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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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477ー丸焼き

 俺たちを見つけてマリーが大きな声で呼ぶ。


「坊ちゃま! 嬢ちゃま! こっちですよ!」


 手を上げながら呼んでいる。はいはい、そっちに行けば良いのだね。トコトコとエルと一緒に歩く。


「まるやき、はじめてなのら」

「しょうなのか? めっちゃおいしいじょ」

「えるは、たべたことあるの?」

「あるじょ。ときろき、しゅるんら」

「へえ~」


 きっと辺境伯家みたいに、魔獣を狩って来た時とかにするのだろうな。今日はまだお邸の人たちだけだけど。


「もっといっぱいのひとが、いるときあるじょ」


 きっと領民や兵士さんたちも一緒の時があるのかな。こうして同じご飯を食べるのは良いと思う。大勢で食べると美味しく感じるし、それがお外だと倍増だ。


「ロロ坊ちゃま、エル坊ちゃま、ここに座りましょうね。人が多いので危ないですから」

「まりー、やくのをみたいのら」

「くるくるまわしゅんら」

「しょうなの?」

「しょうらじょ」


 そんな話をしながらエルは、ヨイショと椅子に座る。もう珍しくもなんともないのだろう。でも俺は超珍しい。実際に焼いているところを見てみたいぞぅ。


「あらあら、じゃあマリーと手を繋いで見に行きましょう」

「うん、まりー」


 ピカも俺の後を付いてくる。ピカったら貰う気まんまんだ。


「わふ」

「しょうらね」


 もうお腹が空いたと言ってきた。良い匂いがすると余計だよね。


「ロロ、見にいくの?」

「うん、れおにい」

「僕も一緒に行こう」

「おててちゅなぐのら」


 はい、と手を出してレオ兄とマリーと手を繋ぐ。完璧だ。どれだけ人がいたって大丈夫な布陣なのだよ。

 近くに行くと、熱気が凄かった。そりゃそうだ、火で焼いているのだから。それに、鳥さんが思ったより大きい。これって一羽で何人分なのだろう? 何羽も一緒に焼いているけど、きっとすぐに食べちゃうのだろうな。それだけの人が集まってきているもの。

 太くて長い鉄の棒にぶっ刺された鳥さんが、火の上でゆっくりクルクルと回しながら焼かれている。もう表面はこんがりと焼けて脂が滴っている。これは美味しそうだ。匂いだけでご飯が食べられそうなやつだ。


「ひょぉ〜! おっきいのら!」


 思った以上に大きくてびっくりした。やっぱ飛んでる魔鳥さんを見ているのとは違う。


「わふぅ」

「アハハハ! ピカの分を先に貰ってあげるよ」

「キュルン!」

「分かった分かった、チロもだね」


 レオ兄が、ピカとチロの言っていることを完璧に理解して会話をしている。俺はある意味、反則なとこがあると思うのだ。女神に加護を授けてもらって、ピカとチロと一緒にいる。前世の記憶だってある。でもレオ兄はそうじゃない。鑑定眼を持っているってことだけでもチート気味なのに、それを使いこなしている。

 ピカとチロが言っていることが分かるなんて、レオ兄くらいじゃないか? ディさんだって念話を使わないと分からないのだから。

 焼きたての大きなお肉をもらったピカは、わふわふといいながら食べる。フサフサの尻尾が嬉しそうに揺れている。その隣でチロもブチッとお肉を引きちぎりながら食べている。平和だね。あの襲ってきた魔鳥さんもこうして食料になる。

 うちだってルルンデでは、リア姉とレオ兄が狩ってきた獣のお肉を食べている。脅威になることもあれば、それによって潤うことだってあるのだ。それを辺境伯家のフリード爺に教えてもらった。

 そんなことを考えながら、魔鳥さんがクルクル回されて焼かれるのを見ている。火の熱気でお顔が熱い。俺ってまだちびっ子で火に近いから。


「ロロ、もういい? あっちに座って食べようか?」

「うん、れおにい。ぴか、ちろ、いくのら」

「わふ」

「キュルン」


 あっという間に食べ終わっていたピカとチロ。あっちでまた食べようなんて話している。


「ピカは大きいからね。チロもたくさん食べるようになったね」


 ほら、レオ兄ったら完璧じゃないか。これはテイマーと言っても良いのではないか?


「れおにいも、ていまーなのら」

「え? テイマーなの?」

「しょうなのら。ぴかとちろと、はなしぇるから」

「アハハハ、そっか。テイマーか。ロロもテイマーだったね」

「しょう、ボクはていまーなのら」


 ふふふん、と胸を張ってみよう。テーブルに戻ると、もうエルが食べていた。テオさんとジルさんも一緒だ。あれれ? お祖母様とリア姉とロッテ姉はどこに行ったのかな?


「まりー、おばあしゃまとりあねえとろってねえは?」

「あちらですよ」


 マリーが教えてくれた方を見ると、まだお祖母様に捕まっている二人がいた。とっても殊勝なお顔をして大人しく座っている。いつものリア姉なら、一緒にお肉にかぶり付いているのに。


「あらら」

「ふふふ、姉上には良い勉強になるよ」

「れおにい、けろちょっと、かわいしょうなのら」

「そう? ロロは優しいね」


 だって食べる時くらい、楽しく食べたいじゃないか。令嬢となると、そうはいかないのだろうけど。


「姉上だって母上に教わっているからできるはずなんだよ。なのに、もう面倒なんだろうね。アハハハ」


 そっか。母様が生きている頃には、教わっていたのか。なのに普段はあれなのか? いや、お行儀が悪いという訳ではない。でも令嬢となると、ちょっとなのだろう。

 まさか貴族の令嬢はお肉にがっついたりはしないだろうから。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


大きな魔鳥さんの丸焼きです。こういうの、日常ではあり得ませんよね(^◇^;)

帰るまでの穏やかな日常です。もしかして、何かあるかも? なんてね(^◇^;)


今日は東京で文フリが開催されてます。参加したかったな〜と思いつつ。

私は地方在住の引きこもり&人見知りなので永久に無理かもです。東京なんて行く勇気がないのです(^◇^;)

KADOKAWAさんの年末の謝恩会も招待状をいただいたのですが不参加です。

あの時は、ワンちゃんが闘病中だったので。

来年は行けるかなぁ?続刊を出さないと呼ばれないよなぁ。と思いつつ、とりあえず毎日の更新頑張ります!(๑•̀ •́)و✧


ロロちゃん4巻発売中です!5巻の初稿がめっちゃ難航してます( ᐪ꒳ᐪ )

今更プロットなんてかけないよぉ!と思いつつ頑張る!(๑•̀ㅂ•́)و

来月コミックの2巻が発売になります!よろしくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
「♪豚の丸焼き得意です〜」でも歌っていそうな雰囲気ですねぇ >「姉上だって母上に教わっているからできるはずなんだよ。なのに、もう面倒なんだろうね。アハハハ」 普通なら10年以上令嬢を経験したのに、…
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