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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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381ーお祖父様とお祖母様

 俺達が乗る馬車も一緒に来ているのだという。だから道中はそんなにスピードを出せなかったと言っていた。これでもゆっくり来た方だと。

 そしてその馬車はまだずっと後から来るらしい。自分達だけ先に走って来てくれた。結局馬車は置いてけぼりだ。

 いやいや、有り得ない。だって、お祖父様とお祖母様なのだよ。なのに、二人とも魔獣の馬に乗って走って来たのだ。お触れの意味があるのか? て、くらいに時間差で到着している。どれだけ飛ばしてきたのだ?

 その二人が、俺達を見た。ゆっくりと歩いて来る、お祖父様とお祖母様。なんだか、かっちょいい。すっと背筋が伸びていて、スレンダーな体型でとてもそんなお歳には見えない。て、お歳を知らないけど。

 その内お祖父様が走り出してしまって、お祖母様が慌てて追いかける。

 俺達兄弟4人が集まっている前まで走ってきて、そのままガシィッと抱き寄せられた。4人まとめてだ。イシュトさんにも同じ事をされたなぁなんて思い出した。


「やっと会えた! よく無事でいてくれた!」

「貴方達なのね、リア、レオ、ニコ、ロロ、お顔をしっかり見せてちょうだい」


 俺はまたまた驚いて固まったままだ。よく抱きしめられる。しかもまた4人一緒にだ。思わず横にいたニコ兄にしがみ付いてしまった。


「あなた、ロロが驚いてますわよ!」

「お、おう。すまんな!」


 そこでやっとお祖父様は手を離してくれた。ふぅ、驚いた。


「はじめまして、長女のアウレリアです」

「長男のレオナルトです」

「俺は次男のニコラウスです」

「ボクはろろ」


 またガシィッと抱き寄せられた。お祖父様とお祖母様が、俺達を順に抱き寄せながら泣いていた。

 どっちかというと、お祖父様の方がボロボロと涙を流している。お祖母様は静かに涙を流す感じでお上品だ。まさかあんなに大きな馬に乗る人だなんて思えない。


「私はお祖父様だぞ! 元気でいてくれて良かった! どれだけ心配した事か!」

「貴方達のお母様のお母様よ。ルイーゼというの。お祖母様と呼んでちょうだいね。こんな事になっているなんて、知らなくてごめんなさい。私達が遠慮せずにもっとちゃんと連絡を取り合っていれば、こんな事にはならなかったのに……ごめんなさいね」


 と、何度も俺達に謝ってくれる。そんな事ないのだ。


「いえ、母から連絡を取っていないと聞いていましたから。僕達は大丈夫です」

「あなたがレオ。優しくてしっかりとしたお兄さんなのね。一番クロエに似ているかしら? リアも辛い思いをしたのでしょう? リアはアル似なのね」

「いえ、周りの人達に沢山助けてもらいましたから大丈夫です」

「ニコはロロの面倒を、よくみているのですって?」

「おう、お兄ちゃんだからな」

「偉いわ。ロロはまだ3歳なのね」

「あい」


 俺は思わずお祖母様の、涙で濡れたほっぺを手で拭いた。手は汚くないけど、失礼だったかなとその手を引っ込めようとしたのだ。


「ロロ……ありがとう。ごめんなさいね。まだこんなに小さいのに……」


 そう言いながら、お祖母様に手を握られてしまった。お祖母様の手はとても温かくて。


「ごめんなしゃいは、いわなくていいのら。きてくれて、ありがとうなのら」

「まあ……!」


 ふわりとお祖母様に抱きしめられた。母様のお母様だ。母様もこんな良い匂いがしたのかな? シャボンの様な、お花の様な良い匂いがする。そして、柔らかくて温かい。こんなにスレンダーなのに、柔らかい。

 その間、ずっとお祖父様が泣いていた。途中でレオ兄が側にいってハンカチを出したりしていたのに、それでもお祖父様の涙は止まらなかった。

 俺達のお祖父様とお祖母様、想像していた感じとは違っていた。

 隣国の侯爵様だと聞いていた。それも由緒正しい家系なのだと。だからもっとお貴族様な感じを想像していたのだ。

 俺の思う貴族のイメージはルルンデの領主様だ。それよりもっと偉い人。なのに、フリード爺達に雰囲気が近かった。

 お祖父様は、ブルクハルト・オードランという。もう侯爵位は母様のお兄さんが継いでいるから前侯爵様だ。

 アッシュシルバーのサラサラな髪を短くしていて、精悍さがにじみ出ている。レオ兄や俺と同じラベンダー色の瞳から、大粒の涙を流してくれている。

 お祖母様は、ルイーゼ・オードランという。レオ兄やニコ兄と同じ藍色の髪色で、今日は長い髪を上品に上げてまとめている。ブルーの瞳が少しクールに見えるけど、とっても温かい人みたいだ。

 一通り挨拶を済ませても、まだお祖父様は泣いていた。


「こんなに可愛い子達に、辛い思いをさせてしまって……!」

「お祖父様、泣いてないでちゃんと見てください」

「テオ、これが泣かずにいられるか!」

「アハハハ、お祖父様。ほら、ロロが固まってますよ」


 いや、テオさん。俺に振るのは止めてほしい。俺はどうしたら良いのだ? 本当に固まってしまうぞ。


「ロロの友達も紹介してくれるか?」

「あい。ぴか」

「わふ」

「ぴかれしゅ、しょれとちろ」


 ピカの頭に乗っているチロも紹介した。蛇さんだけど怖くないよ。可愛いよ。


お読みいただき有難うございます!

しっかりとお祖父様とお祖母様に会いました。男性の方がよく泣いてますね^^;

そして女性の方が少し冷静だったりして。どうやらこのパターンが私は書きやすいみたいです。

フェチではありません。( ̄◇ ̄;)

いつも感想を有難うございます!

インフルエンザが流行っているみたいですよ。毎日寒い日が続きますし、体調にはお気をつけください。

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロ②はどんなイラストになるのでしょうね。

ロロのお友達も出てくるのでしょうかね〜。楽しみです。

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
温かい気持ちで泣ける作品には、なかなか出会えません。いつも楽しみにしています。ロロがとてもかわいい幸せでいてほしい。
あれ、ロロはフルネーム(ロロアールド・レーヴェント)をまだ言えないのか……? まさか、作者様が忘れたわけじゃないですよね←当方は忘れてました これだけ艦隊されると、四人とマリー一家全員そろってルルン…
うんうん、良いね〜やっと逢えたね〜 でもこの後、フリード爺達とのお別れが待ってると思うと、一時的なものとは言え、ロロには辛いかな 転移できるエルフさん達という心強い味方が居るから、きっと大丈夫…か…
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