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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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372ー海だ

「こうしてみんな一緒に鍛練して、一致団結する気持ちを養うのよ。魔物と交戦した時に、それが命綱になったりするの」


 ほう、信頼関係が大事という事か。信じられない人に背中は預けられない。そういう事だろう。

 今日はリア姉がセーブしながら鍛練している。昨日は張り切り過ぎて、一番最初にバテちゃったから。ニコ兄の方が長くもったのだもの。


「ふふふ、リアもちょっと勉強したみたいね」


 いやいや、それよりも俺は驚いた。できるのだろうとは思っていたけど、リーゼさんも余裕じゃん。

 パキパキと鍛練を熟している。あんなにドジっ子なのにって、それは関係ないのかな?

 それにリア姉と、体型はそんなに変わらない。むしろリア姉より、ほんの少し小さくて細いかも知れない。なのに鍛練に、余裕でついていっている。


「リーゼも子供の頃から参加しているから、もう慣れているのよ。学院の寮に入って少し鈍ってしまったかしら?」


 ええー、あれで鈍っているのか? それならリア姉はどうなるのだ?

 結局、リア姉は今日も最後まで持たなかった。ニコ兄と同じ様なところでバテてしまった。昨日より少しマシだったけど。


「まだよく持った方じゃないかしら?」

「あらあら、エルザ。そんな言い方をして」

「だってお婆ちゃん」

「そうよね、リア嬢ちゃまにしては頑張った方だわ」

「もう、ユーリアまで」


 酷い言いようだ。でもリア姉は瞬発力はあっても持久力が足りない。それは見ている俺でも分かる。もう途中からヤバイのが分かったもの。息が上がっていた。


「ああー、キッツイわ!」

「姉上は走り込みをする方が良いんじゃない?」

「レオ、そう?」

「俺もそう思うぞ」

「ニコだって、最後までできなかったじゃない」


 こらこら、ちびっ子のニコ兄を一緒にするんじゃない。ニコ兄はまだ9歳だ。


「リーゼには驚いたわ。余裕じゃない」

「あら、そう? だって私は子供の頃から参加しているもの」

「そうなの?」

「そうそう、お祖父様やお父様が見逃してくれないの。もう無理矢理参加させられちゃうの」

「ええー……」


 それはちょっと俺は嫌だな。俺って体力ないし、こんな鍛練なんてしたくない。

 ユーリさんとテオさん、ジルさんもやっぱ余裕だった。


「りあねえ、ておしゃんにまけてるのら」

「ロロー!」


 また抱き着いてきた。汗かいているのに、やめれ。


「汗をかいているだろう。着替えたら、出掛けよう」


 と、ラン爺が言ってきた。今度こそ、海だ!




「しゅごいのら!」

「すげー!」


 俺達は海に来ている。しかも船に乗っている。俺は前世、超インドア派だったからこんな船に乗った事がない。海だって、行きたいと思った事もない。

 でも、キラキラと光る海面、どこまでも続く海原、淡い水色の空とエメラルドグリーンの海の色のコントラスト。眼が痛くなるほど鮮やかだ。

 沖の方で海鳥が飛んでいる。濃い潮の匂いのする海風が、俺の短い前髪を撫でていく。どこまでも続く海。その中を波をかき分けて進む船。遠くの海面が青くゆったりと大きくふくらんでいる。

 一緒に来たメンバーは、俺達四人とフリード爺、ラン爺、リーゼさんだ。それにピカとチロ。マリー達はお留守番だ。


「あらあら、マリーはそんなの怖くて無理です、気絶しちゃいますよ」


 なんて大袈裟な事を言っていた。まあ、仕方ない。その間に料理を教わっていてくれないかな。

 イシュトさんとユーリさんはお邸の守り担当だ。いつも誰かが残っている。いつ何があっても動けるようにだ。

 イシュトさんとユーリさんが出掛ける時は、フリード爺やラン爺がお邸に残る。

 ルルンデの街より、ずっと大変な土地なのだ。


「ロロ、掴まっていないと転けるぞ」


 船の上でフラフラとしながら、立って前を見ている俺にニコ兄が心配してそう言った。


「にこにい、へいきなのら」

「アハハハ、ロロ。危ないぞ」

「わふん」

「ぴか、らいじょぶなのら」


 ラン爺が俺の背中を、ずっと持って支えてくれている。だから俺は立っていられる。でないと、コロコロと転がってとっくに海に落ちているのだ。

 ピカもずっと俺のそばにいてくれる。俺が危なっかしいのだろう。

 ピカは全然平気みたいだ。普通に伏せている。トコトコと船の上を歩いたりもする。どうしてだ? ピカさんは万能なのか?

 それにあのドジっ子リーゼさんが、平気な顔をして立っている。『あたッ!』と言わないのだ。


「リーゼも慣れているんだ。子供の頃から乗っているからね」


 と、ラン爺が話していた。やっぱリーゼさんの体幹は凄いぞ。それに比べてリア姉だ。

 俺と同じであっちへフラフラ~、こっちへフラフラ~。


「姉上、どうしてそんなに動くんだよ」

「レオ、ちゃんと持っていてよ!」

「持ってるって」


 レオ兄に掴まりながら文句を言っている。これはリア姉、鍛練を頑張らないといけないと俺は思うよ。


「リアったら、腰が引けているわよ」

「だって船に乗るのも初めてなのよ!」

「でもレオは平気じゃない?」

「僕も平気じゃないですよ。でも姉上ほどじゃないかな。アハハハ」

「レオったらひどーい!」


 いつの間にか、仲良しになっている。リーゼさんとリア姉て、性格も似てそうだ。


お読みいただき有難うございます!


今日は動物病院はお休みなのですが、打ち合わせが入っているので予約投稿です。

予約投稿にも少し慣れてきました。

ずっとバタバタしていて書けていないのですが、少しだけ書き溜めがあるのでなんとかなってます。^^;

年末年始は色々あるみたいなので、情報解禁になったらお知らせしますね〜

どんどん参加して頂けると嬉しいです!

今日も頑張りまっす!

いつも感想を有難うございます。

とっても励みになってます。有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ロロ①売り上げ好調らしいです。が、ここでもう少しブーストが欲しい!

まだの方は是非!店頭にはないところもあるみたいです。そんな時はネットショップで!

宜しくお願いします!

挿絵(By みてみん)

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ローリングやピッチングの度にコロコロ転がっていくロロを見たくないかと言われれば……
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