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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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418/485

418ーお年だから

「私も一緒に行こう」

「おじしゃま、ありがと」


 ああ。と頷きながら、エルと俺の頭を順に撫でる。ちびっ子コンビは可愛いだろう? ふふふふ。

 お邸の中をピカに乗って伯父様に付いて行く。絵があった部屋を出てお邸からも出る。あれれ? このお邸にいないのかな?


「裏に使用人用の別棟があるんだ。邸の屋根裏に部屋を持つ者もいる」

「やねうら?」

「そうだ。屋根裏と言ってもちゃんとした部屋だぞ。常に邸にいる者がそこに部屋を持っている」


 へえ~、屋根裏ってネズミさんが出そうなイメージだけど、そうじゃないらしい。

 ちゃんと個室になっていて、ベッドと小さなクローゼットもあるそうだ。

 其々の従者さんやお祖母様たちの侍女さんは、自分が仕えている人の部屋のお隣に部屋を与えられている。屋根裏部屋には、そうじゃない人たちが寝泊まりしているそうだ。

 お邸の裏に向かう。裏に出ると、まだリア姉がお祖父様と打ち合いをしていた。いつまでするのだろう? まあ、俺はスルーだ。


「ロロ!」


 レオ兄が俺たちに気付いた。もしかしてまだ心配しているのかな? これくらい大丈夫だ、元気だぞ。


「れおにい、げんきなのら」

「アハハハ、平気そうだね。もしかしてウォルターに会いに行くのかな?」

「しょうなのら」

「レオ、私が付いていくから大丈夫だ」

「ぼくも、いっしょにいるじょ」


 ちょくちょく張り合ってくるエルくん。大人に交じりたいお年頃なのかな?


「ぼくはろろの、しんゆうらからな、とうじぇん(当然)ら」

「あれれ? える、しんぱいしてくれてるのら?」

「しょ、しょんなことないじょ」


 おやおや? まるでツンデレさんみたいな発言だ。もしかして、エルにまで心配を掛けちゃっていたのか? それは悪いことをしたなぁ。


「える、ぼくはらいじょぶらよ」

「わかってる。けろぼくは、しんゆうらからな」


 親友がお気に入りらしい。ちゃんと意味が分かっているのか怪しいけど。


「うん、ありがと」

「おう、あたりまえら」

「エル、ありがとう。僕も一緒に行くよ。伯父様、いいですか?」

「もちろんだ」


 レオ兄も一緒に行くことになった。ウォルターさんに会ったのは、リア姉とレオ兄だけなのかな?


「れおにい、にこにいもいっしょにあった?」

「そうだよ、みんなで会ったんだ。まだ身体が辛そうだったよ」

「しょうなのら?」

「うん、もうお年だからね。腰が痛いって言ってたよ」


 一体何歳なのだろう? マリーより年上だとは聞いていたけど。


「マリーより8歳上だって」

「へえー」


 て、マリーが何歳かも知らないぞ。


「マリーは60歳だよ。だからウォルターさんは68歳だ」


 なんだ、もっとお年かと思っていた。だけど、この世界で長距離の移動は大変だ。車や新幹線なんてない。馬車だからね。

 庶民が乗る馬車なんて、お祖母様と一緒に乗っていた馬車よりガタゴト揺れるし、座り心地も悪い。腰にきちゃったか。

 それにレーヴェント領から、隣国まで出ている乗り合い馬車なんてない。それは大変だっただろう。よくたどり着いてくれた。


「辺境伯領に入るところまで、なんとか馬車を乗り継いだり歩いたりで来たらしいんだ。元々はフリード爺かイシュト様に助けを求めようと思っていたらしいよ」


 ほうほう、そりゃそうだよね。だって父様も母様も、辺境伯家の人たちにはお世話になっていたのだし。それに隣国へ行くよりは国内のと思うだろう。

 だけど、辺境伯領に入ってすぐに旅の商人に会ったらしい。その商人が隣国に行くから、ならその方が良いかと考えて馬車に乗せてもらったそうだ。直接お祖父様に伝えられると。

 辺境伯領といっても広い。領地に入ったからといって、辺境伯邸までは遠い。そこまでまた一人で歩いて行くよりもと考えたのだろう。

 最終的にはここに知らせるのが目的だったのだし。


「たまたまこの街に向かう商人だったらしいよ。でも馬車に長く乗っていたことと、野営も多かったらしくて身体への負担が大きかったんだろうね」

「おとしらから」

「アハハハ、そうだね」


 だって、いつも元気なマリーでも長旅はキツそうだった。俺たちは街では必ず宿屋に泊まれたし、俺たち兄弟のことを考えてくれてゆっくりな旅程だったからまだ良かった。

 そうじゃなかったら、俺もきっと辛かったと思う。まだちびっ子のこの身体は、それほど体力がないのだ。


「到着した時は本当に弱っていたから、医者にも診てもらったんだ。今は、毎日ローゼが作っている薬湯を飲んでいるし、腰にも薬草を貼っている。だからゆっくり養生すれば元気になるさ」


 お医者様に診てもらったのなら安心だ。


「食事も美味しく食べているみたいだよ」

「ならいいのら」


 食べないと、どんどん身体は衰弱してしまう。食べられるのなら大丈夫だね。

 そんな無理をしてまで、知らせてくれたウォルターさん。どんな人なのかなぁ。


「れおにい、おぼえてないのら」

「そうだね、ロロはまだ2歳だったから。でも、ロロもウォルターに抱っこされたりしていたんだよ」

「しょうなのら?」

「みんなを可愛がってくれたよ」


 へえ~、リア姉やレオ兄が生まれる前から父様に仕えていたと聞いた。俺たちのお祖父様に助けてもらったからと。優しい人だったらいいなぁ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ラウなのですが、明日発売予定です。既に店頭に並べてくださっている書店様もあるようです。発売日なので、発売記念SSを投稿予定です!よろしければ、ぜひ!


ロロとリリのコミカライズが、『次にくるマンガ大賞2025』の対象になるみたいです。webマンガ部門に、ぜひ!エントリーしていただけると!

この手の大賞にはまったく縁がないのですが(^◇^;)

5作品選べるそうです。(よく分かっていない)

よろしくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
母親の肖像画を見る事が出来て良かったね!ロロ!! さっそく、次にくるマンガ大賞のWebマンガ部門に、リリとロロ作品投票して来ました! 1票でも力に慣れればと!更新されるのを楽しみにして読んでおります…
>>ウォルターさん あれれ、御登場はまた次回ですか。残念 まぁ、この時代の68歳だから、ぽっくり逝ってもおかしくはない年齢ですからゆっくりさせたいですね(出会ったら既に息絶えていた……なんてゾイド…
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