439ー何度も説明してるからぁ
「少しロロと離れていると寂しくってさ」
「でぃしゃん!」
思わずディさんにパフンと抱きついた。といっても、俺はまだちびっ子だからディさんの足にだけど。そこからグイッと上を向いてディさんのお顔を見る。
やっぱ綺麗だなぁ。キラキラした髪を少しだけ編んで、俺が刺繍したおリボンで結んでいる。嬉しいなぁ。
「ボクもなのら。でぃしゃんがいないと、しゃびしいのら」
「ロロー!」
俺を呼びながら抱きしめてくれる。なんだかチープなお芝居みたいになってしまっている。でもディさんのこんなところも好きだ。
その時大きな声を上げた人がいた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってちょうだい! なんで!? なんで動いているの!?」
ここにもう一人いたのを忘れていた。ロッテさんもリーダーたちのことを知らなかったらしい。俺たちがここに来て何日か経ってから帰ってきたからだろうね。でももう何度も説明してるからぁ、察してくれると助かるのだけど。
俺たちと一緒に、とっても自然に当たり前のように部屋に入ってきたリーダーたちとプチゴーレム。まさか自分たちのことを言われているとは思っていないのだろう、マリーのそばにいってオヤツをねだっている。
「あらあら、ちょっとまってください」
プチゴーレムたちはなんでも食べるから良いのだけど、リーダーたちはお野菜に限られちゃうからこんなところには用意していない。
「お外に行きましょうか」
「ピヨ」
「キャン」
マリーに連れられて、ゾロゾロと部屋を出て行く。トコトコとマリーの後ろを歩くみんなを見ていると、とっても和む。フリフリとお尻を振りながら歩く後ろ姿が可愛いぞぅ。
「ふむふむ」
「ロロ、どうしたの?」
「かわいいのら」
「ふふふ、そうだね。あの子たちはどこへ行ってもマイペースだね」
「しょうなのら。げんきいっぱいなのら」
「え? え? みんな知ってたの?」
皆なにも言わずに見送っているから、それを見てロッテさんが不思議に思っているみたい。だってもうみんな慣れているもの。
「ろってねえ、ろろのおともらちらじょ」
「え? エル、ロロなの?」
「しょうらじょ。な、ろろ」
「しょうしょう、おともらちなのら」
「え? ええ?」
ずっとハテナマークが頭の上にピョコピョコと出ているロッテさんに、レオ兄が説明してくれた。初めての人に会うたびに説明しなきゃいけないから、俺はもうちょっぴり面倒になっちゃってる。
「フォリコッコって、あのフォリコッコなの!?」
「アハハハ、そうだよ」
「ちょっと、レオ。笑いごとじゃないわ! フォリコッコって捕まえられるものなの!?」
「おしゅわりなのら」
「え? ロロ、なあに?」
「お座りっていうと、フォリコッコが立ち止まって座るんだ。そこを捕まえるんだよ」
「ええー!? 嘘みたいー!」
そう言いながら、キャッキャと笑っている。一緒になってリア姉も笑ってる。もう仲良しだ。
「しかもゴーレムを作っちゃうなんて、そんなの想像できないわ!」
「でしょう? 初めて見た時は驚いたもの」
「そうよね、驚くわよね」
でもみんな毎日畑のパトロールをしてくれているから、とってもお役に立っているのだ。
「ぼくも、ほしいんらじょ」
「え? エル、欲しいの?」
「おー、ほしいじょ。ろろに、ちゅくってっていってんら」
そうだね、それをレオ兄に相談しようと思っていたんだ。
「れおにい、えるがぷちごーれむ、ほしいって」
「プチゴーレムなの? またロロが作るのかな?」
「しょうなのら」
「作れるのかい?」
「うん。らって、ちゅちにんぎょうらから」
「そっか、元は土人形だったね」
そうそう、だから土さえあればどこでも作れる。フリード爺にも作ったからエルも良いかな?
「でもロロ、あの子たちは長く生きるんだろう?」
「しょうしょう。ね、でぃしゃん」
「そうだね、魔力をもらえたら何百年と動いていられるよ」
「ひょーッ! しゅげーな!」
エルが大きな目をして驚いているのだけど。
「あ、ろろ。りんごじゅーしゅあるって」
「うん、のむのら」
あっさりとりんごジュースに気を取られてしまった。だってお喉が渇いちゃった。
「アハハハ、りんごジュースに負けちゃったよ」
「ディさん、本当に何百年もですか? じゃあ、イッチーたちも?」
「そうだよ、イッチーたちは僕が魔力をあげることになっているんだ」
前にそう相談したものね~と、ディさんと目くばせをする。手にはしっかりとりんごジュースを持っている。
「ロロ坊ちゃま、零しますよ」
「あ、えるざ。ごめん」
マリーがリーダーたちと一緒に出ていったから、エルザが代わりに俺とエルの世話をしてくれている。
エルザは普段はいつも一日中『うまいルルンデ』でお仕事をしているから、こんな時でないとずっと一緒にいることはない。とってもしっかりしたお姉さんだ。
とてもリア姉と1歳しか変わらないなんて思えない。リア姉より1歳上だから一緒に育ったそうだ。だから俺たちのことも、本当の弟のように面倒を見てくれる優しいお姉さんだ。
「クッキーもありますよ」
「たべるのら」
「ぼくも、たべるじょ」
「はいはい、ちゃんと座りましょうね」
「あい」
「おー」
ちょっと身を乗り出してしまっていたからだ。ちゃんと座らないと、ジュースも零してしまうと言われちゃった。
お読みいただき有難うございます!
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宜しくお願いします。
今日は七夕ですって。
何をお願いしますか?私はやっぱロロの重版でしょうか?(^◇^;)
欲を言えばキリがないのですけど。
こうして皆様に読んでいただけて、書籍を刊行できるのはとっても幸せなことでごじゃいましゅ(*・ω・)マス♪
七夕SSも考えればよかったかな?と思ったりして。ですが自分のデビュー記念日も忘れているくらいですので、イベントことには弱くって。
ご希望がありましたら、感想欄でお知らせくださると助かります。(*˙꒳˙*)✧︎*
毎日暑い日が続きますが負けずに頑張りましょう!
目指せ重版!!この↓あらすじを見ると、あなたもロロ③が欲しくなる〜な〜る〜(´>∀<`)ゝ




