表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

432/486

432ー仲良し

 ロッテ姉はまた涙を流しながら、リア姉たちと握手をしていた。ニコ兄は俺と同じように泣きながら抱きつかれて、アタフタしていた。

 ニコ兄は俺がいるからいつもお兄さん扱いだ。こうして同じように抱きしめられて、ちびっ子扱いはあまりされなくなった。だから慣れていないのだ。ほっぺを赤くして恥ずかしがっている。


「ニコも偉いわ。ロロの良いお兄さんなのね」

「おう、当然だぞ。ロロは可愛い弟だからな」

「なんて健気なのかしら! 駄目! また泣いちゃうぅ!」


 とっても泣き虫さんでちょっぴりノリは軽いのだけど、それでも育ちの良さが滲み出ている。お嬢様らしい人だった。

 そしてやっぱ気になるよね。だってそこに座っているだけで目立っている。

 そう、ディさんだ。ニッコニコしながら、おすまし顔で座っているけど綺麗だもの。どうしても人目を引いてしまう。


「も、も、もしかして、ディディエ・サルトゥルスル様ですか?」

「そうだよ、君は初めましてだね」

「はい! まさかディディエ・サルトゥルスル様にお会いできるなんてッ!」


 ビュンとディさんの前に移動した。やっぱディさんは有名人らしい。


「アハハハ、ディで良いよ」

「ディさん! 私はロッテです! 感動です!」


 ディさんに握手を求めている。キラッキラしている眼からまた涙がポロリ。本当に涙もろい、もろすぎる。


「グスッ……ディさんがずっと助けてくださっていたのですか?」

「そんなことはないよ。みんな自分たちの力で生活していたんだ。僕が出会ったのは偶然なんだ」

「まあ!」


 ロッテ姉は場がパアーッと明るくなるような人だ。煩いわけではないけど賑やかだ。

 本人は泣いているのに周りにいる人を明るくするような、それでいて可憐な花のような、とっても女の子らしい令嬢だった。


「ロッテ、落ち着きなさい」

「だって、お祖父様。ディさんですよ! あの、ディさんですもの!」

「分かった分かった。ディさん、こんなお転婆な子で申し訳ない」

「アハハハ! 元気で良いよ」

「あら、私はお転婆じゃありません~」


 おやおや、泣いていたと思ったら、もうお花が咲いたみたいな笑顔になっている。 今度はほんのり桜色したほっぺをプクッと膨らませている。可愛いではないか。俺のほっぺの方がプクプクだけどね。


「レオ、ロッテはレオと同じ歳だ」

「そうなんですか?」

「そうなの! レオ、よろしくね!」

「はい」

「もう、はいなんて言わないでちょうだい。同じ歳なんだから」

「じゃあ、ロッテ。こちらこそよろしく」

「ええ!」


 おやおや、手を取り合っていたりなんかして。なんだかちょっぴり良い感じではないかな? ん? 恋が芽生えたりなんかして?


「むふふふ」

「やだ、ロロったら何考えてるの?」

「りあねえ、なんれもないのら」

「そう?」

「しょうなのら。れおにいと、ろってねえは、おにあいなのら」

「そんなことを考えてたの?」

「りあねえは、ゆーりしゃんと、なかよしなのら」

「あらあら、そうなの?」

「お祖母様! そんなことないです! もう、ロロったら」


 え? だって本当のことだもの。仲良しだったじゃないか。


「まいにち、ゆーりしゃんと、うちあいしてたのら」

「え、リアったら打ち合いなの?」

「アハハハ!」


 またディさんが笑ってる。俺ってそんなに可笑しいことを言ったかな?


「リア、私とも打ち合いしてほしいわ!」

「え? ロッテも剣を使うの?」

「当たり前じゃない! この領地で生まれ育ったのよ。剣が使えなくてどうするのよ」


 そっか、ここもフリード爺たちの領地と同じなのだ。領地の中に森がある。もちろんそこには獣や魔獣がいる。当然それを討伐する人たちがいる。


「ここも同じなのよ。同じように領地を守る兵がいるわ」

「お祖母様、ダンジョンもあるのですか?」

「ここにはダンジョンはないわ。レオはダンジョンにも潜っていたの?」

「はい。ルルンデの近くの森にはダンジョンがありますから」

「まあ! 私はまだダンジョンに行ったことがないのよ。話を聞かせてほしいわ」


 ロッテさんもやっぱりお転婆さんだ。リア姉とも気が合いそうだ。

 みんな仲良くできそうで良かった。


「あらあら、皆さまお茶のおかわりはいかがですか?」


 ここでもマリーの、お茶攻撃は健在だった。エルザとユーリアが手伝っている。


「まりー、ボクはじゅーしゅがいいのら」

「ぼくも!」

「はいはい、りんごジュースで良いですか?」

「うん」

「おー」


 すっかり親友になっちゃったエルは、お隣に座っている。ちびっ子の俺たちはソファーに座ると足が届かなくてプランプランさせたまんまだ。


「ニコもりんごジュースでいい?」

「おう、ユーリア。ありがとう」


 ふぅ~、一息つこう。ロッテさんが帰ってきたことで、俺たちの冒険のお話は忘れてもらえたみたいだし。


「なあ、ろろ。じゅーしゅのんらら、おしょとにいこう」

「うん、える」

「なにかな? ディさんも混ぜてほしいな」

「いいのら」

「おー、でぃしゃんならいいじょ」

「ありがとう!」


 ふふふ、とディさんが笑っている。やっぱディさんがいると安心する。

 毎日ディさんと遊んでいたから、いないと何か足らないような気がしてしまう。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


恋が芽生えそうな、そうでないような(*´艸`*)

7/13巻発売です!いつもの如く、色々加筆してます。是非、書籍を手に入れていただけると嬉しいでっす!

コミックの1巻も発売中です!

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
先生こんばんは。今回の更新も楽しかったです。ちびっこたちの~しょうらのら~舌足らずな言葉が可愛くて。むふふ。私もディさんがいないと不安です。恋の予感。。恋もいいけど四兄弟はまだ四兄弟だけで。笑。 次は…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ