表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第1章 ルルンデで生活するのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/485

48ーコケッコー

 まだ寝起きで、ぼんやりとしてゴロゴロしていたのだ。

 ニコ兄は、沢山採った薬草の根っこに一株ずつ葉っぱを巻いている。

 シールドがあると、こんなに平気なのだな。

 ぼーッと辺りを見ていると、どこからかテケテケと鳥さんが歩いて来た。おや? と思い体を起こす。

 ん~、鳥さんだけど……森の中にいるから魔獣……いや、魔鳥なのかな? 1メートル位ある大きな鳥さんだ。


「あれ魔鳥なんだって」

「へ~」

 

 その魔鳥だという鳥さんが良い声で鳴いた。


「コケッコー」

「え……」

「クックックック……コケッコー」


 頭を前後に、ヒョコヒョコと動かしながら歩いている。


「にこにい、鳴いてるのら」

「おう、さっきからいるんだよ」

「しょう?」


 前世では、とってもポピュラーだった鳥さんと同じ鳴き声の魔鳥さん。

 体は真っ白だ。頭に冠のような赤い鶏冠がある。嘴の下にあるベロンとした肉ひげも真っ赤だ。まるでニワトリさんだ。

 森の中に現れたニワトリによく似た鳥さん。

 羽がとっても豊かで尾羽なんて一度上に向かって生えているが、そこからカーブして地面に届きそうなくらいに長い。フッサフサの尾羽の先と嘴が黄色だ。

 そしてなにより魔鳥の証拠に、真っ赤な鶏冠の前に小さな豆粒ほどの角がある。


「にこにい、こっちみてるのら」

「うん、放っておくんだぞ。その内諦めてどっかに行くよ」

「しょう?」

「そうだ」


 ふぅ~ん。と、思いながらもジッと見てしまう。

 あの鳥さん……美味しいのだろうか?

 見たところ、肉付きは良さそうだ。立派なモモ肉をしているのだ。あの大きさだと1人では食べ切れないなぁ。


「わふ」

「しょう?」


 ピカが美味しい鳥さんだと言った。そうか、美味しいのか。お肉に見えてきたぞぅ。


「わふわふ」

「え、しょうなんら」

「わふん」


 なんと、毎日卵を産むらしい。しかも複数個産むという。

 肉も美味しいが、何と言っても卵がとっても濃厚な上にまろやかで絶品だと。しかも大きいらしい。

 おぉー、それはなんとしても食べてみたいのだ。

 プリンとか作ったら美味しそうだ。マリーに作ってもらおう。うん、そうしよう。


「こけっこー、くっくっくっくこっこー」


 俺はシールドの中で、手を出しながら鳴き真似をしてみた。


「ク……」


 あ、反応したのだ。こっちを見て、テケテケと歩いて来る。

 近くに来ると、やっぱ大きいのだ。


「ロロ、やめろ。魔鳥だぞ」

「れも、にこにい。肉も卵もおいしいって」

「え、そうなのか?」


 これは、飼いたいなぁ。そしたら毎日美味しい卵が食べられるのだ。卵サンドもいいね〜。


「わふぅ……」

「え、らってぴか。おいしいんらろ?」

「わふ」

「毎日たべたいのら」

「わふわふ」


 そうそう、食べたいね~。と、ピカも言っている。


「ぴか、ちゅかまえる?」

「わふ?」

「ちゅかまえて、家でかうのら」

「わふ~」


 そんな事できるかな~? だって。先ずは捕まえないとね。


「あれ? ぴか、あの鳥しゃんとぶ?」

「わふ」


 そうか、飛べないのか。本当に大きなニワトリさんみたいなのだ。

 しかし、どうやって捕まえようか?


「ロロ、魔鳥を飼うなんて無理だぞ」

「にこにい、けろ毎日卵をうむって」

「卵か……いいな」

「しょう。なんこも。おおきいんらって」

「そうなのか?」

「らから、かいたいのら」

「どうやって捕まえるんだよ。襲ってくるぞ」

「どうしよ?」


 そうなのだ。魔鳥さん、普通に攻撃してくるだろうし。突かれたりしたら、痛そうなのだ。


「わふ」

「ぴかは、ちゅよいから」

「ピカは何て言ってるんだ?」

「よわいから、へいきらって」

「弱くねーよ、ピカが強いんだ」

「ね〜」


 ん〜、どうしよう? 諦めきれないなぁ。

 俺はシールドの中からジッと鳥さんを見つめた。ジーッと。鳥さんの小さな目と目が合った。


「クッ……?」


 首を横にコテンと倒して見ている。これは絶対、俺を認識しているぞ。


「らめらよ。うごいたららめ」

「クック……」

「おとなしくして」

「クックック……」


 鳥さんの目をジッと見つめて、片方の掌を鳥さんに向けながら話しかけた。

 鳥さんも何故かジッとしている。言っている事が分かるのかなぁ?


「しょぉっとら、しょのままら」

「クックック……」

「おしゅわり」

「ククッ……」


 ワンちゃんじゃないけど、試しに言ってみた。すると、鳥さんが大人しくヒョイと座ったのだ。


「あらら?」

「ロロ、座ったぞ」

「ね〜」

「どうすんだ?」

「わかんない、どーしよ?」

「あのまま捕まえるか?」

「わふ」

「ぴか、れきる?」

「わふん」


 ピカが、魔法でバインドすると言っている。なんだ、そんな事が出来るのか。


「ぴか、おねがい」

「わふッ」


 すると、鳥さんが座ったままの体勢でバインドされたのだ。座ったまま動けなくなっている。ピカさん、何でもできるのだね。

 俺の渾身の一撃『おすわり』は必要だったのか?


「よし、捕まえよう!」

「にこにい、しーるどからでたららめ」

「そっか。じゃあ、レオ兄達が戻ってくるまで待とう」

「うん」


 鳥さんはそのままだ。ちょっと、かわいそうな気もするけど。でも、魔鳥だから危ないし。


「おしゅわり、しょのままらよ」

「クック……」


 うん、理解しているのか? 大人しいな。


お読みいただき有難うございます。

明日も鳥さんが続きます。(^^;;

宜しければ、評価やブクマをして頂けると嬉しいでっす!

宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ニワトリ [気になる点] たまごの大きさ [一言] いいですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ