441ーチロもです
ちゃんと両手でコップを持ってりんごジュースを飲む。
コクコクと飲むと冷えたジュースがとっても美味しい。ルルンデの家だと、ジュースより果実水だから。
「ねえ、えるざ。おみじゅもある?」
「ありますよ。オレンジの果実水です。そっちの方が良いですか?」
「ううん、きいたらけ。おうちらと、いちゅもおみじゅらから」
「ふふふ、そうですね」
そんな俺たちを優しいお顔で見ているウォルターさん。
「うぉるたーしゃん、しゅわるのら」
「いえ、私は立っておりますよ」
「らって、しゃっきまで、いたいいたいらったのに」
「おや、もう治してもらったので大丈夫ですよ」
だけどさぁ、ウォルターさんはもうお年だしぃ。
「ロロ、大丈夫だよ。以前より元気になっているはずだからね」
「でぃしゃん、しょう?」
「でも、ウォルター。さっきまでベッドから出られなかったのだから座りなさい。無理をしちゃ駄目だわ」
お祖母様がそう声を掛けてくれた。そうなのだ、本当についさっきまでベッドにいたんだ。だからね、ちょっぴり心配だ。
「大奥様、ありがとうございます。ですが、本当にもう大丈夫なのです」
「ええ、大丈夫ですよ。多分、身体が軽いはずですよ」
「ディさん、そうなのですよ。何歳か若返った気がしますよ」
そう言って、ふふふと笑っている。それはそんな気がするだけじゃないのか?
長くベッドにいて、起きられるようになったから嬉しくてとか。
「ロロ、本当に元気になっているんだよ。チロの回復魔法はそうなんだ」
「へぇ~、しゅごいね~」
「本当だよね~、僕でもこんな回復魔法は使えないよ」
アハハハ、なんてディさんとにこやかに話していた。
「え!? ちょっと待ってください! ディさんが回復してくださったのじゃないのかしら?」
おっと、そうだった秘密だったのだ。
「ひみちゅなのら、でぃしゃん」
「そうだったね、秘密だ。アハハハ」
全く秘密になっていない。
「ロロ、どうしよう? 秘密になってないや」
「でぃしゃん、しかたないのら」
「そうだよね」
二人してうんうんと腕を組んで納得している。なかなか良いコンビネーションだろう? ディさんとは毎日一緒に遊んでいるから、阿吽の呼吸と言っても過言ではないのだ。
「ディさん、ロロ」
んん? レオ兄が呆れたようなお顔をしているけど。
「レオ、だって秘密なんだ」
「しょうしょう、ひみちゅなのら」
ディさんと二人で人差し指をプニッと唇にあてる。
「あー、ひみちゅらじょ」
それを見ていたエルも同じ仕草をした。俺たち三人、とっても良い感じではないか? エルとも息が合っている。
「もうディさん、秘密になっていませんよ」
「そうだよね~。ロロ、チロを出して」
「え、しょう?」
「うん、そうだよ」
ちょっと待ってね。チロはいつも眠っているから、と思ってポシェットの中を見ると小さなお目々と目が合った。なんだ、起きているじゃない。
「ちろ、れてきて」
「キュルン」
チョロチョロっと出てきて、俺の肩に乗ってきた。白く見えるけど、本当はあの女神と同じプラチナブロンドの鱗がキラキラしている小さなヘビさんのチロ。
そのチロにみんなが注目だ。ロッテ姉なんて、身を乗り出してガン見している。
「やだ! めっちゃ可愛い!」
あれ? ヘビさんなのだけど怖くないのかな?
「ろろの、おともらちなんらじょ」
「まあ! チロもロロなの!?」
「アハハハ!」
と笑っているのは、ディさんとレオ兄だ。この二人はよく笑う。レオ兄は最近本当によく笑うようになった。うんうん、良いことだね。
「ロロ、そのポーズはなに?」
「れおにい、いいことなのら」
短い腕を組んで、組めない足を無理矢理組もうとしている俺にレオ兄は聞いてきた。
だってちょっぴり渋い感じを出したかったのだ。全然渋くはなっていないのだけど。
「そうだよね~、良いことだよね~」
て、ディさん。分かっているのかな?
「だってレオは最近よく笑うようになったよ。変な力が入っていたのがなくなったもの、良いことだよ」
おや、ドンピシャだ。ディさんったら分かっていたのだね。
「ロロ、僕だって見ているからね」
「しょうなのら?」
ただ一緒に遊んで、お野菜を収穫しているだけじゃないらしい。
「ディさん、その小さなヘビが回復魔法を使えるのですか?」
信じられないといった表情でお祖父様が聞いてきた。
「あなた、ロロには神獣が付いているって聞いていたでしょう? それに帰って来る途中で魔鳥が襲撃してきた時にも、チロが防御力アップをみんなにかけてくれていたわ」
「そうなのか!? 神獣はピカのことだと思っていたのだ」
「もちろん、ピカも神獣ですよ」
「なんと! ロロに神獣が二体もですか!?」
「そうなんですよ。でもロロにとってはお友達なんです」
「しょうしょう、おともらち。ね、ちろ、ぴか」
「キュルン」
「わふん」
ほら、ロロはずっとお友達だよ~って言ってくれている。仲良しなのだ。
「ロロの能力は計り知れないな」
「お祖父さま、ロロは普通の子です」
「レオ、もちろんだわ。ロロは私たちの大事な孫ですもの、どこにもやらないわよ」
「お祖母様、ありがとうございます」
「おおばあば、らからぼくもおともらちがほしいんらじょ」
「エルとロロはもうお友達でしょう?」
「おおばあば、しょこじゃねー」
ふふふ、エルが突っ込んでいるよ。
お読みいただき有難うございます!
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宜しくお願いします。
昨日は凄い雨が降った地域もあったようです。雨柱を初めて見ました。
ロロの3巻ですが、皆様のおかげで初動売上が好調だったようです。そう、いつも私はスタートダッシュは良いみたいなのです。
お話もそうですよね〜。ツカミはオッケーみたいな(^◇^;)
関西人の血がそうさせているのでしょうか?
ご予約してくださっている方も多いようです。本当に有難いことでごじゃいます。
ありがとうございます(* ˙˘˙)♡感謝デス♬*゜
明日は投稿をお休みさせていただきます。
原稿チェック、頑張ります!(๑•̀ - •́)و✧
この、あらすじを見ると、きっとあなたも3巻を購入したくな〜る〜な〜る〜(っ◠﹏◠; )
担当さんが作ってくださった、あらすじです!完璧ですよね〜!




