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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

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408ーちびっ子

「ぴか、ひまなのら」

「わふん」


 僕をナデナデしていいよ、なんて言う。ピカさんをナデナデしてもね。

 そんな感じで数日ベッドの中にいた。いつも誰かが俺のそばにいたのだけど、たまたま誰もいない時に部屋のドアが遠慮気味に少しだけそっと開いた。

 なんだ? 誰だ? と、思って見ていると、ちびっ子がひょっこりとお顔を出した。お顔の半分だけ出して、部屋の中の様子を見ている。誰もいないと分かったのだろう。今度はトコトコと部屋の中に入ってきた。両手でご本を抱えて持っている。


「ろろらろ?」

「うん、しょうなのら」

「ぼく、えるら」

「えっちょぉ、おじしゃまのころものころも?」

「なんら? わかんないじょ」

「えっちょ、しゅてふぁんおじしゃまが、えるのおじいしゃま?」

「しょうら」


 おいおい、どうする? お互い言葉が辿々しいじゃないか。これって会話ができるのか? ちょっと不安だぞ。

 エルだといったちびっ子、フワフワとした栗色の髪が柔らかそうで、オレンジ色の瞳をしている。ちょっぴりやんちゃそうに見えるのは気のせいかな? でもそのクリクリとした眼が、好奇心旺盛だと物語っているみたいだ。


「そばにきたら、らめらよ。うちゅっちゃうのら」

「らいじょぶらじょ。ぼくもぷくぷくで、いたいいたいなったんら」

「しょうなの?」

「うん。らから、いっしょにあしょんでやるよ」

「え……」

「らって、ひまらろ?」

「うん」

「しょうおもってな、ごほんもってきたんら」


 ふふふ、同年代ってこんな感じなのだね。ララちゃんとはまた違った感じで可愛い。遊んでやると言いながら、ベッドのそばにお座りしていたピカさんに目は釘付けだ。


「めっちゃ、おっきいわんちゃんらな!」

「ぴかっていうのら」

「ぴか? ぴか、ぼくはえるら」

「わふ」


 よろしくだって。ピカさんも仲良くしてね。


「しゃわっても、らいじょぶか?」

「うん、らいじょぶ。ぴかは、おりこうしゃんらから」


 ほら、こうして撫でてあげてと、ピカの首筋をワシワシと撫でてみせる。パアーッと顔を輝かせて、迷いもせずにピカを小さな手で大胆にワシワシと撫でている。そのうちパフンとピカの首に抱き着いた。


「わふ」

「しゅげーな! こんなおっきいわんちゃん、はじめてら!」

「いちゅもぴかにのって、おしゃんぽしゅるのら」

「ひょぉー! のるのか!?」


 まん丸なお目々をより大きくして驚いている。お手々をほっぺに添えてるのは、驚いているという表現なのかな? 小さな両手を、ほんのりピンク色したほっぺに添えているその仕草がとても可愛らしい。

 俺が身体を起こしているベッドに身を乗り出してきた。


「はやくげんきに、なんなきゃな!」

「うん」

「いっしょにあしょぼうな!」

「ありがと」

「ぼくも、ぴかにのれるかな?」

「うん、いっしょにのるのら」

「いっしょにか!? しゅげーな!」


 とうとうヨイショとベッドに上ってきた。ポイポイと靴を脱ぎ捨てて、俺の側までくる。


「ろろは、いいやちゅらな!」

「ありがと。えるもら」

「おう。もう、ともらちら」

「うん、おともらち」


 ふふふ、3歳児ってこんな感じなのだな。俺も3歳児だけど。3歳の男の子と、関わることってなかったから新鮮だ。

 自分をエルだといった伯父様の孫の、エルネスト・オードラン。俺と同い年の3歳だ。到着した時に伯父様が、やんちゃだと話していた男の子。確かに俺よりやんちゃそうだ。俺はお利口さんな3歳児だからね。

 そのエルが持ってきたご本を二人で読んでいた。やんちゃそうだけど、エルはお利口さんだった。まだ3歳なのに、ちゃんと文字が読める。


「あらあら、エル坊ちゃま。駄目ですよ。うつっちゃいます」

「まりー、へいきら。ぼくもなったから」

「あら、そうなのですか?」


 部屋に戻ってきたマリーが、エル坊ちゃまと呼んだ。エルも、もう慣れた感じでマリーと呼んでいる。いつの間に? 俺はずっと眠っていたからなぁ。出遅れちゃったな。


「ろろと、ともらちになったんら」

「しょうなのら」

「まあまあ、それはよろしいですね」


 マリーがお薬を持っているのに気付いたエルが、自分が飲むのではないのにとっても嫌そうなお顔をした。もうお口の中が苦くなっているみたいなお顔をしている。


「しょれ、めっちゃにがいんら」

「あらあら、でもお薬は飲みませんとね」

「しょうらけろ。ぼくもおねちゅがれたときに、がまんしてのんらんら」

「まあまあ、お利口ですね」

「あたりまえら」


 ふふふん、と自慢そうな表情をしている。この子は表情が豊かだ。コロコロと変わる表情がちびっ子らしい。


「ろろはにがくないのか?」

「にがいのら」

「な、にがいよな」

「ロロ坊ちゃま、お薬は飲まないといけませんよ」

「うん、のむのら」


 苦いのだけど、青臭さがないだけまだマシだ。俺は一気にお薬を飲む。


「はいはい、大奥様からお口直しを預かってますよ」


 マリーが言ったお祖母様からの口直し。なんとまん丸の飴玉だった。ゴールド色しているけど透明でキラキラと光ってみえる。この世界で初めて見る飴玉だ。


「あー! あまいんら! ぼくも、おくしゅりのんらあとにもらったじょ!」


 俺よりエルの方が食いついた。自分も欲しいな~と眼で訴えている。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロのお友達、エルくんです。またまた読み難いと思いますが、頑張って読んでいただきたいのです!

①②発売中です!よろしくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
>>口調 あー、通訳を同時に書いてある話もありますからね さくさく読みたい人はあった方がいいのはたしかですが、当方は特には不要ですのでしてー >>同い年 大人ばかりの世界だとこういうのはほっこり…
全然読めるから大丈夫ですよ‼️何だかほっこりします(笑)2人のお喋りに癒されます(。◠‿◠。)♡
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