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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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409ーとうしゃまとかあしゃまら

 欲しそうなお顔をしているけど、欲しいと口に出さないところがお利口だと思うのだ。ちびっ子なのに、これは自分のじゃないとちゃんと分かって我慢している。な、お利口だろう?


「エル坊ちゃまの分もありますよ」

「ほんちょか!?」

「はい。きっとエル坊ちゃまもいらっしゃるだろうからと、大奥様からいただいてますよ」

「やった!」


 小さな手をマリーに出した。エルの小さな手のひらに、一つコロンと置かれた丸い飴玉。両手の上に載せて眼の高さに持っていって、同じような色味のキラキラした眼で見ている。もしかして、滅多に食べられないのかな?


「いちゅものおやちゅより、とくべちゅなんら。らって、おくしゅりのんらあとしか、もらえないから」

「ふふふ、しょうなんら」

「あらあら、そうなんですか。良かったですね」

「うん! ろろ、たべよ!」

「うん」


 お口に入れて、コロコロと転がして味わう。甘くて蜂蜜味の飴玉だ。色的に、蜂蜜も入っているのだろう。


「ろろのほっぺが、ぷくぷくら」

「えるもら」

「アハハハ」

「ふふふ」


 伯父様がやんちゃだと話していたけど、想像していたよりずっとしっかりとしている。ちゃんと考える力もあるし我慢もできる。まだちびっ子なのだから、なにも考えないで喋っていてもおかしくない。

 でもこの子は違う。まだ3歳なのに、ちゃんと教育を受けている。考える力が身についている。

 エルは次の日もやってきた。そしてきっと、エルが来たのが切っ掛けになったのだろう。次々とお邸の人が顔を見せてくれた。


「ぼくの、とおしゃまと、かあしゃまら」

「ろろれしゅ」


 エルに紹介されて、まだベッドの中だけどペコリとした。


「私は君たちの従兄にあたる。テオの兄だよ」

「えっちょ、おじしゃま?」

「いや、それはやめてくれ。私はフィンハインという。フィンで良いよ」

「フィンしゃん」


 アッシュシルバーの短髪にオレンジ色の瞳だ。フィンさんが一番お祖父様に雰囲気が似ているかも。ガタイもマッチョ気味だし。


「ふふふ、可愛いわね~。エルが邪魔をしてないかしら?」


 その奥さんの、ベッティーナさん。栗色の長い髪を片側にもってきて緩く編んでいる。オリーブ色の優しそうな瞳をした人だ。


「私はティーナと呼んでちょうだいね。元気になって良かったわ」

「あい、てぃーなしゃん」

「ろろは、ともらちなんら!」

「もう友達になったのか?」

「しょうら。な、なかよしらよな!」

「うん」

「エル、大人しくしているんだぞ」

「ロロちゃんもまだ横になっている方が良いわ」


 エルは俺のベッドに上がってきて、一緒にご本を開いた。

 そこにテオさんとジルさんが、リア姉やレオ兄と一緒にやってきた。


「なんだ、兄上。来ていたのですか?」

「テオもか」

「はい、ロロが気になって」

「おや、ロロ。ほっぺがいつもよりぷくぷくですね」

「じるしゃん、しょうなのら」

「アハハハ、本当だ」


 テオさん、笑い事じゃないのだ。地味に痛いのだよ。食べる時にお口を動かすのも痛い。


「ロロ、ジュースをもらってきたよ」

「れおにい、のむのら」

「エルも飲む?」

「おう、りあねえ」


 え、もうリア姉なんて呼んでるのか? 俺が寝込んでいる間に、楽しいことをしていたら悔しいぞ。

 レオ兄にもらったりんごジュースをゴクゴクと飲む。飲みやすい程度に冷えていて、美味しくて一気に飲んじゃった。


「れおにい、もうないのら」

「ロロ、一気に飲んだら駄目じゃないか」

「らって、おいしいのら」

「冷えているから飲みやすいのね。もうお熱はないのかしら?」

「はい、もうありませんよ」


 ずっと付いていてくれているマリーが答える。もう俺は大丈夫なのだけど、まだベッドから出られない。お熱が高かったから安静にと言われてしまう。


「はやくおしょとれ、あしょべたらいいのにな」

「うん、もうらいじょぶなのら」

「らめらじょ。ぼくもおねつがでたときは、がまんしてねてたんら」

「しょう?」

「しょうらじょ」


 みんなが俺とエルを見ている。微笑ましいお顔をして、ちょっぴり生温かく感じるのは気のせいかな?


「あれ? にこにいは?」

「ニコは伯母様と一緒だよ」

「おばしゃま?」

「ああ、私の母だ。薬草を育てているからニコと話があったんだよ」


 へえ~、そんなにみんな仲良くなっちゃったのか? 俺はまだベッドの中だというのに。

 もうお熱も下がったし、動いても良いんじゃないか? とっても暇だし。


「ろろ、らめらじょ。まら、ほっぺがぷくぷくらからな」

「え、しょう?」

「しょうらじょ」

「ふふふ、エルったらお兄さんぶっちゃって」

「かあしゃま、ちがうじょ。ともらちら」

「そうか、友達になれて良かったな」

「うん、とうしゃま!」


 ニコ兄と話が合ったという伯母様は、ローゼリンデ・オードランという。金髪にオレンジ色の瞳でおっとりとしたように見える人らしい。

 元々薬草に詳しくて魔法にも秀でているから、この家の薬草や薬湯担当になってしまっているのだとか。

 薬草を育てているだけあって、クリスティー先生を崇拝しているらしい。年に1度は必ずクリスティー先生に会いに行くのだとか。クリスティー先生は薬草や魔法に詳しいものね。


「遠いからといつも父が止めるのだけど、聞かないんだ」


 ええー、お転婆さんなのかな?


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


書泉様にて開催「2025年女性向け異世界フェア」にロロ①で参加させていただいてます!

サイン本と色紙を書きました!詳しくは書泉様のHPで。

挿絵(By みてみん)

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四人兄弟から始まって 大勢の友人親戚仲間が増えて ロロさんの孤独も癒えていってるようで安心です ロロさんはpotg様のイラストもあって絵本のイメージで拝読しています 老若男女向け異世界フェアがあっ…
撫羽さ〜ん ロロ、早く治ってベッドから出れると良いね〜 兄に達が、新しい人達と仲良くなっているのが羨ましくなってしまったのかしら? 大丈夫ロロには可愛い友達仲間が、出来たから元気になったらピカや皆で遊…
やたらと口達者……まさかこの子も実は転せ(ry それはさておき、いつの間にか……みたいな話になってますので、またロロの病気が一段落したら舞台裏が展開されますように あと、この小説が女性向けだな…
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