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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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373ーフリード爺はアクティブ

 それよりも、海だ。俺は海を満喫するのだ。


「らんじい、しゅごいのら! ひろいのら!」

「アハハハ、そうだろう。ロロは海は初めてか?」

「はじめてなのら!」

「俺もだぞ。きっとリア姉やレオ兄も初めてだと思うぞ」

「そうか、レーヴェント領には海はないからな」

「おう、湖ならあるんだけどな」

「フューシャン湖か。あの湖も大きくて綺麗だろう」

「ぴんくいろなのら」

「ロロは行った事があるのか?」

「おはかまいりれ、いったのら」

「そうか。ああ、リアとレオがスライムを退治した時か?」

「そうだぞ」


 うぷッ……話しているけど、立っているけど、俺は結構ヤバイ。船酔いだ。だって船に乗るのは初めてだし、こんなに揺れると思わなかった。

 ラン爺に背中を持って支えてもらって、その上ピカの背中に掴まっている。それでも右にフラフラ~左にフラフラ~とじっと立っていられない。

 いかん、限界かも知れない。うぷッ。


「らんじい、きもちわるいのら」

「酔ってしまったか? これを舐めなさい」


 深い緑色の、のど飴の様なものを見せてくれた。あーんとお口を開けると、口の中に入れてくれる。

 ラン爺がお口の中に入れてくれた飴玉みたいな物。これはハーブかな? ちょっぴり薬草っぽい。

 でもお口の中が、スーッとスッキリ爽やかだ。不思議だ。直ぐに船酔いの気持ち悪い感じがなくなった。


「すっきりするだろう?」

「うん、やくしょう?」

「そうだ。クリスティー先生が作ってくれる船酔いした時の飴だ」

「しぇんしぇいが?」

「そうだぞ」


 そうだった。ディさんが言っていたじゃないか。薬草に詳しいと。

 クリスティー先生に薬草の事を教わろうと思っていたのに。ポーションだって上位のものが作れるようになるかも知れない。薬湯だって作れるようになりたいじゃないか。コロッと忘れていた。

 ずっと楽しくて、ウキウキワクワクしてそれどころじゃなかった。身体の中がずっとポカポカしている気がするのだ。


「俺はちょっと教わったぞ。リカバマッシュも育てるようにしたしな」

「いちゅのまに!?」

「ロロがお昼寝している時だ」


 ああー、俺ってお昼寝するから出遅れてしまった。勿体ない。


「ディさんがいるんだ。またいつでも来ると良い」

「らんじい、しょう? いいの?」

「ああ、ロロ達ならいつでも大歓迎だ」

「ありがと!」


 ふふふ、嬉しい。帰ったらディさんにお願いしよう。また転移で連れてってと言わなきゃ。

 船がゆっくりと停まった。随分沖まで出てきたと思うのだけど。


「沖の方を見ていなさい」


 何だろう? ラン爺が指差す方をじっと見ていた。すると何か黒いツルンとした細長いものが海面に飛び出して、また海中に消えたりしているのが幾つも見えた。

 逆三角形の様に並んで、幾つも動いている。あれは背びれなのかな? イルカとかにある様な背びれ。それよりずっと大きいのだけど。それによく見ると角が大小二つ、海面から見えている。


「あれれ?」

「あれはイルカが魔物化したものだ。角があるだろう?」

「本当だ。二本見えているぞ」

「イルカが海中の弱い魔物を食べて、魔物化したものだと言われている。だけど気性は穏やかで、人を襲う事はないんだ」

「ひょぉーッ!」


 イルカの魔物だって。確かに角があるし大きい。とっても大きいのだ。まるで小さなクジラ位の大きさがある。

 その時だ。フリード爺がザバーンと海に飛び込んだ。


「ふりーろじい!」

「うわ! なんだ!?」

「アハハハ、見ていなさい」


 ラン爺が笑っているから平気なのだろう。

 飛び込んだフリード爺は、そのまま泳いでイルカの魔物さんの近くまで行った。すると、その魔物がフリード爺の側へ寄ってきた。

 フリード爺が、待ってましたと背びれを掴んだのだ。そのまま、イルカの魔物の背びれに掴まっている。

 そして、どうやっているのか俺には全然分からないのだけど、フリード爺が魔物の背中にヒョイと乗り跨って座った。


「ええーッ!」

「すげー!」

「アハハハ」


 ラン爺が俺達の反応を見て笑っていた。リア姉とレオ兄も驚いて見ている。

 リーゼさんは自分も行きたそうにしているけど。あれは本当にお転婆さんだ。リア姉よりずっとだ。


「あれって、ラン爺もできるのか?」

「ああ、できるぞ。だけど兄上はあそこから立つんだ」

「えぇ!? 立つのか!?」

「ああ、見ていなさい」


 まさかそんな事ができるのか? だって海の中を動いているし、ツルツルしているだろうに。

 でもフリード爺はラン爺が言ったように、イルカの魔物の背中でヒョイと立ち上がった。背びれに掴まり立っている。そのまま俺達に向かって、手を振ったりしている。


「しゅごいのら!」

「そうだろう? 立つのは兄上にしかできない。私はできないよ」


 フリード爺って何者なのだ? もう爺さんなのに、アクティブすぎるだろう?

 フリード爺を背中に乗せた魔物は、群れをなしてススイ~と泳いでいく。途中でザパーンとジャンプしたり。え? ジャンプと言って良いのか? 高く飛びあがったのだ。

 それでも、平気でフリード爺は立っている。フリード爺を乗せたまま、沖に向かって泳いで行く。

 海面の色が濃くなっている場所があった。いや、あれは海の中に何かいるんだ。

 その部分だけ海の色が暗くなって移動している。


お読みいただき有難うございます!

海と言えば、感想でも頂いてましたがクラーケンみたいな魔物が登場するのかな? と、思いますよね〜。

ロロは違います。平和に、でも少しだけ珍しくと考えました。

海って、ココちゃんやリリに出てくるのですよ。被らないようにと^^;

海のお話は明日も続きます。

いつも感想を有難うございます!

励みになってまっす。頑張りますよ〜!

感想欄でお返事してますが、クリスティー先生は男性でっす。オネエさんみたいな喋り方の、綺麗なお兄さんでっす。^ ^

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロ②もね、やっぱ大変そうな気がする。(-。-;

書籍限定のオリジナルキャラは①で登場しましたね。オリジナルストーリーも、もしかしたら…?

まだまだ未定です。

ロロ①好評発売中でっす!宜しくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
(゜_゜ )イルカ………………ジャンプ……………… ( ̄_ ̄)トリトン?
一瞬「イルカに乗った老人」という単語が…(ꏿ﹏ꏿ;)
クラーケンは出ないのですか…… 莉波「イカ焼き……」(←違 よし、レヴァイアサンを出して開きか叩きにしましょう!←やめれ >薬 船酔いするぐらいだと、お口にモノを入れるのも辛いから最初から飲ん…
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