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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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476/486

476ーいちころ

 みんなで匂いのする方へ歩いて行く。エルとお手々を繋いで、スキップスキップ。


「アハハハ! エル、ロロ、なんだよそれ」

「ておにい、しゅきっぷらじょ」

「エルは上手だけど、ロロはできてないぞ」

「えー、しょう?」

「ほら、エルの真似してみな?」


 ええー、俺ってばまだスキップできてなかったか? 前にニコ兄に教わったのに。やっぱ身体を動かすのは苦手なのかも知れない。冒険者になるのは消えたな。


「ロロはおっとりしてるからね」

「れおにい、しょういうもんらいじゃねーじょ」

「だってエルの方が、走るのも早いだろう?」

「しょうらけろな。ろろにはぴかが、いるからな」


 それだ、いつもピカに乗っているからだ。これからは自分の足で走るようにしよう。


「わふん」


 僕がずっと乗せるよ。なんてピカさんは言っている。いやいや、俺が成長してもピカに乗るのか? それはどうだろう? ちょっとイタイ子みたいじゃないか。


「ロロも、もう少し自分で走るようにすれば良いんじゃない?」

「やっぱれおにいも、しょうおもうのら?」

「うん、そうだね。今はいつもピカに乗ってるから」

「しょうなのら」

「いいなー、ぴかにのるの、いいじょ」


 そうだね、エルもピカに乗りたがる。だってとってもかっちょいいのだもの。

 お邸のすぐ前の庭で、太い鉄の棒にぶっ刺された魔鳥の丸焼きが香ばしい匂いをして焼けている。そこにテーブルセットが出されていて、みんな集まっている。辺境伯家でもそうだったけど、こうしてお外でみんなで食べるのって良いよね。

 ルルンデの家だと俺たちとマリーたちだけだから、そんなことはしないもの。


「あれれ? りあねえは?」


 テオさんが可愛そうな表情をしながら教えてくれた。どうしてその表情なんだ?


「あー、姉上とロッテは今日はね」

「そっか、お祖母様に捕まってるのか?」

「そうなんですよ」


 ほら、ジルさんまでお気の毒って顔をしているぞ。何かな? お祖母様と一緒にいるということだよな? そんな話をしていたら、ちょうどお邸の中からお祖母様とロッテ姉、リア姉が出てきた。心なしか二人がちょっとやつれて見える。


「あれれ? ろうしたんらろ?」

「あれら、おおばあばの、おべんきょうら」

「おべんきょう?」

「しょうらじょ。ときろき、ろってねえがちゅかまるんら」


 ほう、お勉強をしていたのか。なら良いじゃないか。


「お勉強と言ってもね、マナーのお勉強なんだ」

「れおにい、まなー?」

「そうだよ、令嬢としてのマナーだね」


 ほうほう、それはリア姉には必要だ。お祖母様は元気なのに、ロッテ姉とリア姉はげっそりとしている。これは絞られたのかな?

 普段はマナーなんて気にしてないから。それに動いているのが常のリア姉だから、きっと苦痛だったのだろう。そのリア姉が、俺を見つけて走ってきた。


「ロロー!」


 ガバッと抱きつかれてしまった。もれなくほっぺにスリスリとお腹をモミモミがついてくる。


「りあねえ、やめれ」

「だってぇ! ロロは癒しなのよー!」

「リア! あたしもー!」


 だからぁ、俺は物じゃないって。ロッテ姉はエルがいるじゃないか。と、隣を見ると、エルがテッテケテーと走って逃げた。とっても逃げ足が速い。こういうところが俺とは違う。俺は逃げそびれちゃった。


「エルはいつも逃げちゃうのよー! だからロロー!」

「ええー!」


 ロッテ姉とリア姉の二人に抱きつかれて、身動きができない。ふぅ~、仕方ないとお空を見上げる。

 もう茜色になっているお空は、今日は魔鳥さんは飛んでない。ふんわりとして白い雲まで茜色に染まってきた。もうすぐ暗くなる時間だ。そよそよ~っと気持ちい風が吹いているけど、両側から抱きつかれちゃっているから俺はちょっぴり暑い。


「りあねえ、ろってねえ、あちゅいのら」

「姉上、ロッテ、それぐらいにしときなよ。夕ごはんだよ」

「レオったら、冷静なんだから」

「じゃあレオに抱きついてもいい!?」

「な、な、なに言ってんの! ロッテ!」

「ふふふ、冗談よー!」


 おやおや、レオ兄が焦っているしお顔が真っ赤だ。これはあれか? ちょっぴり良い感じってやつか?

 レオ兄はかっちょいいから、ロッテ姉もイチコロかも知れない。ふむふむ。


「ロロ、何考えてんの?」

「らって、りあねえ。れおにいは、かっちょいいから」

「僕が? ロロったら、ありがとう」

「ほんとのことなのら。ろってねえも、いちころ」

「ロロ! 何言ってんだよ!」


 レオ兄が慌てちゃっているけど、だってそう思うよ。ほら、ロッテ姉のほっぺがピンク色になっている。


「りあねえは、ゆーりしゃん。れおにいは、ろってねえ」

「ええ!? ロロ!」


 ん? 今度はリア姉が焦っている。俺は覚えているのだよ。リア姉と辺境伯家のユーリさん。ずっと一緒にいたじゃない。


「ロロはそんなことを考えているのか」

「れおにい、ボクはしゅるどいのら」

「アハハハ! 鋭いの? アハハハ!」


 あれれ? めっちゃレオ兄に笑われちゃった。でも結構鋭いと思うよ。うんうん。それにお似合いだと思う。


「ろろ、ろってねえに、れおにいはもったいないじょ」


 いつの間にかシレッと側に戻ってきていたエルが、とっても冷静な意見を言ってきた。


「え、しょう?」

「しょうらじょ。らってろってねえはしゅぐに、えーんってなくから」

「しょうらった」


 ロッテ姉は泣き虫さんだった。でも最近泣いてないよね? きっとレオ兄と一緒にいるのが楽しいのじゃないかな? 良いことだと思うよ。ロッテ姉なら俺は大賛成だ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


レオにイチコロですってよ(^◇^;)

レオ兄はあんまり目立たないかも知れませんが、カッコいいと思うのです。

でもそれ以上にディさんがぶっちぎりでカッコいいので、結果目立たないと。

これで四兄弟みんなのお相手が出揃いました。分かりますか〜?(^◇^;)


ちょっと落ち着いていたのですが、また急にバタバタしそうです。

今のところ投稿には差し障りなくやってます。

もう来年刊行の分なのです。

頑張りまっす!୧(⑉•̀ᴗ•́⑉)୨


↓ココちゃんの口絵のデータをいただいたので!ロロじゃなくて申し訳ないのですが(^◇^;)

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
この時代に近親なそれはどういう慣習になっているかは知りませんが、ロロ達とはどれぐらい離れていましたかね?
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