378ー新ゴーレム
「おりこうらね」
「アン!」
「え、しょうなの?」
「アンアン!」
「ロロ、何ていっているんだ?」
レオ兄が聞いてきたから、それにお返事しようとしていたのに。そこに割り込むように、ズズイと俺の前に出て来たもっと賑やかな人がいた。
「ロロー! この子達はあのゴーレムじゃないのかぁーッ!」
フリード爺だ。フリード爺が欲しいと言ったから作ったゴーレム達だ。
もしかして、動くのを待っていたのかな?
「ふりーろじい、しょうなのら。うごいたのら」
「凄いぞぉッ!」
フリード爺が、俺をヒョイと抱き上げて高い高いをした。
おっと、思わずパンチしてしまうところだった。そのままクルクル回ったりされていたら、俺のへなちょこパンチが炸裂していたかも知れない。
「ふりーろじい、おろして!」
「お? そうか?」
やっと下ろしてもらった俺は、みんなに説明した。
フリード爺に言われて作ったゴーレム達なんだよと。プチじゃないから、取り敢えずスモールゴーレムかな? プチより少しだけ大きい感じがするでしょう? 取り敢えずね。いや、新ゴーレムでいいか。
俺は片手を高く上げて、大きな声で呼んだ。
「しぇいれちゅーッ!」
「キャンキャン!」
「アンアン!」
走り回っていた残りの2体もやってきた。そして俺とフリード爺の前に横一列に整列だ。イッチー達は、何が始まるのかと少し離れておとなしく様子を見ている。
その周りをピヨピヨと鳴きながら走り回っているフォーちゃん達。
「ピヨ!」
「ピヨヨ!」
「ふぉーちゃんたちは、しじゅかにして!」
「ピヨヨ!」
リーダーがみんなを叱ってくれている。リーダーが一番後に孵ったのに、先に孵っていた子達はどうしてそうなのかな?
これからお話しするから、ちょっと黙っていてね。
「ふりーろじいらよ。みんなの、ぼしゅなのら」
「キャン!」
「しょう、ちゃんということきくんらよ」
「アン!?」
え? ロロじゃないの? なんて聞いてきた。じゃあロロの魔力はもらえないの? と言っている。
そっか、魔力だ。この子達は魔力で動いていたのだった。
「ふりーろじいに、もらってね」
「アンアン……」
「らめ、ぼくはじゅっとここに、いるのじゃないから。ふりーろじいが、ぼしゅらっていったれしょう?」
「キャン」
分かったらしい。俺達は直ぐに移動するし、ルルンデに帰るつもりだからね。君達はここに残るんだよ。だからフリード爺がボスで、ちゃんと言う事を聞いて魔力ももらってね。と説明した。
「ロロ、魔力が必要なのか?」
「らんじい、しょうなのら。らから、ふりーろじいに、もらってっていった」
「ああー、魔力か……」
あれれ? ラン爺がとっても複雑な顔をしている。どうしたのかな?
「兄上、魔力が必要だって」
「お、おう」
あれあれ? フリード爺の眼が泳いでいるぞ。どうしてなのかな? 魔力をあげると言っても、何もしなくてもいいのだけど。
「ロロ、私が兄上の代わりに魔力をあげるのでも良いのかな?」
「わからないのら。えっちょぉ……」
こんな時にディさんはいない。ならこの人しかいないだろう。
「しぇんしぇーいッ!」
俺は大きな声で、クリスティー先生を呼んだ。どこにいるのかな? まだお昼ご飯前だからお昼寝はしていないと思うし。
裏の畑かな? と、思っていたら庭の四阿がある方からクリスティー先生が出て来た。
キラッキラの髪を靡かせて颯爽と。やっぱエルフさんって綺麗だ。
「大きな声を出して、どうしました?」
「しぇんしぇい、あのね」
ゴーレム達に魔力をあげるのが、ラン爺でも良いのか聞いてみた。ボスはフリード爺なのだけど。
「ああ、フリード様は魔力量がそう多くないからですね」
「クリスティー先生、そうなのだ」
「心配いりませんよ。ゴーレム達に必要な魔力なんてほんの少しでっす。剣に魔力を流すより少ないですよ。だからフリード様でも大丈夫でっす。何もしなくても勝手にゴーレム達が吸収していきまっす」
「そうか! 私でも良いか!」
「はい。ランベルト様でも構いませんよ」
なんだ、誰でも良いのか? ならイッチー達も俺じゃなくても良いのか?
俺じゃないと駄目だと思って、何処へ行くのにもくっ付いてきているのに。
「それはあの子達が、ロロの事が大好きだからですね」
「え、しょうなの?」
「作ったロロの魔力が、一番なのは確かですよ」
知らなかった。新事実なのだ。
「ただ……」
ん? まだ何かあるらしい。
「名付けは、フリード様がする方が良いでっす。ボスなのですから」
名付けかぁ。まあ、今回俺は関係ない。
俺はいつも名前を考えられない。あと3体もとなると、もうネタ切れだ。
「名付けかッ! 私が付けて良いのだなッ!」
名付けと言われて、何故かフリード爺の眼がキラキラし出した。どうしてだ? 俺は名を付けてと言われる度に、頭を抱えていたのに。
取り敢えず、新ゴーレム達よ。フリード爺の前に整列しようか?
ちょっと目を離すと、直ぐにみんなで走り回ってしまう。これは大変だぞ。リーダーを決めて置く方が良い。
「あたらしいこは、ふりーろじいのまえにしぇいれちゅ!」
「キャン!」
「アンアン!」
可愛い声で鳴きながら、フリード爺の前に横一列に整列してチョコンとお座りをした。尻尾をブンブン振っている。
うん、ちゃんと分かっているね。フリード爺がボスだからね。
お読みいただき有難うございます!
引っ張っているわけではないのですが、お名前の発表は明日です。(^◇^;)
予想を的中されていた方がおられるのですよ。
まあ、予想つきますよね〜
フリード爺ですし^^;
いつも感想を有難うございます!
毎日楽しみにさせて頂いてます。
有難うございます!
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宜しくお願いします。
ピカみたいな大きなワンちゃんを飼いたい気もしますが、小型犬のトイプードルでさえ大変なのに。
最後が近付くと、悲しいですしね。
ロロの②が来年発売予定ですが、買って頂けるのかととっても不安。どうか皆様、書籍も宜しくお願いします!




