370ー朝ごはん
次の日、俺は眼を覚ましてびっくりした。いつもの様にレオ兄が隣にいたのだけど、その反対側になんとクリスティー先生が寝ていたのだ。
レオ兄とクリスティー先生に挟まれて、俺は寝ていた。ベッドが広いからできる事だ。それでもまだもう一人位なら一緒に眠れそうな大きさだ。
「ロロ、おはよう」
「おや、起きましたか?」
「れおにい、しぇんしぇい」
今の状況を理解できなくて、俺は眼をパチクリしていた。
どうしてこうなったのかな? たしか昨日はクリスティー先生に抱っこしてもらって……
「一緒に寝ていたのでっす」
「ふふふ。ロロ、びっくりした?」
「びっくりなのら」
レオ兄とクリスティー先生に挟まれて、しかも二人にナデナデされて、俺は朝からとっても嬉しくなった。
「しぇんしぇい、いしょにねたのら?」
「そうでっす。ロロとレオと一緒だったのでっす」
「うれしいのら」
「僕はびっくりしたよ。部屋に戻ってきたらクリスティー先生が、一緒にベッドに入っていたから」
「ふふふ、そうですか?」
「はい。大人の人と、一緒に寝るなんてありませんから」
「おやおや、そうですか? ではまた一緒に寝ましょう」
ふふふ、きっと父様がいたらこんな感じなのかな。
ルルンデの家では、ディさんがよく一緒にお昼寝していた。でもベッドがこんなに大きくないから、レオ兄も一緒になんて事はできない。
ディさんもクリスティー先生も、温かい人だ。今度はニコ兄も一緒に寝ようと誘おう。
「さあ、お着替えして朝ごはんですよ」
「ロロ、起きよう」
「うん」
今朝は3人一緒だ。いつもレオ兄と2人だ。1人増えただけなのに、心がいつもよりポカポカしてウキウキする。今日は何をするのかな? ここに来てからはみんな一緒で、沢山の人達がいて楽しい事ばかりだ。
「今日はフリード様が海に行こうと仰ってましたよ」
「あー、しょうなのら。うみら」
「ロロは海が初めてだね」
「うん、れおにい、あのぴんくの、みじゅうみ」
「ん? ピンクの? ああ、フューシャン湖の事かな?」
「しょうしょう。あのみじゅうみより、じゅっとおおきいのがうみ」
「そうだよ、向こう岸が見えないんだ」
「はやくいきたいのら」
「ちゃんと朝ご飯を食べてからでっす」
「あい」
ヒョイと手をあげた。クリスティー先生がニッコリしてくれる。
「ロロはお利口さんでっす。みんななんて良い子達なのでしょう」
クリスティー先生だって、とっても良い人だ。会ったばかりの俺達をこんなに可愛がってくれる。嬉しいし有難い事だ。
それからマリーが、俺達の着替えを持ってやってきた。
「おはようございます。お早いですね」
「おはよう、マリー。ロロが眼を覚ましちゃったんだ」
「まあまあ、よく眠れましたか?」
「うん、まりー。おはよう」
「クリスティー先生も一緒だったのですか?」
「しょうなのら。いっしょなのら」
「あらあら、良かったですね」
ふふふ、朝から心がもう満タンになりそうなくらいぽかぽかだ。
マリーがお着替えをさせてくれて、食堂へ向かう。大きな階段があるのだけど、クリスティー先生が抱っこしてくれる。こっちに来てから、一番抱っこしてくれるのはクリスティー先生だ。
そうだ、前にディさんが言ってた。エルフはちびっ子を大事にすると。
「ふふふ、ロロのほっぺはプクプクでっす」
そう言いながら、指でツンツンしてくる。俺を片手で軽々と抱っこして、もう片方の手でツンツン。お腹は無事なのだけど、ほっぺがピンチだ。
食堂に入ると、もうみんな席に着いていた。いや、みんなではない。例の……
「あたッ!」
朝から賑やかだ。昨夜帰ってきたリーゼさんだ。ドアの向こうで躓いたらしい。声だけが聞こえてきた。
「もう、朝からあれだよ」
「ふふふ、でもリーゼは楽しい良い子ですね」
「リア、そうかい?」
「ええ、ユーリ様。私はそう思います」
「そうだね、表裏がなくて」
「ね、レオもそう思うわよね」
そっか、昨夜俺が寝てからリア姉とレオ兄は話していたんだ。
まあ、リア姉とは気が合うだろうな。そんな事余裕で想像がつく。だって良く似た感じだもの。リア姉はまだ、ドジっ子じゃないから良かった。
「ロロ、何思ってるの?」
「なにもおもってないのら」
「あら、そう?」
「しょうなのら」
ふゅ~、危ない危ない。またツッコまれちゃった。そこに、バンッとドアを開けて入ってきたのはリーゼさん。
「おはようございますッ!」
元気だね。そこで「ですです~!」とか言ったら、マンマ女神だよ。
「ロロ! よく眠れたかしら?」
「あい」
「可愛いぃーッ!」
「リーゼ」
「ね、ロロはまだ3歳なんですって? 今日は一緒に遊びましょうね!」
と、言いながら近寄ってくる。当然……
「あたッ!」
お決まりだ。もう俺でも確実に予測できる。
「リーゼ!」
「は、はいッ! お母様!」
「いいから席に着きなさい!」
「はいぃ、ごめんなさい!」
それでもまだ俺の方をチロチロと見ている。
「わふん」
「ね~、しょうらよね」
「キュルン」
「ふふふ」
ピカとチロまで、誰かに似ているとか言っている。やっぱそう思うよね。
「さあ、いただこうか」
イシュトさんがそう言うと、控えていたメイドさん達が一斉に動き出した。
お読みいただき有難うございます!
もう感想で皆さんが書いて下さっていますが、あの女神みたいなリーゼです。
おっちょこちょいですが、良い子なのですよ。
将来的にはリアと仲良くなりますが・・・モゴモゴ。
まだ秘密ですね~(^^;
辺境伯家とは深い縁があるみたいですよ。
ロロの2巻もまた色々手直しするみたいです。これからなのですが、またまた全面改稿になったりして。いやそれはもう大変。
今年は2冊同時発売にチャレンジしましたが、来年もまた未知の事にチャレンジする事になりそうです。
楽しみにしていただけると!(^▽^)/
いつも感想を有難うございます!
今日は動物病院へ通院のため、予約投稿です。
ふぅ、頑張ります!うちのワンちゃんも頑張ってほしい!
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宜しくお願いします。
明るいイラストをと思ってこれを選びました。




