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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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481ーレオの見立て

「れおにい、ろうして?」

「う~ん、そうだね」


 レオ兄がエルとフィンさん、そしてピコピコハンマーを鑑定眼で見てくれる。


「これは僕の予想なのだけど」


 レオ兄がいくら鑑定眼で見たからと言って、この人はこの音だよ。と説明文が見えるわけではない。だから二人と、ピコピコハンマーを見てレオ兄が考えた。


「さっきも言ったけど、エルよりフィンさんの方が魔力量が多いからじゃないかな?」

「えっちょぉ、おーちゃんとどらんちゃんが、とうしゃまにまりょくをもらう」

「そうそう、それだよ」


 前に俺より魔力量の少ないウォルターさんが叩いた時は、普通の打撃音だった。それと反対のことだ。

 エルより魔力量の多いフィンさんが叩いたら、俺が作る時に思っていた魔鳥さんの鳴き声に近くなるのではないか。ということらしい。


「へえ~、しょうなの?」

「ロロは作る時に、魔鳥を思っていたんだろう?」

「しょうしょう、いっぱいでてくるな~って」

「だから魔鳥の鳴き声みたいな音になるんだろうね。エルは魔力量がまだ少ないから『チュン』だ」

「じゃあ、ぼくがおっきくなったら『ギャオー』になるのか?」

「アハハハ、それはどうかな? 分からないや」


 ほうほう、でも『ギャオー』より『チュン』の方が可愛らしくて良いじゃないか。


「ぼくは、かっちょいいのがいいじょ」

「える、『チュン』もかわいくていいのら」

「しょっか?」

「しょうなのら」


 だってちびっ子のエルが叩いて『ギャオー』より『チュン』の方がお似合いじゃないか。

 ピコピコハンマーをじっと見ていたフィンさんが言った。


「音よりも、これは反対側が斧みたいになっているじゃないか」

「しょこれ、きるんらじょ」

「切れるのか!? 危ないな」

「とうしゃま、なにいってんら。これは、ぶきらじょ」

「武器か!? アハハハ」


 笑われちゃった。どこからどう見ても武器には見えない。ちびっ子仕様の大きさだし、色もちゃんと塗ってあるから赤と黄色だし。叩くところを蛇腹にできなかったのが悔やまれるけど。


「ロロのは形が違うんだな。飾りが付いているじゃないか。よく思いついたなぁ」

「ロロのお遊びの延長なのですよ」

「れおにい、おあしょびじゃないのら。しんけんにちゅくったのら」

「アハハハ、そうだね。ごめんごめん」


 まあ、最初は土遊びだったのだけど。まさかこんなに使えるとは思わなかった。


「ろろ、らいじにしゅるじょ」

「える……うん!」


 二人でハイタッチだ。エルとはもう阿吽の呼吸とでもいうのだろうか。目配せをしただけで、何だか分かる。親友だからね。ふふふ。


「ふぁ~……」

「あらあら、坊ちゃま。そろそろお眠ですね」

「ロロ、エルも部屋に行こう」

「うん、れおにい」

「エルは私が連れて行こう」


 俺はレオ兄に、エルはフィンさんに抱っこしてもらってお邸に入る。途中でニコ兄が走ってきた。


「ロロ、エル、もう寝るのか?」

「にこにい、ねむねむなのら」

「またあしたら」

「おー、おやすみ」


 お祖母様や叔母様、お祖父様に伯父様、リア姉にロッテ姉、みんな順に声を掛けに来てくれる。嬉しいな。こんな時はとっても心がポカポカする。みんな優しくて温かい。俺たちにもこんな家族がいるのだと思うと安心できる。


「れおにい、よかったのら」

「ん? なにかな?」

「いっぱいかじょくが、ふえたのら」

「ふふふ、そうだね」


 リア姉とレオ兄に、相談できて頼れる大人が増えたのはとても良いことだ。

 ウォルターさんの存在も、マリーにとっては心強いだろう。今までマリーだって、気が張っていたのかも知れない。

 自分の孫娘二人だけでも大変なのに、俺たち四兄弟も一緒に引き取ってくれた。

 マリーがいなかったら、俺たちはどうなっていただろうと思う。そんなの不安すぎて、俺の小さな心がキュッとなってしまう。


 レオ兄に抱っこされて、いつの間にか眠ってしまったらしい。目が覚めたらベッドの中だった。

 今朝はまだ隣にレオ兄がいる。モゾモゾと動いてレオ兄にくっつくと、レオ兄がふわりと優しく抱き寄せてくれる。いつものレオ兄の体温と匂いがとっても安心する。


「ロロ、起きたの?」

「うん。いちゅのまにか、ねてたのら」

「ふふふ、疲れちゃったんだろうね」

「しょう?」

「大勢の人がいたから。ロロは慣れてないだろう?」

「しょうなのら」


 だって俺はルルンデの生活しか覚えていないもの。マリーたちと俺たち兄弟の生活。最近ではディさんがいつもいるけど。そんなの比べ物にならないくらいの大人数だ。


「フリード爺のところでもそうだったけど、大勢の人がいるからね」

「うん。けろたのしいのら」

「そう? それは良かった」


 そんな話をレオ兄にくっつきながらしていた。


「あらあら、起きてらっしゃいますか?」


 マリーが入ってきた。さあ、今日は何をしようかな?

 お着換えをしてレオ兄とマリーと一緒に食堂へ行くと、もうみんな揃っていた。いや、みんなじゃないな。リア姉とロッテ姉がいない。


「まりー、りあねえと、ろってねえは?」

「もう来られますよ。朝から鍛練されてましたから」


 最近毎朝じゃないか? リア姉とロッテ姉はそんなに鍛練して何を目指しているのだか。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


遅くなってすみません!

久しぶりにスーパーにお買い物に行ったら、クリスマスを通り越してお正月の食材がいっぱいでした。

早いなぁ、今年ももう終わっちゃいますよ(^◇^;)

カクヨムコン頑張ろう୧(⑉•̀ᴗ•́⑉)୨


12日にロロのコミック②が発売になります!活動報告に書影をアップしてますが、こちらでも!

今回も激カワなロロちゃんです(,,˃ ᵕ ˂,,)ꕤ*゜

書店様で見かけたら、是非レジまでよろしくお願いします(^◇^;)

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
つまり、「コケコッコー」な音も可能性としてあったわけですやん 家族が増える→戦争が起きる→家族が減る→曇る…なんて展開も?
やったねロロちゃん、家族がふえたよ!
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