442ーエルと一緒に
そうそう、脱線してしまっていたけどエルにもプチゴーレムを作っても良いかな?
俺だけでは判断できないから、レオ兄とディさんを見る。
「そうだなぁ、ずっと仲良くできるかな?」
「おー、ぼくか?」
「うん、エルだ。プチゴーレムをロロに作ってもらったら、仲良くできるかな?」
「うん、あたりまえらじょ」
うんうん、エルならきっと仲良くしてくれると思う。一緒に庭を走り回っていそうだ。
「少しよろしいでしょうか?」
ここで意外にもウォルターさんが小さく手を挙げた。
「魔力を分けてあげると数百年も動くと、ディさんがおっしゃってました。エル坊ちゃま、ご自分が大きくなって学院に行かれた時はどうなさいますか? また、エル坊ちゃまよりずっと長生きなのです。ずっとずっと仲良くできますか?」
ウォルターさんが言っているのは、責任なのだろう。今の気分で可愛いからというだけでは駄目だと。
ちゃんと動くんだ。生きているんだ。だから自分がずっと責任をもって仲良くできるのかと、エルに覚悟みたいなことをさせようとしているのではないかな? と思った。
「えっちょぉ……ぼくより、ながくいきるってことらろ?」
「はい、そうなりますね」
「ぼくがおおきくなってから、ちゃんとかんがえるってらめか?」
「エル坊ちゃまが、大人になられてからですか?」
「うん、しょう。らって、ぼくがいるうちは、じぇったいになかよくしゅるじょ。けろ、むじゅかしいことは、わかんねー」
そりゃそうだ。だってまだ3歳なのだから。それでも十分な答えだと俺は思う。
欲しいというその場の気持ちだけで、ずっと仲良くすると言ってしまってもおかしくない。だってちびっ子だもの。
エルが言ったように、まだよく分からない。そんなに責任感だってないだろう? それが普通だ。でもエルはちゃんとそう言った。
大きくなってからちゃんと考えると。それで十分だと俺は思う。
「エル坊ちゃまが大人におなりになったら、ちゃんとプチゴーレムのことも考えてくださいね。約束です」
「おー、わかったじょ」
「飽きたからといって、放っておいたりしないでください」
「じぇったいに、しないじょ」
「ロロ坊ちゃまみたいに、ずっとお友達ですよ」
「うん、じゅっとら」
ふふふ、エルったらまだそんなに意味は分からないかも知れないけど、とにかくずっとお友達だと分かってくれたらそれで良いと思う。
真剣なお話をしていたのに、俺のお腹が可愛らしい音を立ててしまった。
ーーキュルルルル~
これは仕方がない。だってお腹は我慢してくれないし、場を選んだりしてくれないから。
「アハハハ! ロロったらお腹が空いたんだね」
「らってでぃしゃん、あしゃから、ぼうけんしたし」
「らな! おなかしゅいたじょ!」
あらあら、お昼にしましょうと、お祖母様が言って食堂へみんなで移動した。もちろんディさんも一緒だ。
「おばあしゃま、でぃしゃんはおやしゃいが、とくもりなのら」
「なあに? とくもりなの?」
「しょうなのら。いっぱいいっぱいたべるのら」
「まあ、そうなのね」
「アハハハ。ロロったら」
だってこれは言っておかないと。ディさんは特盛サラダをいつも食べるから。
俺が言っておいて良かった。ディさんの前に特盛サラダが出されている。それをいつものように、シャクシャクと食べるディさん。俺たちもお昼を食べて、それからエルと一緒にお昼寝をした。
いつもお昼寝するのは一人なのに、ここではエルが一緒だ。これってとっても嬉しい。俺一人だけ眠くなってお部屋に戻るのって、ちょっぴり残念だったから。
ベッドが大きいからエルと一緒に眠る。ベッド脇にはいつものようにピカが寝そべっている。
家族が多いとこんな感じなのだね。いつもマリーと二人でお留守番していた俺にとっては新鮮だ。ディさん一人が来るようになっただけでも、賑やかになったなぁ~って思っていたのに。
ここではもっとだ。しかも俺と同じ歳のエルがいる。
「ふふふ」
「ろろ、ろうしたんら?」
「らって、うれしいのら。えるといっしょに、おひるねなのら」
「おー、いっしょらじょ」
二人で丸くなってお顔を見合わせながら眠りにつく。ああ、こんなのも良いなぁと思った。
「ちょっぴりご無沙汰だったのです~!」
ああ、また女神の世界だ。相変わらず一面に咲いているお花の上を、容赦なく走って抱きついてくる。だから、お花が可愛そうだ。そう思いながら、もう慣れたものだ。俺は抱きついてくる女神をヒョイと避けた。
「ぶぶぶぶぶーッ!」
これも慣れたものだね。いや、慣れとかじゃなくて恒例になってしまっている。
どうした? 女神なのにそれで良いのか? 女神の威厳というものをもう少し考えよう。醸し出そう。
「ロロもエルも、やんちゃさんなのですぅ~」
「ああ、ぼうけんらね」
「そうなのです。ピンチだったのですッ!」
あんなところで魔鳥が出るなんてびっくりだったよね~。
「わふん」
「ピカちゃんも頑張ったですね!」
「くぅ~ん」
でもちゃんと守れなかったなんてピカが言う。そんなことない、守ってくれた。自分が怪我をしていたのに、それでも俺とエルの前に立って守ってくれていた。
「ぴか、しょんなことないのら。ありがと」
「わふん」
ピカの首に抱き着いて、ワシワシと撫でる。
「ディさんを呼べて良かったのです!」
「ほんとうらね」
そうそう、あの時俺はよく思い出した。
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宜しくお願いします。
暑いですね〜!動物病院に行くだけなのに、運転していると右手だけが焼けてしまいます(^◇^;)
楽天ブックス様やAmazon様でハルちゃんの3巻の予約が始まりました。書影は出てません。だってまだできていないのです(^◇^;)
これまで同時に複数作品の書籍化が動いていたので、なかなか大変でした。
一番大変なリリしゃまがまだなのですけど。
もう少し頑張ります(•̀ᴗ•́)و ̑̑
年内はあと、リリしゃま⑦、ロロ④、ハルちゃん③が発売予定になります。
よろしくお願いいたします(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)
ロロ①〜③発売中でっす!




