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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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467ー引っかかるらしい

「さあさあ、朝ご飯ですよ」


 マリーが出してくれた。オレンジ色したかぼちゃのスープと、いつものスクランブルエッグとベーコンを焼いたもの。それにフレッシュ野菜のサラダだ。毎日サラダを見るたびに思い出す、特盛サラダを食べているディさんを。ふふふ、どうしてるかなぁ?


「いたらきましゅ」

「はいはい、どうぞ」

「ロロ、エル、首にナプキンつけろよ」

「わかったのら」

「おー、にこにいもな」

「俺はいいんだよ。汚さないから」


 ニコ兄が、エルの面倒も見てくれる。毎日俺の世話をしてくれているから、慣れたものだ。

 だけどその日はお祖父様と伯父様が現れなかった。どうしたのかな? まさか、お祖父様たちもお寝坊さんなのか? なんて思っていたのだけど違った。

 お祖父様と伯父様は、昨日の魔鳥の襲撃を調査していた。お祖父様は兵士さんたちと一緒に森に入り、森の中とダンジョンに異変がないかどうか。伯父様とフィンさんはこれまでの文献で、似たようなことがなかったかを調べていた。

 俺がそれを知ったのは、お祖父様が森から帰ってきてからなのだけど。

 みんなが談話室と呼ばれる部屋に集まっている。俺とエルはきっと必要ないのだろうけど、みんなと同じように難しそうなお顔をしてチョコンと座って参加だ。

 お顔だけでも難しそうにしていないとね。なにしろ、どこからどう見ても緊張感がないから。


「ろろ、わかるか?」

「じぇんじぇんなのら」

「らよな」


 何も始まっていないのだから、何も分からない。だけど、いつもとは違う緊張した雰囲気だけは感じていた。

 お祖母様や叔母様やティーナさん、テオさんやロッテ姉まで緊張の面持ちで口数が少なかった。

 お庭からは相変わらず賑やかなリーダーたちと、プチゴーレムの声が聞こえてくるのだけど。


「れおにい」

「ん? ロロ、どうしたの?」

「あのこたち、まらやってるのら」

「ふふふ、そうだね。鍛錬なんだってね」

「いみがわからないのら」

「あの子たちなりに、守ろうとしてくれてるんだよ」


 レオ兄もあの子たちの言葉が分かる。ピヨピヨ! アンアン! と鳴きながら、みんなで鍛錬だーッ! なんて言っている。ちょっと静かにしてほしい。

 そこにお祖父様と伯父様とフィンさんが入ってきた。


「あなた、どうでしたの?」

「ああ、森の中はいつもと変わらなかった。変わらなかったのだが……」


 なんだ? なんだか含みを持たせていないか?


「父上、やはりここは」

「ああ、仕方ない」


 なんだろう? お祖父様たちがこっちを見ている。俺か? とうとう俺の出番か? 今度は何を作ろうか?


「レオ」


 なんだ、レオ兄か。そりゃそうだ。俺みたいなちびっ子に、お呼びが掛かるわけない。


「はい、お祖父様」

「レオは鑑定眼を持っていたな」

「はい、まだレベルはそんなに高くはありませんが。僕がお役に立てるなら行きますよ」


 え? なんなのだ? と思っていたのだ。レオ兄はもう察しているみたいなのだけど。


「レオは本当に聡い子だ。すまないが、頼めるか?」

「はい、もちろんです。それなら、ピカも一緒に」

「ピカか?」


 俺の足元で寝そべっているピカさん。ピカ、出番みたいだよ。


「わふ?」


 ほら、寝ぼけてないでお祖父様のお話を聞いてね。


「ピカ、レオと一緒に森とダンジョンを確認してほしいのだ」

「ピカ、頼めるかな?」

「わふん」


 もちろんだよ。とピカが言ってくれる。

 お祖父様は実際に自分で行ってみて、変わりはないと言った。だけど、何か引っかかるらしい。

 いつも森とダンジョンを見ているからこその勘だ。それが何なのか確認しておきたい。

 レオ兄の鑑定眼が役に立つのだろう。だけどピカは鑑定眼を持っていないのだけど?


「ピカは普通じゃないから、ピカなら感じることもあるだろう」

「ほ~」

「ひょ~、ぴか、しゅげーな!」


 俺とエルは感心してしまった。いつも一緒に遊んでいるピカだから、普通のワンちゃんじゃないって忘れていた。


「わふん」

「うん、おもいらしたのら」

「わふぅ」

「ふふふ」


 僕はワンちゃんじゃないよ。と言われてしまった。

 翌日、さっそくレオ兄とピカがお祖父様と一緒に森へ向かった。


「ロロ、エル、大人しくしてるんだよ」

「れおにい、わかってるのら」

「おー、おりこうにしてるじょ」


 俺とエルがやんちゃ坊主みたいに思われてないか? そんなことはないのだ。とってもお利口さんな3歳児だ。

 お庭でレオ兄とピカを見送る。ピカ、何かあったらレオ兄とお祖父様たちを守ってねと思いながら。


「なあ、ろろ」


 お庭でエルと一緒に土団子を作っていた時だ。


「ぼくも、ぴこぴこはんまーちゅくれないか?」

「しょれはむりなのら」

「しょっかぁ……」

「ほしいのら?」

「おー、らってかっちょいいじょ」

「ふふふ、じゃあいっしょに、ちゅくるのら」

「しょっか! ちゅくろうな!」


 魔鳥をピコピコハンマーでぶっ叩いた時から、エルはずっとその話をしていた。だからきっと欲しいのだろうなと思っていた。

 エルには作れないけど、一緒に作って俺が作ったのをプレゼントしよう。

 俺のピコピコハンマーはコッコちゃんの羽が付いている。ニコ兄のはぶっ刺せるように小さな槍のようなものを付けた。エルはどんなのがいいかな~と考えながら土をコネコネ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


なかなかルルンデに帰れません。どうしましょう(^◇^;)

ピコピコハンマーは作るだろうなと予想されていた方もおられると思います。作りますよね。そりゃ、エルは欲しくなります。


さて、今日ロロ④の見本誌が届きました。毎回そうなのですが、めっちゃ不安になります。

頼むから売れてくれー!と毎回、念を入れてます。(||゜Д゜)ヒィィィ!

Xにポストしてますので、よろしければリポストしていただけると嬉しいです!


明日は投稿をお休み予定です。

初稿作成頑張ろう!(๑•̀ㅂ•́)و✧

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ロとエのおとなしくしているは、おとなしくしないの意味です きっと、ピコピコハンマーを射出でき爆裂するような装備を作るに違いありません
エルのピコピコハンマーはどんな音になるのかな…((o(´∀`)o))ワクワク
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