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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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459ーそよそよ〜っと

 お祖母様と一緒に作っているサシェ。乾燥させた花弁を入れる袋が出来上がった。

 ユーリアにデザインしてもらって、その形通りに布地をカットしてチクチクと俺が縫っていた。

 その時に忘れちゃいけない、思いを込めるのだよ。今回はみんな健康で怪我とかしないようにと思いながら縫った。

 ワンポイントで裏側にイニシャルの頭文字を入れた。これはマリーの案だ。どれが誰のかすぐに分かるようにと。


「私も欲しいわ!」


 とロッテ姉が言い出しただけじゃなくて、結局全員の分を作った。俺の隣でお祖母様もチクチク縫っていた。


「どうせなら使用人たちの分も作ろうと思うのよ」


 普通の小さな袋だけど、おリボンをつけて可愛くしてある。

 お祖母様は慣れているから、縫うのが早い。俺の隣でどんどん出来上がっていくから、ちょっぴり焦っちゃった。


「あら、ロロが縫っているのは形が難しいもの。ゆっくりで良いのよ」

「おばあしゃま、しょう?」


 ええ。とニッコリとしてくれる。それをマリーとユーリアが微笑みながら見ている。

 そして最後に遠慮気味に言ってきたのが、ウォルターさんだ。


「坊ちゃま、よろしければ私もいただけませんか?」

「うん、いいのら。うぉるたーしゃんは、どのかたちがいい?」

「選んでも良いのですか?」

「しゅきなの、えらんでほしいのら」

「ありがとうございます」


 ウォルターさんが選んだのは、チロを模したものだ。といってもヘビさんだからそのままだと長い棒みたいになっちゃう。だから少しくねらせてチロの小さなお目々をつける。


「ちろ?」

「はい。治してもらいましたから」

「しょうらった」


 ウォルターさんの腰をチロが治した。だからチロにすると言う。そういえば最近、ウォルターさんの肩にチロがよく乗っている。懐いちゃったみたいだ。

 袋を縫うだけじゃない。中に入れるお花や薬草もお祖母様と一緒に作っていた。普通に乾燥させると1〜2週間かかるらしい。

 だからここで魔法の出番だ。


「ほんの少し暖かい優しい風で乾燥させるのよ」

「ひょー! おばあしゃま、ボクもれきる?」

「ふふふ、ロロならできるのじゃないかしら?」


 ということで、お祖母様に魔法を習った。

 今まで俺が使った魔法なんて、魔法と呼べるのか? て、ものだから。


「手のひらを意識するのよ。暖かい風を想像してね」

「よし! わかったのら!」


 お祖母様と一緒に吊り下げたお花やハーブに風を送る。これがなかなか難しい。

 今まで、えいやー! て力技で魔法を使っていたから、ほんのり暖かくそよそよ〜となんて、どうするのだ? 強い風だと花びらが散ってしまう。そうならないように、そぅ〜っとだ。

 手のひらから、そよそよ〜っと。


「そうそう、上手だわ」

「えへへ〜」


 そこにバタバタとやって来た。


「ぼくもいっしょにしゅるじょ!」


 エルがプチゴーレムと一緒に、何故か自信満々なのだけど。プチゴーレムまで胸を張ってるじゃないか。

 この二匹にも何か作ってあげたいなぁ。お帽子は無理でもスカーフとか。


「おばあしゃま、しゅかーふ」

「あら、何かしら?」

「おくびにまく、しゅかーふ」

「スカーフね。プチゴーレムにかしら?」

「しょうしょう。ちゅくるのら」

「そうね、可愛いわ!」


 だろう? この子たちは番号は必要ないから、シンプルなので良いだろう。


「える、いろをふたちゅ、えらんれ」

「いろか? ぼくはあおがしゅき!」


 うん、そうなのかぁ。違うから、プチゴーレムのスカーフに使う色だよ。


「もりのみどりと、おしょらのあおがいいじょ」


 エルったら、本当にいい子だ。オードラン領にある森の緑と、大空の青なんて。


「ぼくが、しゅきなんら!」


 思わず、いい子だね〜と頭をナデナデしてしまった。


「ロロ! ぼくはちびっ子じゃないじょ!」

「あら! ふふふ」


 ちびっ子だからね。俺もエルもまだまだちびっ子だ。エルはこの素直なまま大人になってほしい。拗ねたりしないでね。

 そして大きくなったら一緒にエルフの国に行こう。楽しみだな〜。


「える、じゅっとしんゆうなのら」

「おー! あたりまえらじょ!」


 二人で手と手をパチンと叩き合う。そんな俺たちを、お祖母様が微笑みながら見ていた。

 だが、さすがお祖母様だ。厳しい一言を言った。


「エルはもっと魔法のお勉強をしなきゃいけないわ。ロロに置いてかれたくないでしょう?」

「え! まほうがれきないと、ろろとなかよくれきないのか!?」

「しょんなことないのら」

「ほら! おおばあば、ないって!」

「ふふふ。まだ分からないかしら。ロロと対等でいたいでしょう? てことよ」

「なんら? わかんねーじょ」

「ロロはできるけど、エルはできなくてもいいの?」

「えー! しょれはいやらじょ!」

「でしょう? ならお勉強しましょうね」

「うん、しゃーねー」


 こらこら、仕方ないとか言っては駄目だよ。


「えるも、しゅぐにれきるのら」

「おー、がんばるじょ!」


 何回もそう言ってる気がするから、念を押しておこう。


「える、まいにち、ぽかぽかぐるぐるなのら」

「まいにちか? ときろきは、らめか?」


 ほら、こんなことを言っている。


「まいにちらよ」

「わかったじょ」


 本当に分かってる? クリクリの可愛いお目々はどこを見ているのかな?


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


帰る準備を着々と進めています。

ロロとエルだと、ロロの方がお兄さんに思えるのは私だけでしょうか?(^◇^;)


ロロ④でまた新しい事実が発覚するかもです!

おっと、まだ言ってはいけない。

書き下ろし頑張りました。今回もいつも通りの鬼改稿の担当さんなのです。


月末にはハルちゃん③です!よろしくお願いいたします!

なのでハルちゃんの書影を!

今回は記念SSが書けないかも知れません。頑張りますが!

挿絵(By みてみん)

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