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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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413/485

413ー復活

 ピカとチロが、まだ心配そうに見ている。


「わふ」

「キュルン」


 アハハハ、ピカさんったらチロに、ロロは病み上がりだから僕の背中に乗ると良いのに。なんて言っている。

 でもチロが、ロロがいい。と、言い返している。

 チロが肩に乗って負担になるほどじゃない。ほとんど重さなんて感じないのだもの。聖獣だからなのかな? 分からないのだけど。


「ロロ坊ちゃま、もう元気ですね」

「うん、まりー」


 マリーとお手々を繋いで玄関からお庭に出る。久しぶりのお外だからとっても眩しく感じる。

 良いお天気だ。庭のお花や葉っぱがピカピカ光って見える。柔らかい日差しで、ふんわりとした雲がゆっくりと流れる青空。そよそよと俺の短い前髪を撫でていく風。久しぶりのお外の空気を胸いっぱいに吸い込む。


「ふゅ~……ふわ~」

「あらあら、どうしました?」

「おしょとは、ひしゃしぶりなのら」

「ふふふ、そうですね」


 何度かゆっくりと深呼吸をして、お庭を見渡す。母様の育った家だ。この庭を母様もお散歩したのかな?

 あれれ? せっかく長閑な良い感じだったのに、どこからか声が聞こえるぞ?


「まだまだー!」

「ワッハッハッハ! リアなどには負けんぞ!」


 カーンと木剣がぶつかる音がする。


「あぁー、りあねえら」

「そうですよ。毎日大旦那様と打ち合いをなさっているんです」

「え、まいにち?」

「はい、辺境伯様のお邸にいた時は毎日フリード様となさっていましたから」

「ああー……」


 だってあそこはみんな体育会系だから。朝の鍛錬なんて、最初はとってもびっくりした。どうしてメイドさんまで、張り切って参加しているんだ? て、思ったもの。


「レオ坊ちゃまも一緒におられますよ。見に行きますか?」

「うん」


 お花が沢山綺麗に咲いているお庭の横を通り、裏の方へと歩いて行く。

 お邸の裏側には、幾つかの建屋が並んでいる。その反対側には温室かな? 畑や鶏舎、牛舎もある。その奥に広い鍛錬場があった。辺境伯邸と同じようにここでも鍛錬ができるようになっている。

 そこに、レオ兄とテオさん、ジルさんがいた。リア姉とお祖父様の打ち合いを見ている。俺に気付いて手を振ってくれる。


「ロロ、出てきたのか? 大丈夫かな?」

「うん、れおにい。もうげんきなのら」

「そう、良かったよ」


 リア姉は果敢にお祖父様に打っていくけど、片手であしらわれている。お祖父様は全く本気じゃない。リア姉、どうした?


「れおにい、じぇんじぇんなのら」

「ん? 姉上かな?」

「しょうなのら」

「ほら、足元を見てごらん。円が描いてあるだろう? あの円から出たら駄目ってルールで打ち合っているんだ」


 ほうほう、だからそれを気にしちゃって、本当の力を出せてないってことなのかな?


「姉上が気にしすぎているんだよ。何度やっても駄目なんだ」

「あらら」


 足元ばかり気にしているのだね。そんなリア姉とお祖父様の打ち合いを見ていると、ニコ兄がどこからかやってきた。


「ロロ! 外に出て大丈夫なのか?」

「にこにい、らいじょぶなのら」

「ロロちゃん、無理しちゃ駄目よ」


 俺を『ロロちゃん』と呼んでいるのは、母様のお兄さんの奥さんでローゼリンデ・オードランさんだ。

 一見おっとりさんに見えるけど、実はそうじゃないとテオさんたちが話していた人だ。俺たちの伯母様に当たるけど、ローゼさんと呼んでいる。

 ローゼさんもニコ兄と一緒に俺の部屋にきてくれていた。二人で薬草の話で盛り上がっている。ローゼさんはニコ兄の知識に驚いていた。


「まだ9歳なのに、凄いわ! 誰に教わったの?」

「自分で勉強したんだ。でも、毎日ドルフ爺と話しているからな。それが役に立っているんだ」

「まあ! あのドルフ氏かしら!?」


 ここでもドルフ爺は有名人だった。と、いうかドルフ爺の家系がみんな有名人なんだ。薬草だけじゃなくて、野菜や果物の研究者としても有名らしい。そんな一族の人とは思いもしない。だってドルフ爺だもの。毎日鉈で、マンドラゴラをぶっ叩いているドルフ爺だから。

 それに、ニコ兄が育てたお野菜をディさんに褒められたと聞いて、ローゼさんはとっても羨ましがっていた。


「凄いわね! ドルフ氏だけじゃなくてあのディさんまで! でも私もクリスティー先生に師事しているのよ!」


 と、何故かここで対抗してきた。ディさんやクリスティー先生も超有名人だった。

 俺たちの周りには、とんでもな人がいっぱいだ。偶然の縁だったのだけど、まるで父様と母様が繋いでくれたみたいに感じてしまう。


「にこにい、なにしてたのら?」

「ローゼさんと温室にいたんだ」

「ね~、ニコちゃんは話が合うからとっても楽しいのよ」


 だが、これで終わりだと思ってはいけない。ローゼさんは魔法もお得意だ。

 ニコ兄とリア姉はディさんに、もっと魔法操作を頑張るほうが良いよと言われていた。それを見抜いてしまったローゼさん。


「でもニコちゃんは魔法操作がまだまだだわ。勿体ないわね」

「分かってる! 頑張るぞ」

「ふふふ、そうね」


 ここでも同じことを言われてしまっている。ローゼさんはテオさんたちに幼い頃から魔法を教えていた人だ。しかも厳しいとエルも話していた。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


遅くなりました!申し訳ありません!

ロロが復活しましたよ。これから何があるのでしょうね〜(^◇^;)

エルくんと仲良くしてほしいです。

ロロ①②発売中でっす!この連休のお供にいかがでしょう(๑˃̵ᴗ˂̵)/

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
>>ピカチロ ピカはちょいと過保護し過ぎですかな?……ま、おかげで色々助かってきましたけど >>朝から 辺境伯の家を体育会系としちゃうのは……まぁ日本人&子供思考なら一番近い例が、自衛隊みたいなもん…
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