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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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385ーお話しした

 今日はマリー達も一緒だ。


「まあまあ、マリーは別のお部屋でいただきますよ」


 なんて、すっごく恐縮しているのだけど。


「マリー、食べながらでも話を聞きたいから、一緒にいてほしいのよ」


 と、お祖母様が言ったからだ。

 ルルンデでどんな生活をしていたのか。もうディさんに聞いているはずなのだけど、それでも俺達から聞きたいとお祖父様とお祖母様が言った。初めて聞くみたいに、色んな表情をしながら聞いてくれた。

 リア姉が、冒険者として頑張っていると言った。


「リア、あなたは令嬢なのよ」

「アハハハ! しかもその歳でCランクか! 大したものだ!」


 学園を退学した時の事をレオ兄が話した。


「レオは優秀だと聞いているわ」

「仕方がなかったとはいえ、退学は勿体なかったな」


 ドルフ爺の畑を手伝ったり、薬草を育てているとニコ兄が話した。


「凄いわ、あのドルフ博士なのでしょう?」

「ニコは兄弟の為に、頑張っているのだな」


 毎日ピカに乗って、畑をお散歩しているのだと俺が話した。


「まあ、ピカに!?」

「アハハハ! 本当に乗るのか!」


 みんなで父様達のお墓参りに行ったとレオ兄が話した。


「そう、お墓参りに行ったのね」

「そうか、そうか。喜んでいるだろう」


 また涙ぐむお祖父様とお祖母様。

 その時にヒュージスライムを、リア姉とレオ兄で倒したのだとニコ兄が話した。


「まあ! ヒュージスライムですって!?」

「それはディさんから聞いていなかったぞ!」


 ふふふ、だってディさんは一緒に行っていないもの。

 楽しくて、嬉しくて、心がとんでもなくポカポカして。それに俺はアップルパイとアイスのコラボレーションで、お口がとっても幸せだ。

 ここに来てから、こんなに楽しくて幸せな事があるのかと思うくらいなのだ。

 

「あらあら、ロロ坊ちゃま」


 フォークを手に持ちながら、コクリコクリとし出した俺。オヤツでお腹がいっぱいになったら眠気が襲ってきた。全然抵抗できない。


「ふふふ、疲れちゃったのかしら?」


 俺はお昼寝したのに、また眠ってしまった。ほんの少しだけどね。多分お昼寝の途中で起こされちゃったからだと思うのだ。でもちゃんと、夕ご飯までには起きた。

 お庭を少しお散歩して、それから食堂でみんなが集まるのを待っていた。


「あたッ!」


 またリーゼさんの声が、部屋の外から聞こえてきた。


「もうリーゼったら」

「あれは直らないのか?」

「あなた、口を酸っぱくして言っているのですよ」

「あの性格ですからね。仕方ないでっす」


 イシュトさんとネリアさん、それにクリスティー先生だ。酷い言われようだ。ラン爺まで、仕方がないなと苦笑している。でもあれでも転けないんだ。それは凄い事だと俺は思う。


「ごめんなさい、遅くなっちゃって!」


 リーゼさんが入ってくると、その後ろからフリード爺がやって来た。


「皆早いな。ロロ、起きたのか」

「うん」

「ロロ、今夜は一緒に寝ましょう!」

「これ、リーゼ」

「ね、もう出発しちゃうんでしょう?」

「リーゼ」

「だから、一晩くらい良いでしょう?」


 止めるネリアさんの声をスルーして、話しながら俺のそばへと来ようとするのだけど。


「あたッ!」


 はい、お決まりだ。絶対にそうなると思っていた。

 おっとっとと躓きながら、それでも持ち堪えるリーゼさん。後ろから入って来ていたフリード爺の胸元にパフンと抱きついた。厚い胸板に。


「リーゼ……」

「あ、お祖父様。ごめんなさい」

「リーゼ、何度言っているのかしら?」

「ひゃい、お母様!」


 このパターン、リーゼさんの初登場の時にも見た気がする。

 毎回これなのかな? ネリアさんも大変だ。


「リーゼはもう少し落ち着きなさい」

「はいぃ、ランお祖父様」


 リーゼさんは船の上では平気そうに立っていたのに、どうしてお邸の中ではこうなのだろう? 不思議だ。おっちょこちょいにも、程度ってものがあるぞ。

 その日の夕食は、俺はあまり食べられなかった。だってオヤツを食べてその後眠っていただけだから、そんなにお腹が空いてない。

 折角の海鮮料理だったのに。アクアパッツァにパエリア、それにクラムチャウダーもある。ルルンデでは手に入らないものばかりだった。前世ではメジャーな料理が並んだ。この世界では珍しいものだ。きっと辺境伯家のご先祖様が開発したのだろう。

 その夕食の時にお祖父様が言った。


「皆が疲れていないのなら、明日にでも出発しようと思っている」

「みんなリア達が来るのを待っているのよ」


 え、もう行っちゃうのか? そんなに直ぐにとは思わなかった。そうなると、寂しく感じてしまう。

 だって、俺達はフリード爺とラン爺に毎日遊んでもらっていたから。それに、クリスティー先生だ。一緒に眠った仲なのだ。


「しぇんしぇい」

「はい、ロロ」

「しゃびしいのら」

「またいつでも会えますよ」


 クリスティー先生が、ニッコリとした。俺はこうして離れるだけでも寂しいと思ってしまう。でもクリスティー先生やディさんは、仲の良い人達を送って来た。どれだけ寂しかった事だろう。

 俺達だって、ディさんやクリスティー先生より先に逝く。その時、二人は悲しんでくれるかな? うん、きっと悲しく思ってくれるだろう。寂しいなって、楽しかったなって思ってくれると嬉しい。


お読みいただき有難うございます!

活動報告にも書きましたが、もう一つ投稿している作品『稀代の大賢者は0歳児から暗躍する〜公爵家のご令息は運命に抵抗する〜』がネット小説大賞入賞しました!

実は今、ロロの先を書くのに必死なのですが(^◇^;)

とっても嬉しく思ってます。

こうして書き続けていられるのも、皆様の応援が大きな原動力になっています!

心からの感謝を!有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロの②も楽しみにして頂けると嬉しいです!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
ロロ君達は父上母上の件で亡くなった方達への思いを知ってるからなあ 切ない 『いつかくる時』を考えるより『今の楽しさ』を全身で味わってほしいですね
入賞おめでとうございます!そっちの作品は書籍化の次はコミカライズ間違いなしですね!(まさか主人公の名前がアレとは……やはりアニメになったらCVもあの人に……?) みんな褒めてもらってよかった……一…
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