます見てみたい。けど、ここは黙って我慢だ。


「姉上も一緒に行こう。火属性魔法が使えるから」

「ええ、任せてちょうだい!」


 ここでまさかのリア姉が参加だ。めっちゃやる気になっている。そしたら当然ロッテ姉は黙っていない。


「リアが行くなら私も行くわ!」

「ロッテ、お前は火属性魔法が使えないだろう?」

「ええー! お祖父様、だってぇー!」

「ロッテ、危険だからテオさんと一緒にお邸を守っていてほしいな」


 レオ兄がとっても優しい目をして言った。ロッテ姉の肩にポンと手を掛けて。


「任せてちょうだい! エルもロロも私が守るわ!」


 ロッテ姉ったら、とってもチョロい。チョロ子さんだ。いや、レオ兄が言ったからかな?


「お祖父様、とにかく行きましょう。実際に見てみないと」

「おう、そうだな!」

「ピカ、一緒に行ってくれるかな?」


 え? 僕なの? とキョトンとしているピカさん。あれれ? 話を聞いてなかったのかな? ピカの出番だよ。


「わふん」

「僕だけだと、力不足かも知れないだろう?」


 でもロロを守らないと。と言ってくれるピカ。ありがとう。でもこっちは大丈夫だから、レオ兄たちに協力してほしい。そして、守ってほしい。お願いね。


「わふん」


 任せてよ。とピカさん。レオ兄がピカも一緒の方が良いと判断した。それほどのことだと、レオ兄は考えているのだ。


「ぴか、ボクとにこにいの、ぴこぴこはんまーを、らしといて」

「わふわふ」


 危ないことはしないでね。と言いながらコロンと出してくれた。

 そしてピカとリア姉を連れて、レオ兄とお祖父様は森へ向かった。


「なんだか奇妙だわね」

「ええ。今まで巣や卵を発見したなんて、聞いたことがないですね」


 お祖母様とテオさんだ。いつの間にかテオさんまでやって来て話を聞いていた。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


大変なことが発見されたのですが、ロロとエルは卵に興味津々です。

美味しいかなぁ、と食い気の方が勝ってますね。

二人は基本、呑気なので(^◇^;)

この先は少しレオ視点が入ります。

リアとレオは優秀な冒険者です。あと、脳筋気味のお祖父様にも注目です!

よろしくお願いします٩(๑˃ ᵕ ˂ )و


コミック②が発売されましたー!

書店様で見かけられた時は、是非そのままレジへ⊂('ω'⊂ )))Σ≡GO!!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
これは魔鳥さんをテイムする流れかな?(笑)
……ちと呑気すぎですね。古今東西の鳥で、卵を完全放置する種族の方が少ないですから(←うろ覚え)
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