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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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415ー親友ら

 俺はレオ兄を呼んだ。


「れおにい!」

「ん? ロロ、どうしたの?」

「れおにい、えるがのれないって」

「ああ、乗せてあげよう。でもロロ、エルが乗るならピカにハーネスを着けよう」


 レオ兄がそう言うと、ピカさんがハイとハーネスを出した。いつでも着けられるように持っているのだよ。ピカにハーネスを着けながらレオ兄が言い聞かせる。


「ピカ、ゆっくりだよ。ロロは病み上がりだし、エルは初めてだからね」

「わふん」


 ピカもちゃんと分かっている。

 うん、ゆっくりお庭を周ってほしいな。俺はお庭に出るのが初めてだから、色々見てみたい。


「れおにい、ありがと!」

「エル、しっかり掴まっているんだよ」

「おう!」


 前にララちゃんと一緒に乗った時みたいに、俺の前にエルが乗っている。その後ろから、俺が手綱を持つと、ゆっくりとピカが立ち上がった。エルは初めてだから、気を使ってくれているのが分かる。


「ひょぉー! しゅげーな!」

「ふふふ」

「ろろは、いちゅものってるのか!?」

「しょうなのら。える、まえにある、ちゅな()をもって」

「おう!」


 ピカがゆっくりと歩き出す。畑の周囲を行き、牛舎や鶏舎のそばを過ぎて、建屋の並んでいるところを通り、またリア姉とお祖父様が打ち合いをしている鍛錬場に戻ってくる。

 いつも俺だけなら走ってくれるピカも、今日はのんびりと歩いている。揺れないように気を付けて。


「なんらか、ぼうけんに、でるみたいら!」

「ふふふ、ぼうけんなのら?」

「しょうらじょ、らってこんなの、はじめてら!」

「えるがもっとなれたら、はしってもらうのら」

「ひょぉー! はしるのか!? たのしみらな!」


 俺はエルの後ろにいるからお顔は見えない。それでもどんな表情をしているのか想像できる。エルはお利口で素直な良い子だ。仲良くなれたらいいな。


「ろろは、もうしんゆう(親友)らな!」

「えー、ほんとに?」

「しょうらじょ、らっていっしょに、ぴかにのったんら!」

「うん」


 親友だって、3歳でよくそんな言葉を知っていたよね。ふふふ。


「え、ろろはいやか?」

「いやじゃないのら。しんゆうなのら」

「らよなッ!」


 ちびっ子二人が大きなワンちゃんに乗って、お庭を行くとみんなが微笑ましく見てくる。まあ、可愛らしい。とか、元気になって良かったですね。とか声を掛けてくれる。

 エル坊ちゃま、嬉しそうですね。なんて言われていた。どんな顔をしているのか、見なくても分かる。ピカが歩く揺れに合わせて、楽しそうに身体も少し揺れている。

 二人でピカに乗って、お花が咲いているお庭をお散歩する。広いお庭だ。このお庭を母様も歩いたのかな? 父様は来たことがあったのかな? そんなことを考えていた。


「ろろの、かあしゃまな」


 突然エルがそう言うから驚いた。母様のことを考えていた時だったから、この子はなんて勘が良いんだと思った。それとも偶然なのか?


「おじいしゃまの、いもうと()なんらろ?」

「しょうらよ」

「しょれれ、きたんらよな?」

「うん」

「ろろのかあしゃまの、()をみたことがあるんら」

「ほんとに?」

「うん、みにいくか?」

「みたいのら」

「おう、いくじょ」


 絵なんてあるのか。さすが貴族だ。そんなものがあるなんて、思いもしなかった。ちょっとドキドキしてきちゃった。


「える、まって。りあねえたちも、いっしょにいきたいのら」

「りあねえたちは、しってるじょ」

「しょうなの?」

「おう。もう、みたんらじょ」


 なんだ、なんだ。俺だけめっちゃ出遅れてるじゃないか。みんなズルイぞぅ。教えてくれよぅ。


「ボクも、みるのら」

「おう。ぴか、なかにはいるじょ」

「わふん」


 ピカがエルの言ったとおりに、お邸の中に入って行く。ピカの首筋をパフパフしながら、お邸の中に入ると話している。ピカに乗って、嬉しいのだと伝わってくる。だって普通はいくら大きくても、ワンちゃんには乗らないもの。

 お邸に入ったところで、伯父様に会った。


「あー! おじいしゃまら」

「エル、もう一緒に乗っているのか」

「へへへ~、ろろとは、しんゆうなんら!」

「アハハハ! そうか、親友か。ロロ、エルはやんちゃだろう?」

「しょんなことないのら。とってもいいこなのら」

「そうか? ロロの方がお兄さんみたいだな」

「ええー、いっしょらじょ」

「うん、いっしょなのら」


 伯父様が柔らかく微笑んでいる。そのお顔を見るだけで、エルがとても可愛がられているのが分かる。孫だものね。孫は目に入れても痛くないとかいうもの。


「どこに行くんだ?」

「ろろの、かあしゃまのえを、みにいくんらじょ」


 伯父様が俺を見る。良いのか? と、聞かれているみたいだった。ほんの少しの心配が混じっている。だって、伯父様の眉が少しだけ下がっていたから。


「ボクが、みたいのら」

「そうか。なら私も一緒に行こう」


 やはり伯父様は心配してくれているのだろう。でも俺は覚えてないから、色んなことを知りたい。母様だけじゃなく、父様のこともそうだ。

 それに、もう魔道具で両親の姿を見ている。だからね、大丈夫だよ。


「ロロたちが生まれる前のクロエだ。この家を出る前に描いてもらったものだよ」

「しょうなの?」

「ああ、思い出になるかと思って両親が絵師に頼んだんだ」


 そりゃ、隣国にお嫁に行ってしまえば次はいつ会えるか分からない。その上、皇子殿下との婚約を辞退したのだろう? そんなの、もう帰って来られないと母様が覚悟していても不思議じゃない。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


遅くなりました。投稿は明日にしようかと考えていたのですが、やっぱ今日投稿しておきます!

今日、コミックアース・スター様のサイトで更新されています。よろしければ、ぜひ!

ディさんが綺麗で!ロロが回を重ねるごとに可愛さが爆上がりしてます!


挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
>>ピカ この体験がやがて空間降下騎兵になって宇宙から弾道降下(まってちがう) >>母親 画伯(ネット用語の方)に描いて貰ったのではないですよね? もし単行本になったら絵が付きますですかね? …
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