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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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447ーみんなで朝ごはん

 そんな俺たちを見ていたマリーが言った。


「あらあら、先に朝ご飯を食べましょうね」

「おー」

「おなかしゅいたのら」


 エルとマリーと一緒に食堂に入っていくと、お祖父さま、お祖母様と伯父様、それにエルの両親がいた。


「とうしゃま、かあしゃま」


 トコトコと走って行くエル。こんなところはとっても3歳らしい。

 そっか、両親がいたら俺もあんな感じなのかもなと思った。

 食堂に入ったところで突っ立ってしまった俺を伯父様が呼んだ。


「ロロ、伯父様と一緒に食べよう」

「あい」


 俺を隣に座りなさいと呼んでくれる。俺もエルみたいにトコトコと走って行くと、ヒョイと抱き上げて座らせてくれる。こんな感じって、ちょっぴりくすぐったく感じてしまう。

 いつもはレオ兄が俺を座らせてくれる。

 俺の両隣はレオ兄とニコ兄だ。それが今日は伯父様の隣で朝ご飯を食べる。いつもはニコ兄が拭いてくれるほっぺを、伯父様が優しく拭いてくれる。

 いつもはマリーの作った朝食だけど、ここではちゃんとしたシェフが作った料理だ。同じスクランブルエッグでもどこか違う。ふわっふわなのにとってもクリーミィーだ。


「おいしいのら」

「そうか、沢山食べなさい」

「あい」


 ちょっぴりくすぐったいのだけど、心がポカポカして嬉しい。父様と母様が生きていたらこんな感じなのかな? て思える。


「ふふふ」

「ロロ、どうした?」

「こころが、ぽかぽかしゅるのら」

「心がなのか?」

「しょうなのら。とうしゃまと、かあしゃまみたいなのら」

「ロロ……」


 お祖母様が泣きそうな表情をしているけど、俺は悲しいわけじゃない。嬉しいのだからそんな顔はしないでほしい。


「なんだ、ロロ。もう食べてたのか?」

「にこにい、うまうまなのら」

「アハハハ、ほっぺに卵がついてるぞ」


 ありゃ、いつの間についたのだろう。ニコ兄は何をしていたのかな?


「ニコったら本当に凄いのですよ。薬草の知識だけじゃなくてお野菜にも詳しいの」


 そう言いながら伯母様が入ってきた。

 きっと伯母様と裏にいたのだろう。ニコ兄は薬草もお野菜にも詳しいのだよ。だって畑の手伝いをしているし。


「えっちょぉ」

「ロロ、なんだ?」


 俺の隣に座りながらニコ兄がほっぺを拭いてくれる。ニコ兄の隣は伯母様だ。ニコ兄といつも一緒にいる。


「にこにいの、おててなのら。なんらっけ?」

「俺の手か?」

「しょう、でぃしゃんがいってた。えっちょぉ」

「ロロ、緑の手だろう?」


 レオ兄がやってきた。その後ろにはリア姉とロッテ姉、テオさんがいる。大きな食堂の席が埋まる。こんなに大人数で食べることなんてないから、朝からテンションが上がってしまうぞ。


「れおにい、しょうなのら!」


 フォークを持った手を上げてしまった。おっといけない、お行儀が悪い。


「ロロ、フォークを持っているだろう?」

「あい、ごめんなしゃい」


 やっぱレオ兄に言われちゃった。ちょっと落ち着こうと思ってジュースを飲む。コクリと飲んで気付いてしまった。


「まりー、このじゅーしゅ」

「はい、シゲ爺さんにいただいたぶどうジュースですよ」

「おいしいのら!」


 やっぱね、そうだと思った。とっても美味しいから覚えていたのだ。このジュースは絶品だ。よくこんなに美味しいジュースを作ったなと感動したからね。


「ぶろうじゅーしゅか?」

「しょうなのら。とってもおいしいのら」

「おう、ほんとうらな」


 エルもゴクゴク飲んでいる。濃厚なのに後味はスッキリとしている。そして芳醇なぶどうの風味が爽やかに残る。こんなに美味しいぶどうジュースは飲んだことがない。


「レオ、緑の手ってなにかしら?」


 そうだった、その話をしていたのだ。ぶどうジュースに気を取られてしまった。伯母様は知らないのかな?


「伯母様、前にディさんがニコを見て言っていたのです。植物を育てるのがとっても上手なんだと言ってました」

「まあ! そうなのね! あれかしら? ディさんも精霊眼を持っておられるのね?」

「ええ、そうです」


 あれれ? なんで精霊眼を知っているのかな?


「クリスティー先生もそうだわ」

「そうでしたね。エルフの方はみんな持っているのでしょうか?」

「そうではないみたいよ。ねえ、お義母様」

「ええ、そう言ってらしたわね。エルフの中でも精霊眼を持っている人は少ないって」


 へえ~、そうなんだ。そう思いながらモグモグと食べる。朝からいっぱい食べてしまうぞ。


「ろろ、おいしいな」

「うん、おいしいのら」


 エルもほっぺに卵がついているぞ。


「える、ちゅいてるのら」

「しょっか? ろろもらじょ」

「え、しょう?」


 さっきニコ兄に拭いてもらったばかりなのに。食べている間はエンドレスでつくのだから仕方がない。


「レオ、その緑の手って育てるのが上手なの?」

「えっと確か、ニコが手を入れるとよく育ったり美味しくなったりだったと思います。薬草なら効果が高くなったりだったかな?」

「まあ! 素晴らしいじゃない。あなたたち兄弟は本当に才能に溢れているわね!」


 お祖母様が褒めてくれた。でも俺はまだなんにもできないけどね。いつもみんなに守ってもらってる。ピカとチロにはお世話になっているからね。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


さて、ロロの③が発売になったばかりですが、リリの⑦が9/1に発売になります。

その書籍化作業に入る時に私が担当さんに言った言葉が『ええー!マジですかッ!?』です(^◇^;)

多分皆様もそう言われると思います。どのタイミングで公開できるのかまだ知らないのですが、喜んでいただけると嬉しいなぁ(⁎˃ᴗ˂⁎)

書影を楽しみにしていていただけると!

ロロはリリより長くなっているので、ロロも最後まで出せると嬉しいなぁと思います!

よろしくお願いします!(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


ロロ③皆様のおかげで好評発売中です!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
最近、出番が少ないと思っていたら、意味深な会話ががが 貴重な魔法使いばかりだからと、あちらの国が帰るなとか言い出さないよね?
いつもありがとうございます。みんなと朝ごはん。エルが両親の方に行く姿をロロが見てるのが悲しいでした。ロロが両親を思う心に涙が。。いつも顔を抜いてくれるニコにいもレオにいもリアねえもマリも大切にな家族で…
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