469ーまさか魔力で
でももう変更はできない。だってもう乾かすために立てかけてあるもの。めっちゃ期待しているのだろうけど、ごめんね。
「える、もうむりなのら」
「ええー」
「エル、あれもカッケーぞ」
「にこにい、しょうか?」
「おう、そうだぞ」
「ならいいじょ」
なんだ、カッコいいと良いのか? え? なら俺のピコピコハンマーはどうなんだ? 俺のだって強いぞ。コッコちゃんの羽つきだけど。
「ろろのは、かわいいじょ」
「だな」
「えー……」
ニコ兄のはぶっ刺せる。エルのはぶった切れる。俺のは、バシコーンしかできない。あれれ? 羽なんてつけて嬉しがっている場合じゃなくないか?
「ロロはあれでいいぞ」
「しょうらな」
「にこにい、える、しょう?」
「おう。ロロは魔力を流して叩いているだろう? だから強いんだ」
なんだ、ニコ兄は分かっていたのか。
「にこにいも、まりょくをながしゅのら」
「俺もか?」
「しょうしょう」
多分、今でも無意識に多少の魔力は流しているはずだ。それをもっと意識して流そう。ここに来るまでに、魔鳥目掛けて衝撃波を飛ばしたことだってある。だからニコ兄だってできるのだ。
「俺、苦手なんだよ」
「らって、にこにいはちゅちを、ボコボコッってれきるのら」
「ああ、畑はな」
「しょれといっしょなのら」
「そうか、やってみるよ」
うんうん、それがいい。土に魔力を流すのと同じ感じですればいい。
「わかんねーじょ」
「えるは、ポカポカぐるぐるなのら」
「あー……」
エルったら目を反らした。魔法の勉強は抜け出してしまうと言っていたものね。でも頑張ろう。
「えるなら、れきるのら」
「よし、がんばるじょ」
何度も言ってるよ。本当に頑張ろうね。でないと今度はクリスティー先生にもっと怒られちゃうぞ。
「あれ?」
俺とエルが話していると、ニコ兄がリーダーたちを見て何かに気付いたらしい。
「ロロ、よく見てみな。あの子たち、ちょっと体が光る時がないか?」
なんですとぉッ!? 体が光るのか!? どうしてそうなった!? いつ、なんのために!?
驚いて、目の前で走り回っているリーダーたちを見た。
飛ばされる方と飛ばす方、お尻をキックして飛ばしている。その瞬間にペカッと光っていた。
コッコちゃんだって、元々魔力を持った魔鳥だ。それが進化してハイコッコちゃんになっているのだから、魔力量だって増えているのだろう。
「れおにいに、みてもらうのら」
「そうだな」
「なんら? れおにいなら、わかるのか?」
あれ? エルは知らなかったか? なら教えてあげよう。
「れおにいは、しゅごいのら」
「しゅげーのか!?」
「アハハハ! ロロ、なんだよその説明は!?」
「らって、にこにい。れおにいは、しゅごいのら」
「俺が説明してやるよ。レオ兄は鑑定眼を持ってるんだ」
「か、かんていがん? なんら?」
「スゲー目だよ」
「やっぱしゅげーのか!?」
ニコ兄、俺の説明と大して変わらないような気がするのだ。
そのレオ兄が帰ってきたのは、俺たちがオヤツを食べてお昼寝から起きた頃だった。
「れおにい、まってたのら」
「ロロ、どうしたんだ?」
帰ってきて早々、悪いんだけど。
「みてほしいのら」
「見るの? 何をかな?」
「りーだーたちと、いっちーたち」
「んん?」
「だからロロ、俺が説明するよ」
またまたニコ兄だ。今回はちゃんと説明してくれた。リーダーたちとイッチーたちの訓練を見ていて気が付いた。あの子たちはジャンプする時に体が一瞬光るのだと。それってやっぱ魔力を使っているからだよね? てさ。
「そうなの? 全然気が付かなかったよ。よく気が付いたね」
「俺が気付いたんだぜ」
「ニコはいつも一緒にいるからだね」
「おうよ」
もしかしたら、ドルフ爺も気付いているのかも知れない。いや、そんなことないか? でもドルフ爺もいつも一緒にいるし。
「にこにい、どるふじいは、きじゅいてる?」
「多分気付いてるぞ。そんな話をしていたことがあるからな」
なんだ、ならずっと前から光っていたのか?
「リーダーが一緒に訓練するようになった頃じゃないかな?」
ほうほう、ならリーダーがみんなの力を底上げしたのかな?
「ならきっと力の使い方を覚えたんじゃない? とにかく見てみるよ」
レオ兄が鑑定眼で見てくれた結果だ。実際にレオ兄の目の前でフォーメーションAをやってもらった。
「え、フォーメーションなの?」
「しょうなのら。しょういってるのら」
「アハハハ! この子たちは凄いなぁ」
そんなことを言いながら、じっと見ている。
「本当だ。ニコの言う通りだね。魔力を使っているよ」
レオ兄が見た結果だ。リーダーが一番使い方が上手らしいから、やっぱリーダーを見習って力を使っているのだろう。リーダーって凄いね。フォーメーションAで高くジャンプする時、蹴り上げる方もジャンプする方もその一瞬に魔力を使って身体強化みたいなことをしているらしい。
多分、それを見てプチゴーレムたちも覚えたのだろう。何故なら、力の使い方がリーダーたちの方が上手だから。
「でもね、走っている時も少しだけ使ってるんだ。だからリーダーは無意識なんじゃないかな? それをみんなが真似をして、使えるようになったって感じじゃないかな?」
それにしても、この子たちの進化は凄い。親コッコちゃんはそんなことはできないのに。
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宜しくお願いします。
今日は早いです。
実はうちのワンちゃんが緊急手術になりまして、今は貧血が酷いので輸血をしています。お迎えが何時になるか分からないので先に投稿しておきます。
ギリギリの手術なので、生きて帰ってきてくれることを祈ります。
さて、もうすぐロロ④の発売日です。
週末には店頭に並べてくださっている書店様もあるかもです。
毎回、発売日はドキドキします。
皆様にお買い上げいただけるのか。楽しんでいただけるのか。めっちゃ不安です。
私が書くものは、難しい表現などありません。きっとどなたにでも書けるものでしょう。
読んでくださる方々が、ホッとした時にクスッと笑えるような、ふぅ〜と気持ちが安らげるような、そんなお話にしようと思って書いてます。
そうなっていれば良いのですが。
ロロ④も、どうかよろしくお願いいたします!




