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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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453/486

453ー家族なのよ

 俺はサシェなんて、お祖母様に聞くまで知らなかったのに。


「奥様が作っておられましたからね」

「やっぱしょうなのら?」

「はい、皆さんの分を季節毎に作っておられましたよ。お上手でした」

「そうね。クロエは器用だったもの。ロロはそこに似たのね」


 そっか。母さまも作っていたのだ。刺繍も母さまは上手だったと聞いた。俺が似たのなら嬉しいなぁ。もしも生きていたら、一緒にできたかも知れない。一緒にチクチク、縫っていたかも。空から見たあのお邸で。

 お庭にあった四阿で、お邸の部屋で、母さまと一緒にみんなのサシェを縫っていたかも。それは今はもう、叶わないことなのだけど。

 お祖母様が俺の隣に座ってきて、そっと俺の手を取った。


「ロロ、一緒に縫いましょう。刺繍も一緒にしましょうね」

「おばあしゃま」

「他にも一緒にいろんなことをしましょう」


 お祖母様の気持ちが嬉しかった。とってもとっても嬉しかった。


「うん! おばあしゃま!」


 ちょっぴり涙が溜まりそうだったのだけど、嬉しくてお顔をほころばせてニカッと笑った。

 そんな良い雰囲気の中なのに。


「うえ~ん! ロロったらなんて健気なのよー! 私も一緒に縫うわ! ええ〜ん!」

「ロッテ、何言ってるの。あなたできないでしょう? そんなこと言ってないで、泣き止みなさい」

「そんなー! うえ~ん!」


 ふふふ、ロッテ姉は泣き虫さんなのを忘れてた。こんなところで泣き出しちゃうなんてね。泣くようなことはなにもないのに。


「よしッ! ロロ、私も一緒にするわッ!」


 おおーっと! 予想外のことが起こってしまった! リア姉が一緒にすると言い出した。どうした? リア姉が針を持っているのなんて見たことないぞぅ。


「リア、その気持ちは良いのだけど『よし!』て何ですか。あなた令嬢なのに、まずは言葉使いから教えなきゃ駄目かしら?」


 お、おふッ! お祖母様は手強い。いや、無敵だ。せっかくリア姉が一念発起したのに撃沈させてしまった。


「あらあら、リア様。一緒にやりましょうね」

「ぶふ、アハハハ!」


 レオ兄がとうとう堪え切れずに笑い出しちゃった。


「レオ兄、ここは笑ったら駄目だぞ」

「そうだぞ、レオ。ここは我慢だ……ぶふッ」

「テオ様も笑ってるじゃないですか」

「ジル、何言ってんだ。これはまだセーフだ」

「テオさん、アウトだぞ」

「ニコったら厳しいな!」

「アハハハ!」

 

 ふふふふ。とっても楽しい。俺がチクチク縫っているだけなのに、こんなに賑やかになっちゃった。

 いつもなら、マリーと二人で黙々と縫っているもの。見にくるといえば、ディーさんくらいだ。


「うれしいのら」

「ろろ、ろーした?」

「ふふふふ。らって、える。みんないるから」

「あらあら、そうですね。ロロ坊ちゃま」


 マリーと二人、お顔を見合わせて微笑む。マリーは分かってくれている。


「ロロー!」


 何故かロッテ姉が抱きついてきた。針を持っているから危ないでしょう! と、お祖母様に叱られている。


「だってぇ! ロロが健気なんですものー! みんなロロと一緒にいたいと思っているわ! ええーん!」


 また泣いている。でもロッテ姉、鋭いぞ。俺とマリーの会話だけで、いつもは二人だけだと気付いている。だからそう言ってくれたのだろう。

 リア姉は、分かるかな? ん?


「何よ、ロロ」


 あ、キョトンとしている。これは分かってないな。


「なんれもないのら〜」


 まあ、そんなところもリア姉らしくて俺は良いと思うよ。


「アハハハ! ロロったら!」

「れおにい、わらわないのら」

「だって面白くて!」

「エヘヘへ」

「まあ、リア姉はあんなもんだよ」

「ニコ、そうだね」

「なによーう! 私何も言ってないわよ?」

「姉上、いいんだ。ぶふふッ」


 レオ兄がまた吹き出しちゃったから、リア姉にバシバシと背中を叩かれている。

 レオ兄はほんの少しの間で、とっても明るくなったなぁ。肩の力が抜けたのかな? うん、良いことだ。

 こうしていると、俺たちは孤独じゃないと思える。家を出た時は、俺は今よりちびっ子で泣いてただけだったけど。レオ兄やリア姉は疎外感や孤独を感じていたかも知れない。

 頼れる人がいない。頼ろうとも思わない。自分たちだけで生きていくのだと、思っていたかも知れない。

 でも今はたくさんの人に気にかけてもらっている。相談もできる。

 こうして一緒に笑ってくれる人たちがいる。


「かじょくみたいなのら」

「ロロ、みたいじゃないのよ。私たちは家族なの。四人は私の大事な孫なのよ」


 あ……家族なのだ。みんなを見てみる。

 みんな優しい表情で俺を見ている。ロッテ姉はまだポロポロ涙を流しているけど。

 テオさんが遠いのにわざわざ探しにきてくれた。それが大きなきっかけになった。

 会ったこともない俺たちをよく探し出してくれた。


「ておしゃん、ありがと」

「おう」


 一言そう言ってニッコリしてくれる。

 そういえば、テオさんは俺の……


「ておしゃんは、おじしゃま?」

「おじさまって言うな! テオさんだ! ロロとは従兄弟だろう!」

「らって、ておにいは、おじしゃまらじょ」

「こらー! エルまでそんなこと言うな!」


 ふふふふと、エルと一緒に笑う。良いなぁ。こんなに温かい人たちが俺の家族なのだ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


お盆だからという訳ではないのですが、『家族』をロロに意識してほしくて書きました。


うちの家族のワンちゃんが、私の胸の上で爆睡してます(^◇^;)

PCが使えない!そして暑い!

昨夜は3時間くらいしか寝かせてもらえなかったので、この際だから一緒にお昼寝しちゃおうかな( ⌯ω⌯)⁾⁾ᐝ

ノベルも漫画も読みたいのがいっぱいあるのですが、今作っている初稿が終わるまで我慢です!今夜中に終わらせて送らないと!

なのに、お昼寝(´×ω×`)

明日は一つ公開できそうです。Xをご利用されている方は是非チェックしてみてください!

よろしくお願いします٩(๑˃ ᵕ ˂ )و


ロロ3巻もよろしくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ここで、茄子だの胡瓜だの出てきたら確実にそうだと気づいたのですが…あちらにお盆的なそれはないでしたかしらん?(なんかあったような?) とりあえず、笑いすぎなレオ兄の背中の運命は如何に? >明日は一…
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