表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第7章 お祖父様のお邸に行ったのら

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

405/485

405ー心配かけちゃった

(お祖母様視点です)



 慌てて指示をしている私とは正反対で、レオは冷静だったわ。


「お祖母様、僕はロロと一緒にいます」

「でも、レオ。ロロはお熱があるから……」

「いえ、それでもいつも一緒なんです。もし夜中に目が覚めて、誰もそばにいなかったら心細いでしょうから」

「レオ坊ちゃま、私もついていますよ」

「レオ、マリー、私も一緒にいるわ」

「お祖母様、大丈夫です。僕とマリーが付いています」

「いいえ、私も一緒にいるわ」


 そんなの心配で離れられないわ。あんなに元気そうだったのに。大人の私が気付かなかったなんて。まだロロはちびっ子だから、無理をさせちゃったのじゃないかしら。大人でも馬車での長旅は辛いもの。

 ロロは私達に遠慮して、辛いと言えなかったのじゃないかしら? ああ、どうしましょう。


「大奥様、私が付いております。ですから……」

「いいえ、マリー。私も一緒にいさせてちょうだい。心配だわ。私はずっと一緒の馬車だったのに気付かなくて」

「そんなことはありません、お祖母様」

「でも、ロロに無理をさせちゃったのだわ」

「大丈夫ですよ。ロロは強い子です。大丈夫です」


 レオは父親代わりなのね。冷静で懐が深い。みんなのフォロー役なのだわ。でもレオだってまだ15歳なのだもの。長男だからと我慢していたりしないかしら。

 私も落ち着かなきゃ。ふぅ~ッと息を吐いて、気持ちを切り替える。


「お祖母様、大丈夫だぞ」

「ええ、お祖母様だってお疲れなのですから」

「ニコ、リア、ありがとう。でも私もロロのそばにいたいのよ」


 この子達はみんな良い子達だわ。優しいし、他人を気遣う気持ちを持っている。きっと四人で支え合いながら暮らしてきたのね。

 クロエはどんなに心残りだったでしょう。この子達の成長を見守っていたかったでしょうに。こんな良い子に育っているのに。

 そんなことを考えると涙が出そうになってしまう。ダメダメ、今はロロだわ。

 私も一緒にロロの看病をしていたの。




 ◇◇◇

 (ロロ視点に戻ります)




 女神の世界から戻った俺を待っていたのは、少し重怠くまだ熱っぽい身体だった。ほっぺが痛くて熱をもっている。それでもゆっくりと瞼を開けると、お祖母様のお顔が最初に眼に入った。

 もしかしてずっと付いていてくれたのかな? 少し疲れているように見えるし、とっても心配そうなお顔をしている。着いてすぐに倒れたから、きっと心配をかけちゃったのだ。

 お祖母様の後ろには、リア姉とニコ兄もいる。ピカさんとチロはどこいった?


「くぅ~ん」

「キュル」


 声がした方へお顔を動かして見てみると、ピカとチロまで心配そうに見ていた。ああ、チロも一緒にすぐそばにいたんだ。


「ロロ! 気が付いたのね、良かったわ」

「おばあしゃま……」


 ちょっと声が擦れて喋りにくい。あれれ? ここはどこかな? 広くて綺麗な知らない部屋の大きなベッドに寝ていた。確か俺は伯父様に抱っこされて……あれ? そこから記憶がないぞ。


「コホン、コホン……うぇ……」

「ロロ、お喉が痛いのかな?」

「ロロ坊ちゃま、果実水ですよ」


 レオ兄とマリーも心配そうな顔をして俺を見ている。あー、心配をかけちゃった。レオ兄がそっと俺を起こしてくれた。まだ身体が少し熱っぽい。

 マリーに果実水を貰って、コクリと飲む。うぅ……飲み込むのが辛い。


「坊ちゃま、ゆっくり飲んでください。きっとお喉が腫れているんですよ」

「うん……おのろがいたいのら」

「ロロ、お顔を見せてごらん」

「れおにい、いたいのら」

「そうだね、腫れちゃったね」

「あらあら、お耳の下が痛いですか?」

「ほっぺがいつもよりプクプクだね」

「れおにい、しょうなのら」

「アハハハ、そうなのか」


 笑い事ではない。本当に痛いのだ。ちょっと喋りにくいし。


「目が覚めて良かったわ。お医者様に診てもらいましょう」


 え、お医者様だって。そんなの今まで熱を出しても、診てもらったことなんてないぞ。レオ兄が作ってくれる薬湯で治してきた。それで充分なのに。あれってよく効くのだよ。


「ロロ、もう2日も眠っていたんだ。その間にも診てもらっているんだよ」

「れ、れおにいの……」

「ん? お喉が痛いなら、あんまり喋らない方が良いよ。やっとお熱も下がってきたところだからね」

「れおにいの、やくとうれいいのら」

「まあ! レオったら薬湯も作っちゃうの!?」


 あれれ? お祖母様が驚いている。どこの家でもそんな感じなのじゃないのか? もしかして、レオ兄が薬湯を作れるのも特別なのかな?


「母上に教わったのです。それにニコが良い薬草を育ててくれるから、ちょっと勉強したんです」

「凄いわ! レオは本当に優秀なのね!」


 お祖母様は元気だなぁ。馬で辺境伯邸まで俺達を迎えにきてくれて、またすぐに俺達と一緒に戻ってきたんだ。お祖母様の方が疲れているだろうに。それなのに俺を看病してくれて、今度はお祖母様が倒れたりしないか心配になるぞ。


「おばあしゃま……もう、らいじょぶなのら」

「ロロ、遠慮しなくて良いのよ。お医者様にちゃんと診てもらいましょうね」

「おばあしゃま、ちゅかれてない? しんぱいなのら」

「ロロ……なんて優しい子なのかしら」


 お祖母様ったら元気そうだ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロとラウの投稿ペースですが、できるだけ週2回はと思っているのです。そこから少しずつペースを上げてと。

プライベートでの厄介事の一つが落ち着きそうなのです。今は書籍化関係も落ち着いています。が、来月くらいからまたバタバタしそうです。

ラウのイラストが完成してきています。もうね、綺麗なのですよ。お楽しみにしていただけると!

もうすぐリリ⑥が発売になります。発売記念SSを投稿予定なので、読んでいただけると嬉しいです!

ロロ①の方がほんの少し手に入り難くなっているようです。ありがたや〜(*≧∀≦*)

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
普通、二日も寝ていたら3歳児は動けないですからね←女神様さまさま 心配かけたくない言動や行動が、逆に余計に心配かけたりするのはよくあること ……ロロは生半可には大人の思考を持っているだけに、謝罪のル…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ