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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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438/485

438ー元気になった

「ロロ坊ちゃま、前はどうあれ今は執事のウォルターさんですよ」

「まりー、しょうらね」

「これでレオ坊ちゃまにもお仕えできます」

「あらあら、それは良いことですね」

「ええ、マリー。またよろしくお願いしますよ」

「こちらこそです。良かったですね」


 元気になったウォルターさんは、こうしてはおられません。と言って早速着替えて一緒にお邸へ向かった。

 ベッドの中にいたウォルターさんはとってもお爺ちゃんだったのだけど、ちゃんと服を着て背筋を伸ばして立つウォルターさんは立派な執事さんだった。


「うぉるたーしゃん、かっちょいいのら」

「おう、じぇんじぇんちがうじょ」


 エルったら言葉が足りない。きっとベッドにいたウォルターさんとは、印象が違うと言いたいのだろうけど。


「みなさんびっくりなさいますよ」

「ふふふ、そうですか?」

「ええ、そうですよ。まだまだ治らないと思っていましたから」

「なんだか若返った気分ですよ。身体が軽いのです」

「チロの回復魔法で、悪いところは全部治っているはずだよ。顔色も随分良くなったね」

「有難いことです」


 俺たちと一緒にスタスタと歩いて行く。さっきまで立ち上がれないと言ってベッドにいた人とは思えない。チロったら凄いね。


「キュルン」

「ちろ、ありがと」

「キュル」


 ウォルターさんと一緒に外に出ると、どこからか賑やかな子たちが走ってきた。


「キャンキャン!」

「アンアン!」

「ピヨヨ!」


 リーダーたちとプチゴーレムだ。


「めっちゃはやいな」

「しょうなのら。まいにち、とっくんしてるのら」

「ひょぉー! とっくんなのか!?」


 あらあら、と言いながらマリーが笑っている隣でウォルターさんが、驚いて立ち止まってしまった。

 そうか、ウォルターさんはずっとベッドにいたから知らなかったのだね。紹介しておこう。


「しぇいれちゅーッ!」


 俺がそう言うと、みんな俺の前に並んだ。よしよし、お利口だね。


「うぉるたーしゃん、しょうかいしゅるのら」


 みんなを紹介したら、余計に驚かれてしまった。


「マリー、これは驚きました」

「あらあら、そうですか? ふふふ」


 ほら、マリーは笑ってるぞ。もう慣れっこになっているからね。大抵のことでは、マリーは驚かない。あの大きなクーちゃんの時だって、はいはい、飼いましょうって感じだったもの。


「ロロ坊ちゃまだけじゃなく、みなさんそれはもう素晴らしいのですよ」

「それは……旦那様と奥様の才能を受け継いでおられるのですな」

「ええ、ええ。それはもう」


 特にリア姉は父様に、レオ兄は母様にそっくりだとマリーが言った。


「見た目はご両親のどちらにも似ておられましたが」

「そうですか? ふふふ」


 マリーは嬉しいのだね。ウォルターさんが元気になって、またこうして話せて嬉しいのだと俺は思った。


「ろろ、やっぱぼくもほしいじょ」

「ぷちごーれむ?」

「うん」


 でもなぁ、ちゃんと仲良くしてくれるかな? エルならきっと仲良しになるだろうけど、でもエルよりきっと長生きすると思うから、一応レオ兄に相談だ。そう思ってディさんのお顔を見た。


「うん、そうだね。レオに相談する方がいいよ」

「うん、しょうしゅるのら」


 ディさんがここで反対しないのだから良いのだと思うけど。念のためだ。


「える、れおにいに、しょうだんしゅるのら」

「おー、わかったじょ」


 ウォルターさんがそっとリーダーたちに手を伸ばした。リーダーたちは普通に人に慣れているから、キョトンとしてジッとしている。そっと頭を指で撫でている。


「まさかフォリコッコの雛だとは……」

「でしょう? ロロがテイムしたんだ」

「レオ坊ちゃまでなく、ロロ坊ちゃまですか?」

「そうなんだよ。とっても楽しかったよね、ロロ」

「うん、でぃしゃん」


 ディさんも一緒に森に行ったものね。ディさんだって『お座り』と言ってテイムしていた。

 なんだかちょっぴり懐かしく思ってしまった。そんなに前のことじゃないのに。

 あの頃はまさか母様の実家に行くことになるなんて、夢にも思ってなかった。母様が隣国の公爵家のご令嬢だったなんてね。

 ウォルターさんも一緒にお邸に入っていくと、みんな驚いた。


「まあ! 治ったの!?」


 一番に声を掛けてきたのは、ウォルターさんの湿布のために毎日薬草を用意していた叔母様ローゼさんだ。


「はい、治していただきました」

「凄いわね! 良かったわ!」


 誰にとはウォルターさんは言っていないけど、みんな自然にディさんだと思ってくれる。だからこのまま黙って秘密なのだ。そんなことを考えていると、いつの間にか人差し指をお口にプニッと当てていた。

 それをレオ兄が見逃すはずがない。


「ロロ、もしかしてチロかな?」

「れおにい、ひみちゅなのら」

「うん、だからその手なんだね」

「しょうなのら」

「ろろ、しょのてをしゅると、わかるじょ」

「え、しょう?」

「しょうらじょ」


 あらあら、どうしよう? レオ兄、秘密なのだよ。


「秘密だね」


 レオ兄まで人差し指をお口の前に持ってきている。エルも俺の隣で同じ格好をしている。これって、秘密になっているのか?


「アハハハ、ロロったら相変わらずだね~」


 ディさんがそんなことを言って笑っている。相変わらずとは何だ? 俺はいつも通りだよ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日から通常の投稿に戻ります。

記念SSをもう一話書いていたのですが、終わりが見えなくなってしまったのでボツです( ߹ㅁ߹)


ロロの③は手に取っていただけたでしょうか?

色々発表したいこともあるのですが、まだ駄目みたいなのです。早く言いたい!

ですがロロは中心になるだろうと思います。最後まで刊行できるよう頑張ります。


毎日暑いですが、どうかくれぐれもお身体にはお気をつけくださいませませ〜⸜(*ˊᵕˋ*)⸝

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ひみちゅポーズでバレてるのら~w
トリプル「ひみちゅ」だー! 可愛い✕3!
なんかウォルターさんが十傑集走りしそうな雰囲気なんですが そしてぷちごーれむに兄弟が増える?いや、増やすのまずいような…レオの判決はいかに?! 「ギルティ!」 あ、はい
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