450ー可愛いのがいい
お祖母様に教えてもらいながらお花やハーブを選んだ。でもね、乾燥させないといけないから、本格的なサシェ作りはそれからだ。だけどさ。
「おばあしゃま、ふくろにいれるの?」
「そうよ、小さなもので良いのよ。自分の好きな大きさとか好きな形の袋に入れると良いわね」
「しょれってちゅくれる?」
「ええ、自分で縫って作ることもできるし、購入することもできるわ」
「ちゅくるのら!」
「ふふふ、ロロは得意そうだわ」
「しゅきなのら」
「ろろ、しゅげーな。ぼくは、じぇんじぇんできねーじょ」
人それぞれなのだよ。エルは俺にはできない剣が好きじゃない。俺は剣は上達できそうにないもの。
「じゃあ乾燥している間に、袋を作りましょうか?」
「うん!」
「ねえ、ロロ。私のも作ってほしいわ」
「姉上ったら、自分で作らないの?」
「だってロロの方が上手ですもの」
「姉上、それってどうなの? ロロはまだ3歳だよ」
「いいのよ!」
ええー、いいのか? リア姉も練習してみたらできると思うよ。あ、でもなぁ。
「りあねえは、りょうりもむり」
「ロロ! 今お料理は関係ないじゃない!」
「アハハハ!」
あれれ、ついポロッと出ちゃった。いけないいけない。
「りあねえのも、ボクがちゅくるのら」
「お願いね!」
「うん」
みんなの分を作ろうかな? それとディさんのも。喜んでくれるかなぁ。
「みんなのぶん、ちゅくる」
「ロロ、そうなの?」
「うん、れおにいも、にこにいのぶんも」
「ろろ、ぼくもほしいじょ」
「うん、えるも」
「まあ! 私も欲しいわ」
「うん、ちゅくるのら」
ふふふ、そう言ってもらえると張り切っちゃうよね。久しぶりにチクチクお裁縫をしよう。
「あ、けろボクの、おどうぐばこ」
「ああ、ロロの裁縫道具を入れている箱のことかい?」
「うん、れおにい。もってきてないのら」
だからさ、針と糸がないぞ。
「何言ってるの。私のを使えば良いわよ」
「おばあしゃま、ありがと」
「もう、ロロったら可愛いわ!」
ふふふ、3歳児は結構何をしていても可愛いと言ってもらえるからお得だね。
「でもおばあしゃま、どんなのかみたいのら」
「私が持っているサシェを見せてあげましょうね」
うんうん、それをお手本にして作ろうかな? 猫ちゃんのお顔の形にしても可愛くないか? いや、俺ならピカさんにしなきゃ。吊るせるようにしたらクローゼットに吊るせるね。そうなると、色々考えてしまうぞ。
獣が嫌がる植物を使えば、獣避けになるのではないか? そんな植物があるのかな?
「にこにい、けものがきらいなのある?」
「おう、あるぞ。こっちだ」
ほうほう、あるのか。てか、ニコ兄は知っているのか。やっぱ植物のことならニコ兄だ。
「この辺りのハーブは香りが強いから、獣は嫌がるんだ」
「へえ~」
でも臭いのは駄目。良い香りじゃなきゃ。えっとぉ、ちょっと匂ってみよう。
「にこにい、いいかおりのがいい」
「おう、サシェにするんだもんな」
「しょうしょう」
「ここらへんだな」
おう、じゃあそれを入れたいな。できるのかな?
「おばあしゃま、これもいれたいのら」
「はいはい。ロロったら獣避けになるものって、リアとレオのことを考えているのね」
「らっていちゅも、もりにいくから」
「ロロー!」
久しぶりにリア姉が抱きついてきた。これは女神の時みたいに、ヒョイと避けたりできないな。仕方がない。でもリア姉、スリスリはやめてね。
「ロロ、ありがとう!」
「いいのら。あぶないのは、だめだめらから」
「そっか、そんなこともできるんだ。お祖母様、効果はあるんですか?」
「あら、レオ。あるわよ。うちの兵たちが森に入る時は、みんな腰にぶら下げていたりするわ」
「へえ、そうなんですね」
ほうほう、なら効果もバッチリだろう。腰に付けるのか。ならリア姉のは可愛く、レオ兄はかっこいいのを考えようかな? でもなぁ、俺って絵心はないのだ。壊滅的に。
「にこにい、え」
「え? なんだ?」
「にこにいは、えがかける?」
「ああ、絵か。俺は無理だぞ」
「ボクもむり」
どうしよっかな~。ふむふむ。
「ロロ、ユーリアだ」
「ゆーりあ?」
「おう。ユーリアはめっちゃ上手だぞ」
それは良いことを聞いた。ならユーリアにデザインしてもらおうっかな。リア姉のは可愛いおリボンもつけて。
「あら、何だか楽しそうだわ」
「おばあしゃま、おはなのかたちとか、ねこちゃんのかたちとか、おりぼんとか」
「サシェの形をそうするの?」
「しょうしょう」
「それは良いアイデアだわ。どうして今まで思いつかなかったのかしら」
どうせ使うのなら可愛いのが良いよね。ふむふむ。
「でも、ロロ。サシェはね、香りが弱くなったら中身を交換しなきゃいけないの」
ガビーン! そうなのか? なら交換しやすい物にしなきゃ。
「だからあまり凝った形だと実用性に欠けてしまうわ」
なるほろ〜。じゃあ単純な形が良いのか。だから袋形なのだね。
これは、ユーリアと要相談なのだ。
可愛くて、尚且つ交換する時に手間が掛からないように。
なのでニコ兄と一緒に、早速ユーリアに相談することにした。何故かエルも一緒なのだけど。
「らって、ぼくはろろのしんゆうらからな。いっしょにいるじょ」
ふふふ、何故か胸を張って自慢気なエル。可愛いぞぅ。
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宜しくお願いします。
9月発売のリリとハルですが、もう作業は一段落してましてあとは担当さんにお任せ状態です。
ハルちゃんのあとがきを考えないと!
ハルちゃんのカバーイラストは公開になりましたが、リリですね。
もう少しで書影が公式HPで公開になるのではないかと思ってます。
これはもしやあの人か?が登場してます。楽しみにしていただけると嬉しいです!
まだ言ったら駄目なことを言ってしまいそうなので、リリとハルはこの辺で(^◇^;)
ロロ④の準備が始まります。まずは私が初稿を作らないといけないのですが、いやぁ、最近眠くて( ⌯ω⌯)⁾⁾ᐝ
ワンちゃんを抱っこしたまま寝てしまうのです。
いかんです。頑張らないと!
新作も書きたいのです!
おっとその前に、発売記念SSです!リリはもうネタがないくらい書いてますからどうしましょう(꒪◊꒪ ; )
楽しみにしていただけると嬉しいです(^◇^;)
コミック①も発売中です!




