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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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429ーおみやげ

「二人の行動力には驚かされる」

「あなた、きっとエルが誘ったのよ」

「ああ、確実にエルだろうな」

「いえ、フィンさん、ティーナさん、ロロも突拍子もないことをしますから」

「レオ、だがロロの方が冷静だ」

「そんなことないですよ。ロロはああ見えて、やんちゃなところがあるんです」

「あら、ふふふ。そうなのね」


 この兄弟はみんな良い子だ。ロロと親友だと話していたエルもきっと良い子なのだろう。ロロも同年代の友達ができて良かった。

 ちびっ子二人の行動力には驚かされたけど、それでも微笑ましいと僕は思う。


「ディさん、魔鳥の件は早急に調査しておきます」

「ええ、その方が良いですね」


 ルルンデのお祭りの時も引っ掛かったんだ。あのお祭りの夜に出てきたブラックウルフの群れだ。

 僕が結界を強化したすぐあとだったのに、魔法陣を使って結界を越えるなんてことをしてきた。そんなの普通じゃない。

 上位種のレッドウルフが後ろにいたこともひっかかる。レッドウルフがブラックウルフを従えるのは珍しいことじゃない。

 だけど、空中に現れたあの魔法陣だ。あれはどう考えても合点がいかない。

 そして、今回の魔鳥だ。一体何が起こっているのだろう? 僕も帰りにクリスティー先生と相談しておこうと考えていた。


「ディさん、クリスティー先生には」

「ええ、シュテファン様。僕が話しておきますよ」

「頼みます」


 もしも何かあるとしたら、ルルンデの街が一番危険だ。なにしろルルンデの街の近くにある森の中には、あのダンジョンがあるのだから。


「私たちはいつでも力を貸しますぞ」

「ブルクハルト様、ありがとうございます」


 この世界の主神である女神様の加護を授かったロロがいる。しかも、ルルンデにだ。

 今まで何百年も守ってきて初めてのことだ。それが今回のことに関係するのだろうか?

 何もなければ良いのだけど。黒い霧が胸の奥から侵食していくような嫌な感じがする。


「ディさん、イシュト様とクリスティー先生から聞きましたわ」


 ルイーゼ様が、さっきとは打って変わった真剣な表情で言った。

 レオたちの家のことだろう。辺境伯邸でクリスティー先生を交えて話したはずだ。


「まだ調査中なのですよ」

「何にしろ、この子たちは家族ですわ」

「ああ、そうだ。力になろう。リア、レオ、ニコも頼ってほしい」

「お祖父様、お祖母様、ありがとうございます」


 その話については、ロロがまだ不安定だ。だから少し時間が必要かも知れないと僕は思っている。きっとレオもそう思っているだろう。


「ロロがもう少し落ち着くまではと思っています」

「リア、みんなでこの家にくればよい」

「お祖父様、ロロはルルンデの家が好きなのです」

「泣いて家から出られなかったロロを、近所の人たちが可愛がってくれました。ディさんもいます。ロロをもう泣かせたくないんです」


 やはりリアとレオはロロのことを考えていた。

 この子たちは自分のことより、兄弟のことを優先して考える。リアもレオもまだ子供だというのに。

 それが健気で、大人は手を貸したくなるんだ。


「レオ……でもあなたは、まだ学ばなければならないわ」

「はい、分かってます」

「それでも、もう少し時間が欲しいのです」

「ロロが泣いてるのを見るのは嫌だぞ」

「リア、ニコ。レオだけじゃない。二人もまだまだ勉強が必要だろう」

「えー、俺もか?」


 ニコったら自分は関係ないと思っていたのかな? ニコだってまだまだ勉強が必要なのに。


「ニコ、当然じゃない」

「リア姉もだぞ」

「私はいいのよ」

「リア、よくないわよ。ここにいる間にマナーだけでも私が教えるわ」

「ええー、お祖母様」

「ええーじゃありません」


 お互いにずっと離れていて、ほんの数日前に初めて会ったとは思えない。みんな安心しているように見える。これなら心配ないな、と僕は思った。


「お祖父様、お祖母様、ディさんやフォーゲル子爵様が力を貸してくれてます。はっきりするまでは、ルルンデにいるつもりです」

「レオ、それで良いのか?」

「はい」

「ディさん、この子たちをよろしくお願いしますわ」

「ええ、もちろんですよ。僕もこの子たちが可愛いんです」


 そこに賑やかなロロとエルの声が聞こえてきた。



(ロロ視点に戻ります)



 お着換えをして応接室に行くと、みんな集まっていた。一家勢ぞろいだ。リア姉とニコ兄までいるじゃないか。あー、これは絶対に叱られちゃうぞ。


「ロロ! なんて危ないことをするの!」

「やっぱロロはじっとしていないと思ったんだよ」

「りあねえ、にこにい、ごめんなしゃい」


 部屋に入るなり、リア姉とニコ兄に責められちゃった。


「エルもだぞ」

「そうよ、どうせエルが誘ったのでしょう?」

「とうしゃま、かあしゃま、なんれわかるんら?」


 そこ? そこなの? それよりも、エルのせいにされてしまっているよ。それは良いのかな?


「ボクもいきたいっていったのら」

「ぼうけんらもんな!」

「ぼうけんなのら!」


 二人してハイタッチだ。もう息もぴったりだ。


「リア姉、懲りてねーぞ」

「ニコ、そうみたいだわね。ロロ、エル、分かってるの? 危なかったのよ!」

「あい、りあねえ」

「ごめんらじょ」


 しまった。ついハイタッチなんてしてしまった。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


やっぱり懲りていないちびっ子二人です(^◇^;)


明後日はとうとうロロのコミック①の発売です!

よろしければ是非に!!


明日は投稿をお休みさせていただきます!

よろしくお願いします。

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
しばらく二人には監視がついているんだろうな……まぁ、自業自得ということで さて、色々と裏では動いているみたいですね。ロロが三歳でいる縛りがある限りは表には出ないみたいですが、吉となるか凶となるか …
ハイタッチしちゃってまったくも~(笑)
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