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☆第6回ESN大賞W受賞☆④発売中☆元貴族の四兄弟はくじけない! 〜追い出されちゃったけど、おっきいもふもふと一緒に家族を守るのだ!〜  作者: 撫羽
第6章 辺境伯領に行ったのら

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371ーリーゼは余裕だった

 ホカホカの朝食が運ばれてくる。家だと朝食は昨日の残りとかもあったりする。それが駄目なんかじゃないし嫌でもない。

 だってそれはそれで美味しいから。でも、この家では違う。

 齧り付くとパリッと音がなるウインナーに、スクランブルエッグ。しかもフレッシュトマトのソース付きだ。それにサラダ。サラダには必ずトッピングがのっていて、温かいポタージュスープもある。なにより、パンだ。きっと焼き立てだ。パリッ、ふわっなパンだ。

 食パンではなくて、真ん丸のパン。これにバターをたっぷり塗って食べると、それだけでご馳走だ。俺はマジで、スープとパンだけで食べられるぞ。充分だ。

 ふぅふぅしながらスープをスプーンで掬って飲む。今日はジャガイモのポタージュスープかな? かぼちゃのスープも美味しかった。


「うまうま」

「な、美味いな」


 はむはむとパンをお口いっぱいに頬張る。小麦の風味とバターがお口の中でマリアージュする。

 美味しいなぁ。本当に作り方を教わりたいぞ。マリーはどこにいるのかな? と、部屋の中を見渡すといない。あれ、いない。


「ロロ、どうした?」

「にこにい、まりーがいないのら」

「そうだな」

「まりーがいない」

「マリーも別のとこで食べてるんじゃないか?」

「しょう?」

「ああ、きっとな」

「しょっか……」


 今迄気付かなかったのに、いつもずっと一緒でマリーが側にいない事なんてないからちょっぴり寂しい。


「ロロ、今日は海に行こうな!」

「ふりーろじい、ほんと!?」

「ああ、船を出してもらおう」

「お義父様、ロロはまだ小さいのに危なくありませんか?」

「大丈夫だ。私達が付いているよ」


 ラン爺がそう言ってくれた。うん、フリード爺とラン爺が一緒なら大丈夫だ。


「はい、はい! 私も一緒に行くわ!」

「リーゼ」

「だってお母様! 私だってロロと遊びたいわ!」

「もう、貴方が一緒だと一気に不安になるわよ」

「ええー!」


 ふふふ、確かに。俺よりリーゼさんの方が心配だ。船の上で「あたッ!」とか言い出さないか? おっとっとと言いながら海に転がり落ちてしまいそうだ。


「ふふふふ」


 思わず俺はお口の前に手をやって笑ってしまった。


「ロロ、考えている事は分かるよ」

「れおにい、しょう?」

「うん、僕も同じ事を考えていたから」

「あら、レオ。私もだわ」

「俺もだぞ」

「私もでっす」


 みんなじゃないか。やっぱみんな考える事は同じだ。


「リーゼ、ちゃんと私の言う事を聞くと約束するかい?」

「はい! ランお祖父様! もちろんだわ!」


 怪しい。とっても怪しい。1人爆走しそうだ。


「ふふふふ」

「ロロ、笑ったら駄目よ。ふふふ」

「らって、りあねえ」


 リア姉だって笑っている。

 朝ごはんを食べたら海へ……ではなく、いつもの鍛練だ。朝の鍛練が待っている。今日はリーゼさんも参加だ。みんな裏にある鍛練場に集まって整列している。

 今日こそはリア姉、最後まで頑張ろう。


「ロロ、一緒に座って見ていましょう」

「あい」


 ネリアさんと一緒にベンチに座る。その頃になって、やっとマリー達がやって来た。


「あー! まりー、えるざ、ゆーりあ!」


 手をブンブンと振った。マリー達と一緒に、朝食を食べない日はなかったから。今まで気が付かなかったのは、どうしてだろう? ドキドキしていたからかな? 食べる事に夢中になっていたからかな?


「ロロ坊ちゃま、どうしました?」

「まりー、いないから」

「あらあら、マリー達も朝食を頂いていたんですよ」

「ロロ坊ちゃま、ここの朝食は美味しいですね」

「ね、パンが全然違うもの」

「ね~」


 そうそう、あの焼き立てパンはとっても美味しい。


「ちゅくりたいのら」

「あら、ロロはパンを作れるの?」

「ちゅくれないのら。ぱんは、むじゅかしいのら」

「ふふふ、じゃあ時間があったらシェフに教わると良いわ」

「ほんとなのら!?」

「ええ、構わないわよ」

「まりー、おしょわろう!」

「はいはい。坊ちゃま」


 そんな話をしていると、イシュトさんの大きな声がした。

 お腹に響くような声だ。今はお腹いっぱいだから響く余裕もないのだけど。


「整列ッ!!」


 リア姉は今日もやる気だ。その並びにレオ兄とニコ兄もいる。そして、ユーリさんにリーゼさん、テオさんとジルさんもいる。あれれ? なんだかテオさんの雰囲気が、今までと少し違う様な気がする。


「ねりあしゃん、ておしゃんが」

「あら、分かるかしら? ここに来てからずっと領主隊と一緒に鍛練しているのよ。少し精悍な感じになってきたでしょう? 今迄は優しいだけだったけど」


 優しいだけだったとは、酷い言いようだ。テオさんは実際に優しい。それにネリアさんが言った様に、精悍さが加わったように見える。ランクアップしたいと言っていたから、頑張っているのだろう。


「精神一到!!」

 ――おおー!!

 ――はぁ〜い!!


 見るのはまだ2度目だけど、これってきっと俺は何度見てもビクッとすると思う。そんな迫力がある。

 領主隊が一緒に鍛練しているからかも知れない。相変わらず、メイドさん達の黄色い声も混じっているけど。


お読みいただき有難うございます!

前はどう書いていたかな? と、以前のお話を読み返す事があります。覚えていない事も色々あって、伏線を回収し忘れている事も。(-。-;

今日はテオさん達の初登場くらいを読み返していました。

いやぁ、自分で書いておいて言うのもなんですけど、ロロは可愛い。^^;

飄々とした感じがね。

私が書くちびっ子は皆テンション低めです。キャピキャピしたちびっ子の主人公ではありません。

だから、大丈夫かなぁ? と、思いながら。

でもちゃんと可愛いですよね? ね?

今日も動物病院に通うので予約投稿です。リアルで投稿したい派の私はちょっと心配だったりして。

そのワンちゃんは今私のお膝で寝ています。もっと生きてほしいから頑張ります。

暫く予約投稿中心になってしまうと思いますが、もしいつもの時間に投稿されなかったら教えて頂けると助かります。

いつも感想を有難うございます!お返事できない日もあるかも知れませんが、全部読ませて頂いてます。

とっても励みになってます。有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ピカみたいに元気に走り回るようになって欲しいので、ピカが楽しそうに走っている書影を。

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
ウイーンがないのにウインナー?初代さんも、それで慣れたのかもしれませんが、たいがいにしないといけませんな そういえば、育てた生野菜を食べるって、考えればすごいテクノロジーなんですよね……まぁディさん…
私は撫羽様の書くチビッコ達が大好きです。 一番はハルちゃんですね~ 【ちゅどーん】は最強にかわいいwww 幼児言葉もそれぞれ違いが有って、性格も違いが有って、でも読んでいて【ほっこり】して幸せを感じま…
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